駅からの距離と自転車等駐車場との関係をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/08/19 05:07

自宅と鉄道駅の中継ぎ的な役割を果たすことが多い自転車。しかしそのような利用をする場合、一時的に自転車をどこに置くかが問題となる。駅のすぐそばに自転車等向けの駐車場があればそれを利用し、そこから駅へすぐに駆け込めるのだが、駐車場が駅から遠いと「自転車を降りてから駅までの歩く距離」が長くなり、おっくうになる。しかし駅に近い場所は当然地価も高く、商用施設も多いため、なかなか自転車駐車場は設置・増設できない……といった、駅と自転車等置き場と利用者との間には、ちょっとしたジレンマが存在する。今回は内閣府の定点観測データを基に、駅周辺の自転車等向け駐車場の、駅からの距離と数、そして有料・無料の状況や利用状態を見ていくことにする。

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参考にしたデータのソースは、内閣府の【交通安全対策に関する調査研究】に掲載されている「駅周辺における放置自転車等の実態調査の集計結果」。調査そのものの詳細は同調査に関する先行記事【どこが管理運営しているの? 駅周辺の自転車置き場の運営母体をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参考のこと。

さて冒頭でも触れたように、鉄道駅を使う自転車利用者など(原付利用者も含む)にとって、そしてその人たちに駐車場を提供する管理運営側においても、一種のジレンマが存在する。利用スタイルを考えれば、それこそ駅の中にでも自転車等置き場を作るのが一番便利。しかしそれは実質的に無理に近いので(昨今では駅ビル内に立体駐輪場を作るところもあるが)、駅周辺に駐車場を設置することになる。できれば駅に近い方が良い。駅から遠くなればなるほど、駐車場と駅との間の距離が長くなり、「何のために自転車を利用して駅のそばまで来たのか分からない」状態となってしまうからだ。

次に示すのは、駅周辺に該当する自転車等用の駐車場の数と収納能力台数を、駅からの距離別で仕切り分けしたもの。

↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と箇所数(2015年8月末)
↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と箇所数(2015年8月末)

↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と収納能力台数(2015年8月末)
↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と収納能力台数(2015年8月末)

今件調査対象の「駅周辺」とは元資料によれば「具体的な判断は各市区町村によるが、おおむね(駅から)500メートル内の区域と考えられる」と定義されている。500メートル超の回答が少数入ってしまっているが、実質的に駅から500メートルを超えた場所にある自転車等駐車場は、その駅と連動して使われることはほとんど無いと考えて良いだろう(よほど特殊な事例があれば話は別だが)。

それはともかく。利用実態を考慮するに、駅から100メートル領域内にある駐車場がほとんどで、箇所数的にはだいたい2/3位、収納能力代数的には6割ぐらい。しかし駅からの距離が100メートルを超えると数は急激に少なくなる。そして300メートルを超えるとほとんど無くなってしまう。300メートルを超えるとほとんど駐輪場が無くなる実情は、駅まで自転車で通勤・通学している人なら、自分が利用している、あるいは目に留めたことがある駐輪場が、駅からどのぐらい離れているかを思い返せば、大いに納得のいく結果には違いない。該当駅の需要が膨大で、駅近くの駐車場が常に満席状態ならばこれ位の距離でも利用する人は居るだろうが、もし探せるのなら、より近い駐車場を選ぶのは確実。徒歩のスピードが分速80メートルとして、「4分から7分ほど、自転車を降りてさらに歩かないと駅にたどり着けない」との計算値を出せば、いかに遠いかが分かるはずだ。

ちなみに箇所・収納能力台数別に、駅からの距離別の全体比を算出したのが次のグラフ。

↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と箇所数・収容能力台数(2015年8月末、全体比)
↑ 自転車等駐車場の駅からの距離と箇所数・収容能力台数(2015年8月末、全体比)

駅に近い方が箇所数は多く、収納能力はやや遠い方が多くなる。これは駅に近い領域では当然駐輪場以外の使用目的においても好条件であることから、駐輪場のようなある程度まとまった面積を必要とする施設が造り難いのが原因。どうにか場所を確保できても、小さな駐輪場となってしまい、数は揃うが収納能力は少なめとなってしまう(駅のすぐそばの駐輪場は収納能力が小さいことが多い)。私営ならば採算面でそろばん勘定をしたくなる場合もあるのだろう。


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