ソーシャルメディアは商品購入にはほとんど影響を与えていない……!?

2014/06/27 11:30

コミュニケーションツールとしてますます普及を続けるソーシャルメディア。当然、情報伝達のために利用する頻度も高くなり、広告効果も期待できる。企業の多くが公式アカウントを有し、サポートを執り行い、情報発信をするのはごく普通のスタイルとなった。それではソーシャルメディアで得られる情報は、どれほどまでに消費者の購入姿勢へ影響を及ぼすのだろうか。興味深いレポートが、アメリカの調査機関ギャラップ社から発表されたので、その内容をかいつまんでいくことにする(【Americans Say Social Media Have Little Sway on Purchases】)。

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今調査は2012年12月12日から2013年1月22日にかげて、アメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対し、電話による口頭質問とメール回答形式によって英語で行われたもので、有効回答数は1万8525人。電話調査はRDD方式で選択されたもので、結果は2012年の国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが成されている。

まず商品の購入を通常の状況で行う際に、ソーシャルメディアから得られる情報(直接的な情報はもちろん、関連する二次的情報、例えば商品を取り扱う企業の対応姿勢まで含めて)はどの程度の影響を持つかについて聞いた結果が次のグラフ。全体では影響が極めて大きいとする意見は5%に留まり、それなりに影響があるとした人は30%。ほとんど影響がないとする意見は6割にも達した。

↑ 通常において商品購入決定の際にソーシャルメディア(の情報)はどれ程の影響力を持つか(米、2012年12月-2013年1月)
↑ 通常において商品購入決定の際にソーシャルメディア(の情報)はどれ程の影響力を持つか(米、2012年12月-2013年1月)

これを1/3強も影響あり、と見るのか、6割以上も影響はないと見るのかはその人の立場次第だが、もう少し影響力がある、具体的には「超影響あり」の回答率が高くても良い気はする。

もっともこれを回答者の世代別に見ると、微妙な変化が生じてくる。ソーシャルメディアと親近感のある、多用している事例が多い若年層ほど、強い影響力を受けている。

↑ 通常において商品購入決定の際にソーシャルメディア(の情報)はどれ程の影響力を持つか(米、2012年12月-2013年1月)(世代別)
↑ 通常において商品購入決定の際にソーシャルメディア(の情報)はどれ程の影響力を持つか(米、2012年12月-2013年1月)(世代別)

若年層(1975年から2000年生まれ)は5割が影響ありとしているのに対し、シニア層(1922年から1945年生まれ)では影響ありとの回答は2割にも届かない。ソーシャルメディアそのものとの親和性に加え(レポートでも「世代別のソーシャルメディアの利用率そのものが、影響度の違いに関わってくるかもしれない」と言及している)、ネット情報にどれだけ傾注しているか、信頼しているかの違いが、商品購入の意思決定への作用にも関わってくるのだろう。

レポートではこのように「思ったほどソーシャルメディアは購入の意思決定の大きな要因として作用していない」理由の一つとして、そもそも論としてだが、ソーシャルメディアの利用目的が商品購入の意思決定判断では無く、他の目的をメインにしているからと説明している。

↑ ソーシャルメディアを何のために使っているか(利用者限定、複数回答、米、2012年12月-2013年1月)
↑ ソーシャルメディアを何のために使っているか(利用者限定、複数回答、米、2012年12月-2013年1月)

もっとも値の高い、商品購入の決定に直接関係がありそうな「企業や組織情報の確認」ですら40%。「商品レビューなどの確認」は3割を切っている。知人とのコミュニケーションの中に商品に関する推奨話(「あのゲーム面白かったよ」「先日発売された新バーガー、超ウマイから一度買ってみ?」のような)は出てくるかもしれないが、それはメインでは無い。



レポートでは特定企業のFacebookページに登録したり、アカウントをフォローしている人ですら、購入決定に影響が生じ得るのは53%に過ぎず、まったく影響がないとする人が34%もいるなど、具体的事例を挙げて関連性の薄さを説明している。そして商品購入を判断する際は、それらのソーシャルメディアの情報よりも他のルート、例えば友人に直接聞いたり店内展示商品を見たり、雑誌やテレビの方をより好んで使う場合が多いと説明している。

ただし例えばカスタマーサポート的な対応を誠実に、敏速に行うことて企業のブランドイメージを高れば、中長期的に企業の売上を押し上げることにもつながるとしている。商品一つ一つをプッシュするよりも、サービスの提供という観点でソーシャルメディアの利用を行うことで、企業は利益を得そうであると説明している。これは確かに理にかなった解説と言える。

一方、今調査は2012年12月から2013年1月と、少々古いデータを基にした分析であることを確認しておく必要がある。現在はスマートフォンの普及が急速に進み、ソーシャルメディアもより多くの人に利用され、利用者間のコミュニケーションも一層活発化している。情報発信能力も増し、商品へのアプローチ方法も多様化している。同じ調査を再度、今行った場合、影響力はもう少し底上げされていることは、容易に想像できよう。


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