ストレス発散消費、消費期限切れ、それよりも手ごわい貯蓄最大の敵、それは何か!?

2014/07/02 11:30

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収入から出費を差し引いて残る余剰資金を貯蓄に回せば、出費が収入を上回らない限り、貯蓄額は漸次上昇していくはず。しかしそこに立ちはだかるのが、多種多様な誘惑。出費を減らす節約の妨げにもなり、節約意識、貯蓄性向の好敵手であることは、多くの人が実体験から知っているはず。その実態を、メディケア生命保険が2014年6月17日に発表した、消費税増税後の節約術・貯蓄術に関する調査結果から確認していくことにする(【発表リリース:消費税増税後の節約術・貯蓄術に関する調査】)。


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最大の敵は「出た時ついでの外食」


今調査は2014年5月9日から15日に渡り、20歳以上59歳以下の男女に携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000件。男女比・10歳区切りの世代構成比で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。

冒頭で触れた通り貯蓄額を積み上げていく、家計の節約や貯蓄の妨げとなるものは、多種多様なものが存在する。それらの候補を列挙し、回答者にとって実際に「手ごわいよね」と思うものに答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 家計の節約や貯蓄の妨げになっていると思うもの(複数回答)
↑ 家計の節約や貯蓄の妨げになっていると思うもの(複数回答)

「出た時ついでの外食」がもっとも多く36.1%。外食は概して中食、内食よりも高くつく。自宅に戻って食事を取れば済む時間でも、つい面倒になり、あるいは気になる店があり、足を運んでしまう。地域の風情、時間を楽しむ一環としてはむしろ良い話ではあるのだが、金銭勘定の上では「貯蓄の妨げ」扱いされてしまいかねない(もっとも足を運んだ先が、近所にもある普通のチェーン店なら風情も何もあったものではないが)。

次いで多い回答は「ストレス発散のための消費」で26.3%。消費行動は得てして気持ちが良いもので、それが鬱積したストレスをドーンと一挙に解消してくれる。ただし消費行動そのものがストレス解消の目的であり、購入したものは概して後で考え直すと「浪費」の烙印を押されるようなものばかりなのがオチ(ストレス解消に防災備蓄食品を買いこんだという話はあまり聞かない)。

意外と小さな値で留まったな、という感想なのが「食品消費期限切れ」で22.9%。これは通常購入、さらには節約できるからとばかりにまとめ買いした食品を、消費しきれずに期限切れとしてしまい、結局使いきれずに破棄せざるを得なくなり、かえって高くついたという事例。梅雨時では下手をすると消費期限切れ前にカビなどが発生し、恐怖におののきながら処分をした経験を持つ人もいるはずだ。

以下、仕事での飲み会や自分へのご褒美消費など、プライベートな娯楽系、エンタメ系の要項が続く。これらは「ストレス発散」に代表されるように、多分に本人の心境・心理状態の維持向上にはプラスとなるため、一概に無駄とは言い切れない。これらの行為を「してはならないことをしてしまったために貯蓄が出来ない」という評価は的を射ていない。とはいえ、節約や貯蓄の妨げとなっていることに変わりはない。

男女別・世代別に見ると……


この「妨げ」のうち、属性別に大きな違いが見られる項目をいくつか抽出し、その動きを確認したのが次のグラフ。

↑ 家計の節約や貯蓄の妨げになっていると思うもの(複数回答)(一部、世代・性別)
↑ 家計の節約や貯蓄の妨げになっていると思うもの(複数回答)(一部、世代・性別)

「仕事での飲み会」は圧倒的に男性が多く、しかも若年層ほど高い値が出ている。同じ負担額でも実収入が少ない若年層にはツライ負担であることが反映されている。一方「自分へのご褒美消費」は女性の方が高く、特に20代女性はずば抜けて高値を付けている。見方を変えればそれだけ女性は、自分の「ご褒美消費」が浪費に近いものであると自覚していることになる。

「用が無いのにコンビニ入店」は男女を問わず若年層の方が高値。コンビニは昨今では中堅層以降の方が来場客が増えていることで知られているが、それらの層は目的意識を明確に持ち来店する事例が多いということなのだろう。

興味深いのは「ウィンドウショッピングのつもりが衝動買い」。「用が無いのにコンビニ入店」に近い様式だが、女性は男性の2倍ほどの値を示し、特に若年層に強い傾向がある。お店側としてはありがたい話だが、購入してしまった側には「してやられた」な気分なのだろう。



本文中でも触れたが、今件取り上げた「家計の節約や貯蓄の妨げになっていると思う」行為がすべて無駄で、必ず避けるべきものというわけでは無い。あくまでもお金を貯める上で、ハードルとなりうる行為に過ぎない。これらを極力セーブすることで貯蓄額は確実にアップするはずだが、それで何か別の物を失ってしまったのでは、元も子もない。

要はバランス感覚が重要。時には浪費も重要である。もちろん「時には」だが。


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