駆け込み需要の反動や春物衣料の不調で落ち込む…2014年4月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス5.4%

2014/05/22 13:30

【日本チェーンストア協会】は2014年5月21日付で同協会公式サイトにて、チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の2014年4月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2014年4月は食品部門の一部は堅調だったが、月前半の低気温の影響を受けて春物衣料が不調だった他、前月に発生した消費税率改定前の駆け込み需要の反動で加工食品や住関品が不調だったことを受け、売上総額の前年同月比は3か月ぶりのマイナスとなるマイナス5.4%(店舗調整後)を記録した。食料品では畜産品、住関品では文房具やマスクなどが好調に推移している(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

スポンサードリンク


今データは協会加入の60社・9204店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で53店舗増、前年同月比で1231店舗増と大幅に増加している。売り場面積は前年同月比104.7%となり、4.7%ポイントの増加(奇しくも前月と同じ値が出ている)。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映されて各店舗の実態を精査する際にぶれとして表れないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されたもの。

■総販売額……1兆0042億5138万円(前年同月比94.6%、▲5.4%)

・食料品部門……構成比:62.5%(前年同月比95.5%、▲4.5%)

・衣料品部門……構成比:9.1%(前年同月比89.5%、▲10.5%)

・住関品部門……構成比:21.9%(前年同月比94.5%、▲5.5%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比94.7%、▲5.3%)

・その他…………構成比:6.1%(前年同月比94.9%、▲5.1%)

食料品は加工食品、
住関品は耐久消費財全般が
駆け込み需要の反動で
不調に終わる。
月前半の低温が衣料品の
春物の伸びを抑え込む。
食料品は農産物では土もの野菜、葉物の一部が堅調、畜産品も肉全般がよく動くなど、購入後数日内に消費しやすい食品が好調だった。一方でハム・ソーセージ、調味料や米、飲料のような比較的日持ちのする食品は、先月の駆け込み需要特需の反動からか不調に。ただし惣菜では焼きもの以外が総じてよく動いており、観光シーズンに合わせて需要が伸びたものと思われる。

衣料品は月後半に至り気温が上昇したことを受けて春物商品が動き出したものの、前半の低温状態における動きの鈍さをカバーしきるまでにはいかず、概して不調。住関品は文具やマスク、ケースなど一部でよく動いたものがあるが、それ以外は大よそ不調。先月の駆け込み需要の反動が大きく出ている。特に耐久消費財で構成される家電製品項目は、「エアコン、冷蔵庫、洗濯機、調理家電、テレビ・レコーダー、照明器具」と列挙された具体的製品群すべてが不調とされ、恐らくは一番の反動が出たものと思われる。

一時期は高騰が株式市場の動向のように伝えられ、スーパーなどで見かける卵特売には利用者が雲霞の如く群がる状態となった鶏卵も、「動きは良かった」とレポートには記されているものの、価格はそれなりに安定を示しつつある。それと共に冬場特有の野菜高も峠を越え、実測定点観測している野菜達の価格も平常値に近づきつつあり、安心することしきりである。

一方で加工食品や調味料、各種耐久消費財の例に挙げられる通り、今回月は前回月における「消費税率改定直前の駆け込み需要」の反動を大きく受け、長持ちする商品群が軒並み不調状態にある。これらは概して単価も大きいため、結果として全体に占めるウエイトも大きくなり、売上全体にも小さからぬマイナスを与えることとなった。

これら「買い溜め品」の今後の需要動向だが、【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】などにもある通り、市場全体としては夏位までには反動が収まるのではないかとする期待が多く寄せられている。【消費動向調査の動向から消費税率改定後の消費者心理を探る】を見ても消費者サイドの景況感は持ち直しており、特に耐久消費財の購入に関してはすでに前月比でプラスに転じている。今回ストレートフラッシュ的に軟調さを決め込んだ家電製品項目も、もう一、二か月は厳しい状態が続くかもしれないが、それ以降は以前の調査を取り戻しそうだ。

他方、チェーンストアの大黒柱と化した食品部門だが、先日【専用ゴンドラ導入、週替わり・月替わりのお買い得商品も…ファミマで野菜充実作戦開始】で記した通り、コンビニ大手のファミリーマートが本格的な野菜販売に乗り出す形となった。ローソンやセブン-イレブンではすでに類似の手法を段階的に取り入れており(店舗外に専用コーナーを見かけた人も多いはずだ)、さらにローソンでは「ローソンマート」のような、疑似スーパー形態の店舗展開まで始めている。

消費税率改定に伴う荒っぽい売上変化が収まった後も、チェーンストアを取り巻く環境の激変は続く。この環境変化がそれぞれの項目の販売動向にどのような影響を及ぼすことになるのか。注意深く見守りたいところだ。


■関連記事:
【進化型コンビニ「ローソンマート」、静岡・埼玉・愛知に展開へ】
【定期更新記事:チェーンストア(日本チェーンストア協会発表)】(過去記事一覧)
【スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わりをグラフ化してみる】
【スーパー・デパートの衣料品の移り変わりをグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー