回転寿司店での平均利用枚数、利用頻度…経年変化を探る(最新)

2023/03/26 02:31

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2023-0320【利用者72.9%、そのうち月一以上は39.1%…回転寿司の利用実態(最新)】をはじめ複数の記事で、マルハニチロが2023年3月16日に発表した調査結果【回転寿司に関する消費者実態調査2023】を基に、回転寿司に関する状況確認を行った。今回は同社の過去における同様の調査結果を抽出し、状況の経年推移を探っていくことにする。

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現在公開されている資料をたどる限り、マルハニチロが回転寿司に関して調査を行ったのは2010年以降の計13回(2011年は除く)。ただし2010年分は2012年以降のものと比べて調査項目が多分に異なり、時系列的な比較が難しい。そこで2012年から2023年の12年分に限定し、3つの項目の経年推移を確認していくことにする。

まずは回転寿司に限らず、寿司をどのようなスタイルで食べているか。今項目では調査対象母集団は回転寿司店の利用動向に関係なく、一般の人(予備調査段階の調査対象者)に尋ねていることに注意。なおグラフの体裁上、直近10年分を精査対象としている。

↑ どのようにして寿司を食べているか(全体対象、複数回答)
↑ どのようにして寿司を食べているか(全体対象、複数回答)

減少度合いに違いはあれど、寿司を食べるすべての項目において、経年ではおおよそ減少している動きが見える。

一方で「寿司は食べない」の回答値はおおよそ少しずつ増加している。値そのものはまた小さいが、寿司業界にとっては気になる動きに違いない。ただしこの5、6年ほどはほぼ横ばいに推移していると見た方がよいようだ。

続いて回転寿司店利用者における利用頻度。

↑ どれぐらいの頻度で回転寿司店を利用しているか(テイクアウトは除く、回転寿司店利用者限定)
↑ どれぐらいの頻度で回転寿司店を利用しているか(テイクアウトは除く、回転寿司店利用者限定)

経年で大きな変化はない…ように見えるが、2013年をピークに少しずつ利用頻度が落ちていると解釈可能な動きがある。各区分の色合いは赤系統色ほど高頻度、青系統色ほど低頻度に配色しているため、少しずつ右側の青系統色が広がり、左側の赤系統色が減っているのが分かる。特に1年に1回以下しか行かない人が増加しており、回転寿司店利用者に限っても、利用頻度が漸減している実情が見えてくる。ただし2022年では大きく赤系統色が伸びた動きが生じている。直近の2023年ではほとんど元の傾向に戻してしまったが。

最後は、回転寿司店利用者には一番気になる内容、利用時における平均の利用皿枚数。

↑ 寿司以外のメニューも含め回転寿司店で何皿程度を食べることが多いか(2015年のみ「寿司だけ」、月一以上回転寿司店利用者限定、属性別、平均皿数)
↑ 寿司以外のメニューも含め回転寿司店で何皿程度を食べることが多いか(2015年のみ「寿司だけ」、月一以上回転寿司店利用者限定、属性別、平均皿数)

この数年における回転寿司店におけるサイドメニューの充実ぶり、ファミレス化は承知の通りだが、その影響を受けた状況が今回の調査にも生じ、それが反映された結果が出ている。具体的には2014年までの調査では皿数に関して「寿司以外のメニューも含めて何皿程度を食べることが多いか」とサイドメニューを食べた皿数は「覚えていればそれも合わせて」程度の設問だったのが、2015年には「回転寿司店で、寿司を何皿程度を食べることが多いか」となり、サイドメニューにかかわる皿数の設問は無くなってしまった(具体的に何を食べるかは尋ねている)。そして2016年以降は「寿司」「寿司以外のメニュー」とそれぞれ別個に設問が設けられており、今件グラフではその合算値を反映させている。

2015年の値が凹んでいるのはサイドメニューが加わっていないため、2016年以降が底上げされているのはサイドメニューが明確に意識される形で問われているためのものだと思われる。よって、経年変化による利用皿数の推移を推し量ることは現時点では難しい。もう数年調査が同一スタイルで継続されれば、回転寿司店での利用皿数の動きを見極めることもできよう。もっとも2016年以降の動向で限れば、男性は皿数が少しずつ増えているようにも読めるのだが。



調査は2010年から継続して行われているものの、2010年分は項目に差異があること、2011年は(恐らく)震災で調査そのものが行われなかったこともあり、実質12年分しか経年推移が取得できていないことから、12年分のみの変化の確認となった。皿数の動向のように継続性の上で精査が難しい項目もあるが、回転寿司店だけでなく寿司そのものから距離を置く動きが生じていることは否定できない。

是非とも来年もまた継続して、調査結果を公開してほしいものだ。寿司界隈の消費性向が、より明確に把握できる資料となるに違いない。


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