市場観は大幅上昇…野村證券、2014年5月分の個人投資家動向発表

2014/05/17 14:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門「グローバル・リサーチ本部」は2014年5月15日付で、個人投資家の投資動向アンケート調査結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版、2014年5月分を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によると今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に問い合わせた「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で上昇、しかもその上げ幅は大きく15ポイントを超え、44.0を示す結果となった。株価の先行きに関しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月から大きく増加し、過半数に達する状況となった。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年5月1日から5月2日に行われたもので、男女比は82.2対17.8。年齢層は50代がもっとも多く33.7%、次いで60代以上が31.2%、40代が25.9%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く27.0%、500万円-1000万円が19.5%、5000万円以上が12.1%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く31.4%を占めている。次いで20年以上が29.9%、5年から10年未満が26.1%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で45.4%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が26.5%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(ほぼ7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は44.0ポイント。前回からは15.2ポイントの上昇。大きく上昇し、株価上昇への期待が上乗せされている。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で72.0%。前月分の64.4%からは7.6%ポイントと大幅な増加。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から変わりなく、プラス5.2%ポイントの上昇を見せた。「1000円程度の下落」をはじめ下落予想の選択肢はすべて回答率が前月から減り、上昇予想は増えている。相場観はポジィティブな中にある。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップにつき、先月からはプラス9.8%ポイント。ウクライナ情勢の緊迫化を受けた動きと思われる。他方「為替動向」は前月から4.9%ポイントと今回月では最大の下げ幅を記録した。

・魅力的な業種は「資本財・その他」「自動車」「医薬品」「素材」「通信」の順。「素材」までは前月と順位まで含めて変わらず。「金融」「電気機器・精密機器」「消費」「運輸・公共」はマイナス。マイナス陣も順位に大きな変化はない。消費税率改定に伴う消費性向悪化で大きく下げた「消費」だが、今回月では(マイナス圏に違いないものの)復調の動きを示している。

・ドル円相場に対する見通しは、やや円安方向へ傾倒。ただし変動幅の大きな動きを予想する意見は減っている。

・通貨への投資魅力は「日本円」が最上位。次いで「オーストラリアドル」「アメリカドル」の順。「アメリカドル」のDIが多少削られ、順位を落としている。なお「中国元」のマイナス値の高さ(マイナス55.9)は相変わらずで、前月から0.8%ポイントも悪化している。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から不動で、DI値にも大きな変化は無し(「国内株式」「国内投資信託」がやや増加)。一方で「なし」の値は先月から変わらず、DI値も唯一マイナス。投資熱そのものは醒めていないようだ。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、今月も先月から継続してトヨタ自動車(7203)がトップに。一時期の株価低迷に伴い順位を落とした期間もあったが、同銘柄の鉄板状態は相変わらず。それだけ市場観が安定化している証でもある。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
4位……イオン(8267)
5位……オリエンタルランド(4661)

元資料では上位31位までリストアップされているが、今記事では上位5位のみの抽出とした。その限りではトヨタのトップはほぼ鉄板、ソフトバンクもこの数か月では上位陣の位置をキープし続けている。3位のみずほは前月からやや順位を上げているが、やはり手堅い業種には違いない。一方でイオンやオリエンタルランドのような日常生活に直結する銘柄が上位に位置しているのは興味深い。消費税率改定による消費者マインドの低迷が回復基調に向かい、それに合わせて売上が上昇するとの期待によるものだろうか。



日本からは概して指をくわえて見守るしかないウクライナ情勢で、市場が左右される場面が多く、市場観も非常に移ろいやすいものとなっている。今回は大きく上昇を示したものの、今後も引き続き注視が求められよう。

一方小売業を中心にネガティブな影響が懸念視されていた消費税率改定だが、消費の低迷から連鎖反応を受けての株価低迷という観点では、それほど大きな心配はしていないように見える。小売業種への期待感のDIが回復に向かっていることからも、それは明らか。

今後は国際情勢においてはウクライナ周りと中国関係、国内では消費税改定と夏の電力周り、国内外とも2つずつの懸念事項が、大きな課題となる(TPPも同様だが、これはまだ見通しが立ちにくい)。ポジティブな材料が見当たらないのが気になるところだ。先のオリンピック招致決定のような、景況感を底上げする話が、数か月に一度位の割合で生じてくれると嬉しいのだが。


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