4.9%ポイント前年同期から悪化…大学生の2020年12月1日時点での就職内定率は82.2%に

2021/01/15 16:25

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2021-0115厚生労働省は2021年1月15日、2020年度(令和2年度、2020年4月1日から2021年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。その発表資料によれば2020年12月1日時点の大学卒業者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定者の割合)は82.2%となり、昨年同時期と比べ4.9%ポイントの減少(悪化)が見られたことが明らかになった(【令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(12月1日現在)を公表します】)。

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新型コロナウイルスの影響で大きく減少


公表された調査結果によると、2020年12月1日時点で大学生の新卒者による就職内定率は82.2%となり、前年同期の87.1%と比べて4.9%ポイントのマイナスとなった。つまりそれだけ同じ時期における就職内定状況が悪化したことになる。

↑ 大学など卒業予定者の就職内定率(2020年12月1日時点と2019年同時期)
↑ 大学など卒業予定者の就職内定率(2020年12月1日時点と2019年同時期)

今回発表された12月1日時点における就職内定率は労働市場や景況感を反映する形で、前年同時期と比べて大きく落ち込んでいる。全体の82.2%は同じタイミングの時期の調査を始めた・公開値としてデータが取得可能な1996年3月卒業者分以降において最近の値に限れば、2015年12月1日時点で示した80.4%に次いで低い値である。

↑ 就職内定率(大学・全体)(各年12月1日時点)
↑ 就職内定率(大学・全体)(各年12月1日時点)

就職内定率が大きく下落した原因についてリリースでは一切言及されていないが、ほぼ間違いなく新型コロナウイルスの流行による景況感の後退によるものだろう。さらに詳しくは、現状よりもむしろ今後の景況感に関し、悲観的な思いを抱いている企業が増えていることが予想される。今後の景況感の見通しが明るければ、現状が厳しくても雇用の積極化を図る企業は多くなる。逆もまたさらなり。労働市場は景況感の先行き指数とも呼ばれるゆえんである。

高等専門学校は専門技術に特化し、企業側もその技術を頼りに求人を行うため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが、高就職(内定)率の主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が多分に反映され、他の学校種類と比べて高い就職(内定)率が出る。今回もその実情が反映された結果が出ている。

国公立と私立大学、男女別で確認


今回発表された就職率のうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当て、男女別にその動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2020年12月1日時点と2019年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2020年12月1日時点と2019年同時期)

今グラフで対象とした区分において前年同時期比では、国公立大は男女ともにマイナス、私立大も男性ともにマイナス、大学全体としても男女ともにマイナスを示している。新型コロナウイルスの流行による景況感の後退で生じた労働市場の変化は、男女、就職希望者の大学種類別を問わずに生じているようだ。

ただ減少度合いをよく見ると、国公立大の女子の下げ幅が最小限に留まっている一方で、私立が男女ともに大きく下げている。企業側の選別が厳しくなったのか、それとも就学生側の目論見とのずれの大小が現れているのかもしれない。

中期的な就職(内定)率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定)率において、過去のデータを逐次抽出し、(金融危機ぼっ発直前からの動向を推し量るため)過去16年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後は下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にある状況が容易に把握できる。それゆえに、2015年における解禁日の大幅後ろ倒しに伴い就活学生側に混乱が生じ、(その2年前の同時期の値64.3%と比べればまだ上だが、)内定率の改善状況が一時的に足踏み状態となってしまったのは残念でならない。

↑ 就職(内定)率(大学・全体)(2020年12月1日まで)
↑ 就職(内定)率(大学・全体)(2020年12月1日まで)

今回対象となった12月1日時点の結果は2012年3月卒以降、2016年3月卒で一度横ばいとなったものの(理由は上記の通り解禁日の変更)、それ以降は順調に上昇しつつあった。2020年3月卒でやや沈んだが、これは消費税率引き上げや世界的景況感の後退に伴う先行き不信感によるもの。そして今回の2021年3月卒では大きな落ち込みを見せてしまう。新型コロナウイルスの流行が大学生の就職活動にどこまで悪影響を与えているのか、よく分かる動きとなっている。

大学生などの就職(内定)率は、その時の経済状態や企業の景気判断、とりわけその時点の景況感ではなく、今後の見通し的なものと深い関係にある。現在景気がよくても、今後の見通しに不安があれば、わざわざ人材を増やしてリスクを底上げする酔狂さを持つ企業はさほど多くない。逆に企業の先行きが明るければ、それを見越して事業拡大を図るため、人材の追加確保に勤しむことになる。

つまり学生諸子の就職率を底上げし、安定化させるには、(非常に大雑把な話ではあるが)景気回復こそが一番の対策となる。それとともに安易な、大人側の一方的な思惑で人生設計を揺るがすような変更をスナック感覚で行うことなく、十分な思慮の上での決定が求められよう。

また昨今の動向はいわば疫病、天災によるもの。人の力ですべてを回復できるはずもない。最善を尽くすべきではあるが、無理強いをしたり、過度な責めは道理に反するとの認識を持つべきである。


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