市場観引き続き上昇中…野村證券、2014年6月分の個人投資家動向発表

2014/06/14 20:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門「グローバル・リサーチ本部」は2014年6月12日に、個人投資家の投資動向アンケート調査結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版となる、2014年6月分を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によると今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に問い合わせた「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で、小幅ながらも上昇し、47.2を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小幅な上昇」を見込む意見が各項目の動向では一番大きく上昇し、過半数を維持している。もっとも各回答値に大きな変化は無く、市場観も安定傾向にあるようにみえる。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年6月2日から6月3日に行われたもので、男女比は82.6対17.4。年齢層は60代以上がもっとも多く33.5%、次いで50代が28.6%、40代が26.7%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く28.7%、500万円-1000万円が17.0%、300万円-500万円が14.0%とと続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く30.4%を占めている。次いで20年以上が28.4%、5年から10年未満が27.4%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い(回答者にシニア層が多いので、ある意味当然だが)。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.9%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.6%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(6割強)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は47.2ポイント。前回からは3.2ポイントの上昇。前月の大幅上昇と比べれば小幅な上げ幅に留まっている。この時期、日経平均株価は大幅な上昇を示しており、さらなる上昇に期待がかかるも、大きな伸びへの期待は過度なものという思惑もあったようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で73.6%。前月分の72.0%からは1.6%ポイントの増加。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から変わりなく、プラス1.6%ポイントの上昇を見せた。「2000以上下落」の回答がやや増えたのは気になるが、概して前月から大きな変化は無く、市場観における踊り場的な状態の雰囲気が見て取れる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップについたが、先月からはマイナス3.4ポイントの下落。全項目中では最大の下げ幅。他方「為替動向」は前月から2.1%ポイントのプラスと今回月の各項目中では最大の上げ幅を記録した。

・魅力的な業種は「資本財・その他」「自動車」「医薬品」「素材」「通信」の順。順位は前月からまったく変わらず。「金融」「電気機器・精密機器」「消費」「運輸・公共」はマイナス。マイナス陣もこれまた順位は前月から変わっていない。消費税率改定に伴う消費性向悪化で大きく下げた「消費」は、今回月も前回から引き続きDIは回復の兆しを示している。他方原油価格の上昇を受けてか、「運輸・公共」のDIがさらに減少しているのが目に留まる。

・ドル円相場に対する見通しは、やや円安方向へ傾倒。特に小幅な円安を見込む意見が大きく増加している。

・通貨への投資魅力は「オーストラリアドル」が最上位。そして同数で「日本円」か並び、ほんのわずかの差で「アメリカドル」が続いている。この3通貨がほぼ横並びで、「カナダドル」「イギリスポンド」までがDI値でプラスにある。「中国元」のマイナス値の高さ(マイナス53.3)は相変わらずだが、いくぶん前月よりは改善されている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から不動で、DI値にも大きな変化は無し。いずれも少々減った程度。「なし」の値は先月から変わらず、DI値も唯一マイナス。投資熱そのものは醒めていないようだ。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、今月も先月から継続してトヨタ自動車(7203)がトップに。一時期の低迷をのぞけば鉄板的な存在であり、第二位の銘柄から言葉通り(得票数が唯一3ケタ台)ケタ違いの人気を誇っている。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……イオン(8267)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……みずほフィナンシャルグループ(8411)

今回上位陣ではオリエンタルランドが外れて武田薬品工業が入った位で、大きな変化は無い。そのオリエンタルランドも7位についており、ちょっとした変動による上下が起きた位で、相場観に事実上の動きは無い事が分かる。イオンが順位を上げたのは、消費税率改定後の消費減退による業績悪化が杞憂のものになりそうだという判断から来るものだろうか。今後夏のボーナス時期が到来するに連れ、小売業銘柄がどこまで注目され順位を上げていくのか、気になるところではある。



株式市場に影響を与え得る要因としてここ数か月トップについている「国際情勢」だが、先月の時点ではウクライナ情勢にスポットライトがあてられていたが、現時点ではそれにイラク情勢が加わることとなった。いわゆるバランス・オブ・パワーという観点で、ややきしみが生じている感は否めない。特に後者は原油価格にも大きな影響を与えるため、日本に与える影響は小さくない。今後とも注視が必要となる。

国内に目を向けると、やはり昨今で一番の観点となるのは消費税率の改定。消費ウォッチャー調査などの動向を見る限り、今夏のボーナス動向が一つのターニングポイントとなる雰囲気を呈している。この動き次第で景気動向、そして株価の流れは大きなかじ取りがなされることだろう。

今回月では上昇機運は続いていたものの、実質的には踊り場、小康状態と見ても良い。7月にはどちらの方向に歩みを進めていることになるのか。引き続き周辺環境の動向と合わせ、チェックを続けていきたいところではある。


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