駆け込み需要の反動は収まるもたばこ購入者減退の影響は続く…2014年5月度のコンビニ売上高は既存店が0.8%のマイナス、2か月連続

2014/06/21 14:00

日本フランチャイズチェーン協会は2014年6月20日にコンビニエンスストアの同年5月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で発表した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でマイナス0.8%となり、2か月連続してのマイナスを示すこととなった。4月に実施された消費税率の改定に伴う特需の反動による売り上げ減少は4月中にほぼ収まり、気候条件も良くカウンター商材は概して好調な売れ行きを示したものの、中期的に続いているたばこの購入者減退の影響は継続しており、これが売り上げを減退させる要因になったと協会側では分析している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、バックナンバーに関しては、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は2か月連続のマイナス、全店は15か月連続のプラス
全店ベース……+3.8%
既存店ベース…−0.8%

●店舗数(前年同月比)
+5.3%

●来店客数:既存店は3か月連続のマイナス、全店は38か月連続のプラス
全店ベース……+4.7%
既存店ベース…−0.1%

●平均客単価:既存店は2か月連続のマイナス、全店も2か月連続のマイナス
全店ベース……−0.9%(589.2円)
既存店ベース…−0.7%(581.8円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
日配食品……+11.1%
加工食品……+3.2%
非食品………−3.0%
サービス……+1.7%
合計…………+3.8%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

5月は全国的に晴れの日が多く、降水量も少なめで推移した。特に月後半は夏と見間違うかのような高温状態となる地域もあり、熱中症による救急搬送者数の多さが相次ぎ報道されるほどの暑さを記録。真夏日を計測した地域も随所に見られ、カウンターコーヒーをはじめとした冷涼飲料、冷し麺、アイスクリームのような涼を楽しむ夏物商材が大いにセールスを伸ばした。日配食品部門がプラス11.1%の高い値を示しているのも、その動きによるところが大きい。

また4月では売上に多大な影響をもたらした、消費税率改定に伴う特需の反動も、5月にはほぼ収まりを見せている。しかしながらその影響の一部はたばこにおいてまだ残っており、さらにたばこそのものの中期的な購入者、それに伴うついで買い需要の減少により、非食品部門の売れ行きはマイナス値を計上。これが全体の足を引っ張る形となった(非食品部門の売上高そのものは、全体の3割を超える構成比率)。

他方プリペイドカードが順調のサービス部門はプラス1.7%の上げ幅に留まっているが、これは前年同月の値がプラス16.8%とケタ違いの上昇ぶりを示していたため、その反動によるところが小さくない。見方を変えればそこからさらに1.7%ポイントながらも上昇を続けている点は注目に値する。

先日セブン-イレブンから今年発行分のアニュアルレポート(決算終了期における会社の詳細な事業解説書。投資家向けとして、詳細かつ分かりやすいスタイルで記されている)が発表され、それに合わせて同社の最新値に基づいた来訪客の世代分布を分析した(【コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる】)。それによると直近期の2013年度では来客世代の高齢化が進んでいることに違いは無いが、同時に30代から40代で構成される中堅層が有意な形で数を増やしており、その分若年層(20代以下)が減退する動きを示している。この動きについて解説は一切ないものの、タイミングと照らし合わせて考察すると、カウンター商材、特に淹れたてコーヒーによる影響は小さくないと考えた方が道理は通る。

↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層別人数(1日1店舗あたり、概算、人)(再録)
↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層別人数(1日1店舗あたり、概算、人)(再録)

今回月も前回月同様に、たばこのセールスが直接的にだけでは無く、ついで買いという要素で間接的にも大きな影響を示したコンビニのセールス動向。景気ウォッチャー調査をはじめとした各種世論調査などの動向から推し量ると、夏には消費性向の観点で消費税率改定によるマイナス影響は、ほぼ終息しそうな感はある。一方でたばこの販売減退は中期的なもので、これは歯止めの効かない下落基調にあることに違いは無い。コンビニ大手がこれまで以上に多方面展開を行い、類似多業種との提携を本格化しているのも、主力商品の一つで長年コンビニを支えてきたたばこのセールスの見通しに、ある程度確かな予想が立てられたから……と考えるのは、あまりにも発想に飛躍が過ぎるだろうか。少なくとも一因には違いあるまいが。

ともあれ今後夏に向けて、どこまで売り上げが復調するのか、注意深く見守りたいところだ。


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