景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる

2014/05/14 15:00

先日2014年4月分調査結果が発表された内閣府の景気ウォッチャー調査。その精査記事を【先行きDI値大幅上昇で50回復、現状DIは大幅下落へ…2014年4月景気ウォッチャー調査は現状下落・先行き上昇】で展開したが、その定点観測記事では数か月前から、全体の先行き判断DIの動向を記したグラフを掲載している。今回はこのグラフに関して同様の様態で現状判断DIにも適用させると共に、昨今注目を集めている2014年4月からの消費税率改定後の動向を通し、景況感の変化推定を試みることにする。

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現状判断DIと先行き判断DIの推移


内閣府の景気ウォッチャー調査は2000年から開始した、景況感を推し量るための実態調査。公式ページには開始時からの全期間分に渡る結果が収録されている。この公開値を基に、数か月前から定点観測記事では、景気の先行き判断DI(全体)の動向をグラフ化し、その様相を精査している。

↑ 景気の先行き判断DI(全体)推移
↑ 景気の先行き判断DI(全体)推移

せっかく良い機会でもあり、今後は現状判断DIも同様のグラフを生成しようということで、その機会も合わせ、今回の記事展開となった次第である。早速現状判DIを基に作り上げたのが次のグラフ。

↑ 景気の現状判断DI(全体)推移
↑ 景気の現状判断DI(全体)推移

直近の2014年4月分のDIが思いっきり下げている状況がよく分かるグラフとなっている。その一方でリーマンショックや震災直後、さらには2012年の円高による景況感の悪化度合いには及んでいない状況も見て取れる。また定点観測記事にもある通り、概してDI値は先行き判断が先行し、その数か月後に現状判断が追いかける形となるので(それぞれの内容を思い返せば当然の話なのだが)、外観そのものは先行き判断のグラフとさほど変わらない。

そこで同じ時系列上に、現状と先行きのDIを重ねたのが次のグラフ。

↑ 景気の現状/先行き判断DI(全体)推移
↑ 景気の現状/先行き判断DI(全体)推移

多少のぶれはあるものの、概して言葉通りに先行き判断DIが数か月ほど先行し、その後を現状指数が追いかける形となっている。また先行き判断DIは多分に「思惑」も絡むため、値が大きく動く際には現状判断DIよりも振れ幅が大きくなる傾向がある。逆に小さくなった(見方を変えれば想像よりも大きな景況感の変化が実体化した)のは、2001年末以降の景気の底、そしてリーマンショックの時の下落位だろうか。

消費税率改定後の景況感の推移を予想する


判断DIについて「現状は先行きの後を追いかける」「大きく動いた時の振れ幅に、現状と先行きの差異はあまりない」などの規則性が見受けられた。そこで2014年4月からの消費税率改定に伴う景況感の現状と、今後について推し量ることにする。

まずは2014年3月から4月に渡る、現状判断DIの変化。要は税率改定でどれほど景況感が落ち込んだか。普段の定点観測記事よりも少々細かい区分での精査となるが、全項目マイナス値を示した(要は3月から4月にかけて下げた)ため、減少値をグラフ化した。この値が大きいほど、その分野での景況感が大きく落ち込んだことを意味する。

↑ 2014年3月から4月における現状DIの減少値
↑ 2014年3月から4月における現状DIの減少値

小売りの中でも特に耐久消費財を扱うことが多い百貨店、家電量販店の下げ方が著しい。駆け込み需要の反動を大きく受け、さらに商品寿命が長いため、反動が長期に渡ることが予想されることもあり、当然の話といえる。一方、ある意味究極の耐久消費財ともいえる住宅の値が低めで留まっているのは、本文中にも触れた通り、すでに消費税率改定に伴う駆け込み需要とその反動の時期を過ぎているからに他ならない。

やや意外なのは、乗用車・自動車備品販売店が25.4ポイントの下げで留まっていること。住宅程ではないがそれなりに高額であること、寿命が長いことから駆け込み需要の反動も大きそうな感はあったが、むしろスーパーの方が大きな影響を受けているほどである。

他方、同月、つまり2014年4月に計測された、先行き判断DIの推移。こちらは全項目プラスなので、増加値となる。上記にある通り、多少のぶれは予想されるが、来月分以降の現状判断DI、つまり来月以降の景況感を直接占える値といえる。

↑ 2014年3月から4月における先行きDIの増加値
↑ 2014年3月から4月における先行きDIの増加値

意外なことに、現状でもっとも下げた百貨店と家電量販店が、先行きでも一番の増加傾向を示している。単純にポイントの足し引きで比較検証するのにはやや問題があるが(例えば景況感が5割減になった後に5割増ししても、元に戻るわけでは無い。A×0.5×1.5はAではなく0.75Aである)大体2/3前後の割合で次月かその次あたりの月には回復する予見を示している。中には乗用車・自動車備品販売店のように、むしろ先行きDIの増加値の方が現状DIの減少値よりも大きな項目もあるほど。

春先の景気ウォッチャー調査の具体的なコメントから「もしかすると税率改定後の消費マインドの落ち込みは数か月で鎮静化するかもしれない」との推定を記述したことがある。今回税率改定前後の現状・先行きDIの動きを見るに、その推定はあながち的外れでもなさそうだ。

次回発表分、つまり2014年5月分の現状判断DIがどこまで回復することになるのか。その動向を注意深く見守りたいところではある。


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