41年連続の減少で子供の数は1465万人…「こどもの日」にちなんだデータをグラフ化してみる(国内編)(2022年版)
2022/05/04 17:30


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子供の人数は1465万人、前年から25万人減少
今調査結果によれば2022年4月1日時点で日本の総人口は1億2519万人。そのうち子供の数は1465万人となり、子供の総人口比は11.7%を示した。これは前年同時期比でマイナス0.1%ポイント。

↑ 男女別子供人口など(万人)(2022年4月1日時点)
幼少時の死亡リスクは特に男子の方が高い。元々人間に限らず生物の多くは男子の方が生まれる比率はわずかに高くなる。そして成人までにほぼ男女同数になるのが生物学上の仕組み。そのため、絶対人数・各男女別の人口比ともに、子供に限れば女子よりも男子の方が人数は多い。
今件では「子供」を0歳から14歳と定義している。その定義の中でさらに3年区切りの等年数で人口をカウントし、各年齢区分の人口数を棒グラフ化したのが次の図。

↑ 年齢階層別子供人口(万人)(2022年4月1日時点)
生活過程で病気や事故、その他の原因で命が失われるリスクを考慮した場合、特定の年齢階層の人口が維持されるためには、その時点での若い年齢階層の人ほど人数が多くなければならない。例えば0歳時点で100万人いたと仮定し、100万人全員がそのまま成人式を迎えられるわけでは無い。戦争や疫病などの突発的な事象が無くとも、何%かは失われることになる(さらに男女間では男性の方がリスクが高いのは上記の通り)。
その考え方にのっとり、総人口の維持を目指すのならば、今グラフはむしろ逆の動きをしていなければならない。しかし実際には若い年齢階層ほど数が少なくなっているのが現状である。現在2歳以下の人の251万人が100%そのまま12-14歳まで成長することはありえないので、少なくとも今後しばらくの間、若年層の人口がさらに減少することになる(仮に今後新生児がこれまでの傾向に反する形で、これまでよりも多数生まれれば話は別となるが)。
この現状は別の視点からも確認できる。次のグラフは最初のグラフで記した子供人口・それ以外の人口に関して、前年2021年と単純比較したもの。対象となる人数・生存期間双方において子供以外の人の方が多いこともあり、子供人口の方が減少「数」は少ない結果となっている。

↑ 男女別子供人口(前年比、万人)(2022年4月1日時点)
子供人口の方が減少「数」は少なくなっている。それだけ高齢者が亡くなる事例が増えている次第ではある。
70年あまりにわたる人口(比)推移
続いて示すのは「全人口における積み上げ・比率形式の主要年齢区分による人口比」。5年区切りのものは国勢調査によるもの(年齢不詳は按分して含めている)、2011年から2021年は1年区切りで、人口推計による値。また直近2年分は4月1日時点、それ以前は10月1日時点の値となっている。年数の区切りが異なるのとともに、実態との差異の度合いにも注意して欲しい。

↑ 年齢3区分別人口(国勢調査・人口推計ベース、万人)

↑ 年齢3区分別人口(全体比率、国勢調査・人口推計ベース)
丙午の関係で多少でこぼこが生じているが(1966年の丙午が直接該当する可能性のある1970年で、子供の比率がイレギュラー的な低下を示している)、全般的には少しずつだが確実に、14歳以下と15-64歳が絶対数・全体比率ともに減少し、その分65歳以上が増加している。医療体制・技術の充実や、各種社会的インフラの普及・安定化による平均寿命の伸びが主な理由だが、【【更新】出生数84万0835人…日本の出生率と出生数(最新)】で解説している通り、出生率の低下も一因といえる。
医療技術の進歩や公衆衛生環境の整備、社会福祉の充実で高齢層が増えても、それに比する形で若年層の数も増加すれば、全体的な人口構造上のバランスはとれる。しかし【先進諸国の出生率や離婚率など(最新)】などでも触れている通り、いわゆる「先進国病」と言われている出生率の低下は、一朝一夕で解決できる問題では無い。中長期的な視野に立った施策が求められていることは言うまでも無い。
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