昨年同時期とほぼ同数…熱中症による搬送人員数は1週間で996人(2020年6月29日-7月5日)(最新)

2020/07/08 17:32

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2020-0707総務省消防庁は2020年7月7日、同年6月29日から7月5日の一週間における熱中症による救急搬送人員数が996人(速報値)であることを発表した。今年分は6月1日から熱中症による搬送人員数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人員数は6888人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は幸いにもゼロ人だったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は12人が確認されている。なお前年2019年の同時期における熱中症による救急搬送人員数は933人(確定値)で、今回週の人員数はそれと比べて63人多い(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2020年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2020年)

↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2020年6月29日-7月5日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2020年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2020年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から9年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また2020年5月時点で気象庁が発表していた最新の夏季予報では、平均気温は平年と比べてやや高め(東・西日本と沖縄・奄美では高く、北日本では平年並か高い)との話だった(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁)】)。降水量は全国的にほぼ平年並との予想と合わせると、熱中症リスクの観点では要注意な状況と判断できる。さらに今年は新型コロナウイルスの流行で、マスク着用を求められる場面が多いことから、熱中症には一層の注意が必要となる。

↑ 季節予報(3か月の平均気温・降水量、6-8月)(気象庁、5月時点)
↑ 季節予報(3か月の平均気温・降水量、6-8月)(気象庁、5月時点)

本来消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症による救急搬送人員数の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月27日から開始する形で、逐次報告を行うはずだった。ところが新型コロナウイルス流行へ対応する消防のリソースを最優先するために開始が延期され、調査開始は6月初日が含まれる週の月曜となる6月1日からとなった。消防庁では熱中症による救急搬送人員数の調査は2015年以降では5月から開始しており、6月から開始するのは2014年以降6年ぶりのこととなる。なお終了日は9月末日が含まれる週の週末の予定(【消防庁による熱中症の救急搬送者数動向は6月1日から】)。

今回発表された各種値は今年の分としては第5週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。

今回計測週では一時的に晴れ間が見え、真夏日を観測する機会もあったが、総じて梅雨前線が活性化し、各地で雨が降り注ぐ形となった。特に九州では週末にかけて非常に激しい雨が降り、「大雨特別警報」が複数の地域に発せられ、土砂災害も多発するほどの豪雨が生じた。

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象やラニーニャ現象だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報(No.333)について(6月10日発表)】によれば、「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態」「今後秋にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高い(60%)」とのこと。天候への影響はなさそうだ。

地域別では東京都の84人をはじめ、埼玉県の72人、愛知県の67人、大阪府の58人などが人数の上で上位についている。西日本では大雨が降る機会が多かったことから、主に東日本で上位地域が集中したようだ。もっとも人口1万人あたりで比較すると、むしろ西日本の方が多かったような印象がある。

↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2020年6月29日-7月5日)

↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2020年6月29日-7月5日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2020年6月29日-7月5日)

↑ 熱中症による救急搬送人員数(都道府県別、人)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 熱中症による救急搬送人員数(都道府県別、人)(2020年6月29日-7月5日)

↑ 熱中症による救急搬送人員数(人口1万人あたり、都道府県別、人)(2020年6月29日-7月5日)
↑ 熱中症による救急搬送人員数(人口1万人あたり、都道府県別、人)(2020年6月29日-7月5日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、2020年は4月17日から開始している。今件情報はパソコン向けだけで無くスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が行われなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお持っておく必要があることに違いはない。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

7月に入り、日中の日差しも強くなり、熱中症のリスクに留意しなければならない時期が到来した。特に今年は新型コロナウイルスの流行という特殊要因が加わっており、熱中症のリスクは確実に積み増しされている。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。


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