日本は高め、「自国民としての誇り」「何か役立つと思うことをしたい」諸外国での違い

2014/06/16 11:30

行政管轄や軍事的な統括領域としての区切りにおける国家に属し、その国の一員であることを認識すると共に、その事実について誇りを持つか否か、さらには所属する国のために何かを成し遂げたいか。一言でまとめれば「自国人の誇りと自国への奉仕」という問題は、日本に限らず国家に所属する人ならば誰もが有するもの。一説には国家への所属意識が薄いとされる若年層では、その意識はいかなるものだろうか。2014年6月に内閣府が発表した、日本や諸外国の若年層を対象にした意識調査【平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査】の公開値を元に、日本も含めた諸外国の若年層における、誇りと奉仕に関する意識を確認していくことにする。

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調査要項に関しては同調査に関する先行記事の【日本の若者が抱えるネガティブシンキング、各国比較で上位独走!?】を参照のこと。

各回答者に自分が所属する国に対し、自国民であることに誇りを持つか否かを聞いたところ、どの国でも過半数、大よそ7割前後で肯定の意見が得られた。

↑ 自国民であることに誇りを持っている
↑ 自国民であることに誇りを持っている

社会的事象に関する断定、意思決定を嫌う、見方を変えれば中庸的思考を好む日本特有の動きとして、今件でもやはり「分からない」との回答が日本では一番多い。ただし肯定の意見も7割を超え、全体では高めの値を示している。むしろ「誇りを持たない」との意見が8.3%と諸外国ではもっとも少ないことの方が注目点といえる(「分からない」が多いのも一因だが)。

他国動向では幾分ドイツやフランスが低めなものの、その分「分からない」の意見が多く、誇りの度合いの違い程度の可能性がある。他方、韓国は唯一「いいえ」の回答率が2割を超えて否定論者が多く、肯定派も6割を切っている。若年層に限った回答ではあるが、同国において自国民への誇りを持つ人が(過半数を超えているとはいえ)、低めの値に留まっていることに、意外さを覚える人もいるかもしれない。

一方、自国民としての誇りと多分に連動するであろう、「自国のために役立つと思うようなことをしたい」、つまり積極的な帰属国への奉仕意識だが、これは意外にも日本が一番高い値を示している。

↑ 自国のために役立つと思うようなことをしたい
↑ 自国のために役立つと思うようなことをしたい

先行する複数の記事で、少なくとも若年層の意見として、日本は他国と比べると「一人一人の個人」としての認識よりも、「全体、集団の中の一員」としての認識が強く、それが各種判断や考えにも深い影響を与えていることについて言及した。今件結果からも、国という集団の中の一員としての認識が強く、それゆえにその所属対象への貢献・奉仕を願う気持ちが強く表れていることが確認できる。賛成派の回答値が最大を示しているのと共に、「反対する」という回答が13.4%と諸国中最低値を示しているのも、印象的ではある。

日本以外の動向を見ると、自国民への誇りを持つとの意見で高い値を示したアメリカやイギリスなどで、低め(とはいえ4割を超えているが)の値が出ている。そして反対派も3割を超えている。こちらも他の調査項目にある通り、個としての認識が強く、所属意識が(他国とは相対的に)低いことの表れともいえる。自国民としての誇りの認識が一番低い韓国と、この米英との値がほぼ同率なのは興味深い。



グラフ化は略するが、日本国内の動向に関してはもう少し詳しい分析もレポートになされている。箇条書きでざっとまとめると、

・高学歴、労働環境が安定している人ほど奉仕意欲が強い。

・積極的に政策決定に参加したい、子供や若者が関連する政策は当事者に意見を聞くべきと考えている、自分の参加で社会現象が少しは変えられるかもしれないと考えている人ほど、奉仕意欲が強い。

との動きが確認できる。しかしながら肝心の「積極的に政策決定に参加したい」「自分の参加で社会現象が少しは変えられるかもしれないと考えている」人の割合は、諸外国でもっとも低い値に留まっている。レポートではこの結果を受け、若年層などに政策などへの参加機会の提供施策の推進や、社会への積極参加態度を促進する啓蒙が期待されると言及している。

一方で、2つ目の設問「自国のために役立つと思うようなことをしたい」が、「自国のために役立つことをしたい」では無いことに注意する必要がある。回答者当人にしてみればイコールに違いないが、思い違いや思い込みなどにより、「自国にプラスとなる」と考えていることが、実は正反対の内容でしかなかったという事案も十分想定される。そのような「悲劇」を極力防ぐためにも、適切な情報提供と判断能力の育成も求められよう。


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