お金持ち、自由にのんびり、出世…未来の展望が暗い日本の若者達

2014/06/13 11:30

内向的で自己表現が苦手で、何かとネガティブな思考に走りやすい。諸外国と比べて日本人はそのような性質を持ちやすいとの話をよく見聞きする。2014年6月に内閣府が発表した、日本や諸外国の若年層を対象にした意識調査【平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査】からは、その一端を推し量るデータを得ることが出来る。今回は回答時に13歳から29歳の男女が頭に思い浮かべる、40歳位の自分自身の姿・状況について、どこまで楽観的な状態をイメージできるかの差異を見ていくことにする。

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調査要項に関しては先行記事の【日本の若者が抱えるネガティブシンキング、各国比較で上位独走!?】を参照のこと。

回答者それぞれに自分自身が40歳位の歳になった時、「お金持ち」「自由にのんびり暮らしている」「世界で活躍している」「子供を育てている」など幸せをイメージしやすい、ポジティブな状態になっているか否かについて、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」の4選択肢から1つを選んでもらい、そのうち肯定的意見、つまり「自分はそうなっているだろう」と考えている人(そう思う派)の回答率を算出した結果が次のグラフ。表現を変えればそれぞれの項目で、各国の若者がどれだけポジティブに将来を見据えているかを示す指針ともいえる。



↑ 自分が40歳位になったらどのようになっているか(そう思う派合計)(各国比較)
↑ 自分が40歳位になったらどのようになっているか(そう思う派合計)(各国比較)

まず第一に目に留まるのは、日本の回答率の低さ。他国では、例えば韓国における「お金持ち」の異様な高さや、アメリカが概して多くの項目で高めの値が出ており、アグレッシブな様子が把握できること、フランスでは「自由にのんびり暮らす」「親を大切」「育児(子供を育てている)」で特異な高さを有し、家庭内におけるスローライフ的なイメージを強く抱いていることなどが分かる。それらの動きとは別に、日本がずば抜けて低い値をしており、イレギュラーな状態にあることが分かる。

特に「お金持ち」「世界で活躍」「有名」「出世」のような、他人から抜きんでて、目立つ形でのポジティブな状態には、自分がそうなっていると思う日本の若者は少ない。また他の項目の低さと「幸せになっている」との項目の低さの連動性が資料でも指摘されており、個々の項目への期待、可能性の低さが「将来自分は幸せになっているだろう」との思惑も持ちにくくなる日本の若者の現状が透けて見える。

他にも例えば、他項目で問い合わせている「就職や仕事継続への不安」が高い人は、「結婚」や「育児」における将来像をイメージしにくいとの傾向も現れており、それぞれの不安要素が単独で存在しているのではなく、互いに連動し結びつき、相互作用的に影響(日本の若年層の場合は多分にマイナス方面)していることがうかがえる。元々の心理的な傾向に加え、この「負の連鎖反応」が、日本の低い値を導いたものと考えられる。


報告書ではこれら「日本の若者が海外と比べて幸福な将来像を描きにくい」現状に対し、「日本の若者の結婚・育児の将来イメージを育んでいくためには、家族への支援の充実や家族の大切さなどについての理解促進、就労面の不安を解消していく支援策が期待される」と説明している。これは大切、これは後回しで良いという類の選別は難しいが、将来への不安を少しでも軽減するためには、金銭面、そしてそこから連なる結婚や出世、育児にも容易に連動しうる、雇用の安定と十分な対価の保証を優先すべきかと思われる。

対策に投入できるリソースが限定されているのなら、プラスの波及副次効果・連鎖反応が期待できる手立てを選ぶのが道理にかなうのは言うまでもあるまい。


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