4.0%ポイント前年同期から改善、過去最高水準に…大学生の2017年9月末時点での就職内定率は75.2%に

2017/11/18 10:31

厚生労働省は2017年11月17日、2017年度(平成29年度、2017年4月1日から2018年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。その発表資料によれば2017年10月1日(9月末)時点の大学卒業者の就職率(就職希望者に対する就職者の割合)は75.2%となり、昨年同時期と比べ4.0%ポイントの増加(改善)が見られたことが明らかになった(【平成29年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)を公表します】)。これは同時期におけるデータが取得可能な1996年3月末卒業者以降の記録の中では、1998年3月末卒業者が1997年9月末時点で計上した73.6%を超え、もっとも高い値となる。

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過去最高の高値を計上


公表された調査結果によると、2017年10月1日時点で大学生等の新卒者による就職率は75.2%となり、前年同期の71.2%と比べて4.0%ポイントのプラスとなった。つまりそれだけ同じ時期における就職状況が改善したことになる。

↑ 中卒-大卒者の就職(内定)率(2017年9月末時点と2016年同時期)
↑ 中卒-大卒者の就職(内定)率(2017年9月末時点と2016年同時期)

短期大学の就職率は大学や高等専門学校と比較して低めに出ることが多い。過去の就職率調査でもそのような動きが確認でき、前年同期も同様な動きを見せている。

なお今回発表においては、同時タイミングで発表されることが多い高校生や中学生の内定率は未公表となっている。一部報道では「高校生の内定率は62.7%、前年同期比プラス2.3%ポイント」との話もあるが、正式な公表が無い以上、グラフには反映できない。【平成30年3月新規高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等について】にもある通り、今年度の高校生の内定開始は2017年9月16日との通達が出ているため、9月末締めの値では統計的にぶれが大きいとの判断が出たのだろうか。

今回発表された10月1日時点における就職率は労働市場や景況感を反映する形で、前年よりも良い値が出る結果となっている。全体の75.2%は同じタイミングの時期の調査を始めた・公開値としてデータが取得可能な1996年3月末卒業者分以降、1997年9月末時点で計上された73.6%を超え、過去もっとも高い値となる。また、この時点での内定率上昇は、人材不足が叫ばれる中、早期に人材を囲い込みたいとする企業の表れもあるのだろう。

高等専門学校は専門技術に特化し、企業側もその技術を頼りに求人を行うため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが、高就職(内定)率の主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が多分に反映され、早期から高い内定率が出る。今回もその実情が大いに反映される結果が出ている。

国公立と私立大学、男女別で確認


今回発表された内定値のうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当て、男女別にその動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職率(2017年9月末時点と2016年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職率(2017年9月末時点と2016年同時期)

今グラフで対象とした区分において、前年同期比で上昇を示したのは全区分。前年度では前年同期比でマイナスを計上することが多々あった国公立大女性も、今回はプラスを示している。

時期によっては上昇度合いに大きな差異が生じ、それぞれの大学種類や性別における、企業側の採用の思惑、求職側の苦労ぶりの違いが見えてくるのだが、今回はほぼ同じような形での上昇を見せている。あえて言えば国公立大男性の伸び率が大きいのが目に留まるが、上記で触れた「企業の人材早期囲い込み」の注目が、前年と比べてこの区分により強く注がれたのかもしれない。

中期的な内定率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定)率において、過去のデータを逐次抽出し、(金融危機ぼっ発直前からの動向を推し量るため)過去13年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にある状況が容易に把握できる。それゆえに、2015年における解禁日の大幅後ろ倒しに伴い就活学生側に混乱が生じ、(その2年前と比べればまだ上だが、)内定率の改善状況が一時的に足踏み状態となってしまったのは残念でならない。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2017年10月1日)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2017年10月1日)

大学生などの就職(内定)率は、その時の経済状態や企業の景気判断、とりわけその時点の景況感では無く、今後の見通し的なものと深い関係にある。現在景気が良くても、今後の見通しに不安があれば、わざわざ人材を増やしてリスクを底上げする酔狂さを持つ企業はさほど多くない。逆に企業の先行きが明るければ、それを見越して事業拡大を図るため、人材の追加確保に勤しむことになる。

つまり学生諸子の就職率を底上げし、安定化させるには、(非常に大雑把な話ではあるが)景気回復こそが一番の対策となる。それと共に安易な、大人側の一方的な思惑で人生設計を揺るがすような変更をスナック感覚で行うことなく、十分な思慮の上での決定が求められよう。

なお今回は未公表となった中学・高校卒業者だが、それらの人たちは大学卒業者と比べて短期間での離職率が高いことでも知られている(【3年で中卒者は6割強、高卒者は約4割が離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(最新)】)。内定率そのものは高くても、定着率が低ければ、企業も学生も双方とも不幸となる。企業側の人手不足が深刻化する昨今、「仕方なくこの企業を選ばざるを得ない」といった状況も減りつつあるのが幸いなところ。定着率も上昇し、より健全な、雇用・被雇用双方が望む状況に移行しながら、就職内定率が上がるよう、望みたいものだ。


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