0.2%ポイント前年同期から悪化、過去二番目の高水準に…大学生の2019年10月1日時点での就職内定率は76.8%に

2019/11/16 10:24

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019-1116厚生労働省は2019年11月15日、2019年度(令和元年度、2019年4月1日から2010年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。その発表資料によれば2019年10月1日時点の大学卒業者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定者の割合)は76.8%となり、昨年同時期と比べ0.2%ポイントの減少(悪化)が見られたことが明らかになった(【令和元年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)を公表します】)。これは同時期におけるデータが取得可能な1996年3月(末)卒業者以降の記録の中では、2019年3月(末)卒業者が2018年10月1日時点で示した77.0%に次ぐ、過去二番目の高水準の値となる。

スポンサードリンク


過去二番目の高水準値


公表された調査結果によると、2019年10月1日時点で大学生の新卒者による就職内定率は76.8%となり、前年同期の77.0%と比べて0.2%ポイントのマイナスとなった。つまりそれだけ同じ時期における就職内定状況が悪化したことになる。

↑ 大学など卒業者の就職内定率(2019年10月1日時点と2018年同時期)
↑ 大学など卒業者の就職内定率(2019年10月1日時点と2018年同時期)

今回発表された10月1日時点における就職内定率は労働市場や景況感を反映する形で、前年度よりは下がってしまったが高水準な値が出ている。全体の76.8%は同じタイミングの時期の調査を始めた・公開値としてデータが取得可能な1996年3月(末)卒業者分以降、2018年10月1日時点で示した77.0%に次ぐ、過去二番目に高い値となる。

↑ 就職内定率(大学・全体)(各年10月1日時点)
↑ 就職内定率(大学・全体)(各年10月1日時点)

高等専門学校は専門技術に特化し、企業側もその技術を頼りに求人を行うため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが、高就職(内定)率の主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が多分に反映され、他の学校種類と比べて高い就職(内定)率が出る。今回もその実情が反映された結果が出ている。

国公立と私立大学、男女別で確認


今回発表された就職率のうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当て、男女別にその動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2019年10月1日時点と2018年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2019年10月1日時点と2018年同時期)

今グラフで対象とした区分において、国公立大は男女ともにプラス、私立大は男女ともにマイナス、大学全体としては男性はマイナスで女性はプラスを示している。もっとも私立大の男性におけるマイナス2.3%以外の下げ幅は事実上誤差の範囲と見てもよいレベルのもの。国公立大がプラスで私立大がマイナスの状況は、現時点においては企業側の選別が厳しくなったと解釈すればよいのだろうか。

中期的な就職(内定)率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定)率において、過去のデータを逐次抽出し、(金融危機ぼっ発直前からの動向を推し量るため)過去15年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後は下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にある状況が容易に把握できる。それゆえに、2015年における解禁日の大幅後ろ倒しに伴い就活学生側に混乱が生じ、(その2年前の同時期の値64.3%と比べればまだ上だが、)内定率の改善状況が一時的に足踏み状態となってしまったのは残念でならない。

↑ 就職(内定)率(大学・全体)(-2019年10月1日)
↑ 就職(内定)率(大学・全体)(-2019年10月1日)

今回対象となった10月1日時点の結果は2018年3月卒(4月1日時点)の75.2%以降、75.0%を超えたままの値が維持されており、事実上天井の状態にある。あるいは企業側の早め早めの内定出し・学生側の就業先決定判断の割合が頭打ちとなったと見るべきか。最終的な就業状況のよし悪しの判断は年度末の4月1日時点の値を待たねばならないが、すでにその値は天井状態にあるため、多少の変動は誤差でしかないのが実情。

大学生などの就職(内定)率は、その時の経済状態や企業の景気判断、とりわけその時点の景況感では無く、今後の見通し的なものと深い関係にある。現在景気がよくても、今後の見通しに不安があれば、わざわざ人材を増やしてリスクを底上げする酔狂さを持つ企業はさほど多くない。逆に企業の先行きが明るければ、それを見越して事業拡大を図るため、人材の追加確保に勤しむことになる。

つまり学生諸子の就職率を底上げし、安定化させるには、(非常に大雑把な話ではあるが)景気回復こそが一番の対策となる。それとともに安易な、大人側の一方的な思惑で人生設計を揺るがすような変更をスナック感覚で行うこと無く、十分な思慮の上での決定が求められよう。


■関連記事:
【戦後の学歴別就職状況の推移をグラフ化してみる(最新)】
【大学生の就職状況をグラフ化してみる(最新)】
【大学進学率をグラフ化してみる(最新)】
【大学卒業後の就職先、「正社員で無くても就職できれば」を肯定する親は1割足らず】
【大卒正社員率は79.6%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる(2014年)(最新)】
【就活ルールと青田買い】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2019 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS