テレビはメディア全体の1/3強、タブレット型端末と従来型携帯・スマホはテレビを超える…メディア接触時間推移(最新)

2020/07/23 05:31

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2020-0722博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は2020年7月までに、毎年初頭に調査を実施している「メディア定点調査」の最新版となる「メディア定点調査2020」の抜粋編を発表した。その内容によれば調査対象母集団においては、主要メディアを累計したメディア全体の接触時間は、全体平均では1日あたり411.7分であることが分かった。また各メディアそれぞれに対する接触時間(観賞、聴取、購読など)は年齢階層毎に大きな違いがあり、「男性は50代まで、女性は30代まではテレビの観賞時間よりもパソコンやモバイル端末によるインターネット接続の時間の方が長い」「20代男性は全属性中最長のメディア接触時間だが、その7割強はパソコンやモバイル端末などによるインターネット接続」「男性は60代、女性は50代以上はテレビを3時間以上観ている」など、昨今のメディア事情を顕著に表す傾向が多数見受けられる結果が確認できる(【発表リリース:「メディア定点調査2020」 主なポイント】)。

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格差が顕著な年齢階層別メディア接触時間


今調査は郵送調査方式で行われたもので、調査期間は2020年1月23日から2月7日。東京・大阪・愛知の3地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15歳から69歳の男女個人に対し調査票が送付され、1932通が回収された。各値は2019年の住民基本台帳を基に年齢階層・男女でのウェイトバックが実施されている。また特記無き限り記事内のデータは基本的に東京地区のもの。

なお今件調査は毎年定点観測として実施されているが、時代・情勢の変化に伴い、2014年分からはいくつか定義・名称の変更、追加が行われている。パソコンや携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)経由のインターネット利用は、実質的にそれらの機器の利用がインターネットの利用と同義であり、またアプリケーションやソーシャルメディアの利用が(インターネットを用いているが)利用者における「インターネットを使っている」との認識が薄くなっていることを受け、単にそれぞれの機器の利用・接触との表記に改められている。

また利用機器に2014年からタブレット型端末が追加されている。2013年までは(ノート)パソコンと同一視され回答に加えられていた可能性もあるが、2014年以降は機器として独立項目が設けられたため、以前と比べてメディア接触時間の合計が上乗せされている感が強い(メディア接触時間が有意で増加している)。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌から構成される従来型4マスメディア、パソコンと携帯電話、さらにはタブレット型端末の利用まで含めたメディアの接触時間の総計は、 2020年では411.7分/日(週平均)との結果が出ている。昨年2019年が411.6分/日だから、わずかだが増加していることになる。

また年齢階層別・男女別では、20代男性がもっとも長く484.5分の値を示している。次いで長いのは30代男性で480.9分。女性に限れば60代女性がもっとも長く416.2分。

↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、分)(2020年)
↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、分)(2020年)

↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、前年比、年齢階層別・男女別、分)(2019年)
↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、前年比、年齢階層別・男女別、分)(2019年)

全般的には男女ともに傾向だったものは見出しにくいが、あえて言えば成人若年層と高齢層が長めというところ。男女とも40代が一番メディア接触時間が短くなっている。

また前年2019年分と比べると、男性では中年層、女性では若年層で減少が見られる。40代男性がもっとも短かったのは前年比で大きな減少が生じたのが原因だが、女性40代は前年比で増加したにもかかわらず、女性の中では一番短いとの結果が出てしまっている。

これを各メディア毎の時間配分で区分すると、多様な特徴が確認できる。

↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、分)(2020年)
↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、分)(2020年)【拡大表示版はこちらをクリック】

・男性は40代、女性は50代まで、タブレット型端末と携帯電話の接触時間の合計が長時間(100分超)。

・パソコンは同じ年齢階層なら女性より男性の方が長い。仕事での活用場面が多いのが原因と考えられる。

・テレビは男性が40代、女性では15-19歳がもっとも短い。男性は50代以降、女性は15-19歳以降、年齢が上になるに連れて増えていく。また同年齢階層ならテレビは男性よりも女性の方が長い。

・ラジオは男性では60代で、女性は40代でもっとも長い。余暇時間の利用対象としての聴取だろうか。男性中年層が長めなのはカーステレオによるものと考えられる。

・男女とも年齢が上になるに連れて、従来型4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の接触割合が増え、新メディア(パソコン、タブレット型端末、携帯電話)が減っていく。

・15-19歳から30代まで男女とも、さらに男性は40代に至るまで、タブレット型端末と携帯電話の合計がテレビの接触時間を上回っている。

・男性は15-19歳から50代まで、女性は15-19歳から40代でパソコン・タブレット型端末・携帯電話の合計(緑系統色の着色部分)がテレビを上回っている。

インターネットを用いる端末への接触時間が、特に若年層で長いこと、年が上になるに連れてテレビへの接触時間が伸びる傾向など、メディア系の調査結果ではお馴染みの、そして実体験からも容易に想像可能な、年齢階層間におけるメディア接触様式のギャップがあらためて認識できる結果となっている。

若年層とメディアとの関係、接触時間の変移


モバイル端末、具体的には携帯電話が従来型携帯電話からスマートフォンに移行し、さらにタブレット型端末も本格的な普及を始めたことにより、インターネットの利用機器もパソコンから携帯電話やタブレット型端末へとシフトする気配を見せている。特にお気軽さを好む若年層においてその傾向が著しく、パソコン内のデスクトップからノートパソコンへのシフト同様に、他のメディア関連調査でも確認できる動きが今件調査でも明確に表れている。

若年層のデジタルメディアへの傾注がますます大きなものとなる、長時間投入されるようになる傾向に変化は無い。しかし主役はパソコンから携帯電話(とりわけスマートフォン)へ移りつつある。全体のメディア接触時間の経年変化を、全体接触時間に占める割合でグラフ化してみると、状況変化がよくわかる。

↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、全接触時間に占める比率、20代男性)
↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、全接触時間に占める比率、20代男性)

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率)

2011年から数年間はラジオのシェアが増加するイレギュラーな動きを見せたが、(2011年分は調査タイミング上、震災とは関係無し。2012-2013年は震災の影響の可能性がある)、全般的にテレビやラジオの比率は減少傾向にある。またパソコン(によるインターネット)の比率も2011年をピークに減り、その分タブレット型端末や携帯電話の比率は増加し続けている。2014年は特に新設されたタブレット型端末が全体ではいきなり5%近いシェアを占め、さらに携帯電話も2割近い時間を確保するなど、モバイル系の比率が大幅に増加しているのが分かる。20代男性ではその動きはさらに顕著なものとなっている。

直近の2020年ではタブレット型端末と携帯電話を合わせて1/3を超えるシェアを確保することとなった。パソコンも合わせれば5割強。パソコンはおおよそ漸減傾向にあるが、それ以上にタブレット型端末や携帯電話が増加しており、インターネットを利用する端末の接触時間の合計シェアは拡大する傾向にあるのが実情。

テレビについて付け加えるとすれば、接触時間は男女別では女性が、年齢階層別では高齢層が長い。これはそれぞれ別調査で【女性はテレビが大好き!? 若年層のテレビ視聴時間をグラフ化してみる】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】など複数の調査結果で同様の傾向が確認されており、それをさらに裏付ける結果ではある。

去年からの変化はどうだろうか


最新版となる2020年分の値を、前回年2019年分のものと比較すると次の通りとなる。

↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、前年比、分)(2020年)
↑ メディア接触時間(1日あたり、週平均、年齢階層別・男女別、前年比、分)(2020年)

おおよその流れとしてはテレビが減り、パソコンが増える動きを示している。タブレット型端末や携帯電話は男性が増え、女性が減る動きと読めるだろうか(携帯電話では女性の高齢層も増えているが)。パソコンが増えているのは意外な感がある。

テレビは全体的には減っているが、男女とも高齢層に限れば増えている。年齢階層別のメディアギャップがさらに広がっていく兆しかもしれない。


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