テレビは4割足らず、タブレット型端末と従来型携帯・スマホは1/3超え…メディア接触時間推移(最新)

2018/06/06 04:37

2018-0603博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は2018年5月28日付で、毎年初頭に調査を実施している「メディア定点調査」の最新版となる「メディア定点調査2018」の抜粋編を発表した。その内容によれば調査対象母集団においては、主要メディアを累計したメディア全体の接触時間は、若年層と高齢者(シニア層)が長く、中年層は短めの傾向を示していることが分かった。また各メディアそれぞれに対する接触時間(視聴、購読など)は年齢階層毎に大きな違いがあり、「男性は50代まで、女性は40代まではパソコンやモバイル端末によるインターネット接続の時間の方が長い」「20代男性は全属性中最長のメディア接触時間を有しているが、その過半はパソコンやモバイル端末などによるインターネット接続」「男性は60代以上、女性は50代以上はテレビを3時間以上観ている」など、昨今のメディア事情を顕著に表す傾向が多数見受けられる結果が確認できる(【発表リリース:メディア環境研究所「メディア定点調査2018」時系列分析】)。

スポンサードリンク


格差が顕著な年齢階層別メディア接触時間


今調査は郵送調査方式で行われたもので、調査期間は2018年1月25日から2月9日。東京・大阪・愛知・高知の4地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15歳から69歳の男女に対し調査票が送付され、2513通が回収された。各値は2017年の住民基本台帳を基に年齢階層・男女でのウェイトバックが実施されている。また特記無き限り記事内のデータは基本的に東京地区のもの。

なお今件調査は毎年定点観測として実施されているが、時代・情勢の変化に伴い、2014年分からはいくつか定義・名称の変更、追加が行われている。パソコンや携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)経由のインターネット利用は、実質的にそれらの機器の利用がインターネットの利用と同義であり、またアプリケーションやソーシャルメディアの利用が(インターネットを用いているが)利用者における「インターネットを使っている」との認識が薄くなっていることを受け、単にそれぞれの機器の利用・接触との表記に改められている。

また利用機器に2014年からタブレット型端末が追加されている。2013年までは(ノート)パソコンと同一視され回答に加えられていた可能性もあるが、2014年以降は機器として独立項目が設けられたため、以前と比べてメディア接触時間の合計が上乗せされている感が強い(メディア接触時間が有意で増加している)。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌から構成される従来型4マスディア、パソコンと携帯電話、さらにはタブレット型端末の利用まで含めたメディアの接触時間の総計は、 2017年では396.0分/日(週平均)との結果が出ている。昨年2017年が378.0分/日だから、増加していることになる。

また男女別・年齢階層別では、20代男性がもっとも長く472.0分の値を示している。次いで長いのは60代男性で446.9分。

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、分)(2018年)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、分)(2018年)

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、前年比、年齢階層別、男女別、分)(2018年)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、前年比、年齢階層別、男女別、分)(2018年)

全般的には男女とも中年層の時間が短めで、若年層・高齢層の時間が長めとなっている。ただし15-19歳はいくぶん短めだが、これは就学時間中はメディアに触れる機会があまり無いことによるものだろう。

若年層の時間が長いのは、携帯電話とタブレット型端末の接続時間が他の層と比べて長めなのが原因。男性はパソコンの利用時間も長く、これが女性と比べメディア接触時間の長さを後押ししている。

また前年2017年分と比べると、男性は15-19歳で短くなったもののそれ以外では伸びている、女性は50代以降で短くなる傾向がある。詳しくは後述するが、女性の50代以降の動きは、主に従来型メディアの利用時間が短くなったのが原因である。

これを各メディア毎の時間配分で区分すると、多様な特徴が確認できる。

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、分)(2018年)
↑ ディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、分)(2018年)【拡大表示版はこちらをクリック】

・男女とも40代まで、タブレット型端末と携帯電話の利用時間の合計が長時間(100分超)。

・パソコンの利用時間は概して男性の方が長い。仕事での活用場面が多いのが原因と考えられる。

・テレビ視聴時間は男性が20代、女性では15-19歳がもっとも短い。男性は30代以降、女性は15-19歳以降大よそ年齢が上になるに連れて増えていく。また同年齢階層なら視聴時間は、男性よりも女性の方が長い。

・ラジオは男性では30代と60代で、女性は60代で長め。男性の30代はカーステレオでの利用が加算されていると考えられる。60代は余暇時間の利用対象としての聴取だろう。

・男女とも歳を重ねるに連れて、従来型4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の利用割合が増え、新メディア(パソコン、タブレット型端末、携帯電話)の利用時間が減っていく。

・15-19歳から20代まで男女とも、男性は40代に至るまで、タブレット型端末と携帯電話の利用時間の合計がテレビの視聴時間を上回っている。

・男性は15-19歳から50代まで、女性は15-19歳から40代でパソコン・タブレット型端末・携帯電話利用時間(緑系統の着色部分)がテレビ視聴時間を上回っている。

インターネットを用いる端末の利用時間が、特に若年層で長いこと、年上になるに連れてテレビの利用時間が伸びることなど、メディア系の調査結果ではお馴染みの、そして実体験からも容易に想像可能な、年齢階層間におけるメディア接触様式のギャップが改めて認識できる結果となっている。

若年層とメディアとの関係、接触時間の変移


モバイル端末、具体的には携帯電話が従来型携帯電話からスマートフォンに移行し、さらにタブレット型端末も本格的な普及を始めたことにより、インターネットの利用機器もパソコンから携帯電話やタブレット型端末へとシフトする気配を見せている。特にお気軽さを好む若年層においてその傾向が著しく、パソコン内のデスクトップからノートパソコンへのシフト同様に、他のメディア関連調査でも確認できる動きが今件調査でも明確に表れている。

若年層のデジタルメディアへの傾注がますます大きなものとなる、長時間投入されるようになる傾向に変化は無い。しかし主役はパソコンから携帯電話(とりわけスマートフォン)へ移りつつある。全体のメディア接触時間の経年変化を、全体接触時間に占める割合でグラフ化してみると、状況変化がよくわかる。

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率、20代男性)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率、20代男性)

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、全接触時間に占める比率)

2011年から数年間はラジオの視聴時間シェアが増加するイレギュラーな動きを見せたが、(2011年分は調査タイミング上、震災とは関係無し。2012-2013年は震災の影響の可能性がある)、全般的にテレビやラジオの接触時間比率は減少傾向にある。またパソコン(によるインターネット)の利用時間も2011年をピークに減り、その分タブレット型端末や携帯電話の利用時間は増加し続けている。2014年は特に新設されたタブレット型端末が全体ではいきなり5%近いシェアを占め、さらに携帯電話も2割近い時間を確保するなど、モバイル系の利用時間が大幅に増加しているのが分かる。20代男性ではその動きはさらに顕著なものとなっている。

直近の2018年では、タブレット型端末と携帯電話を合わせてはじめて1/3を超える利用時間シェアを確保することとなった。パソコンも合わせれば5割を超える。パソコンは漸減傾向にあるが(2018年では前年比で増えているが)、それ以上にタブレット型端末や携帯電話が増加しており、インターネット利用端末の合計時間はシェアを拡大する一方なのが実情。

テレビに関して付け加えるとすれば、視聴時間は男女別では女性が、年齢階層別では高齢層が長い。これはそれぞれ別調査で【女性はテレビが大好き!? 若年層のテレビ視聴時間をグラフ化してみる】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】など複数の調査結果で同様の傾向が確認されており、それをさらに裏付ける結果ではある。

去年からの変化はどうだろうか


最新版となる2018年分の値を、昨年2017年分のものと比較すると次の通りとなる。

↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、前年比、分)(2018年)
↑ メディア接触時間(一日あたり、週平均、年齢階層別、男女別、前年比、分)(2018年)

実のところ際立った傾向は見出しにくい。ややこじつけの感も否めないが、「テレビや新聞、雑誌は減少傾向」「パソコンやタブレット型端末、携帯電話は増加傾向」と読める。大よそ昨今のメディア利用時間の傾向通りだが、パソコンの利用時間が伸びているのは意外ではある。

携帯電話は大よそすべての属性で増加。その大部分がスマートフォンによるものであろうことは、容易に想像ができよう。


■関連記事:
【首都圏のラジオ平均聴取率5.2%、高齢者は平日で8.2%(2018年4月度版)(最新)】
【スマホが伸び、パソコンが落ち込む…小中高校生のパソコンや携帯電話の利用率の変化をグラフ化してみる(最新)】
【パソコンの世帯主年齢階層別普及率をグラフ化してみる(最新)】
【何を使ってネットにアクセスしてる? 主要国のネットアクセス機器をグラフ化してみる(ICMR2013版)】
【携帯持ちの高校生、9割はスマートフォン】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー