タブレット型端末の普及率現状をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/05/22 05:11

ここ数年の間にスマートフォンと共に急速に普及が進み話題に登るようになったモバイル端末に、タブレット型端末が挙げられる。クリップボードほどのサイズの液晶がメインのデジタルデバイスで、それなりに高い機動性を有し、ノートパソコンに匹敵するパソコン的な使い方が可能で、スマートフォンのようなタッチパネル方式での操作が行える。いわばパソコンとスマートフォンの中間的な立ち位置にある端末だが、最近ではノートパソコン的に使えるものも登場し、その柔軟性の高さから、パソコンの代替機として選択する人も多い。今回は内閣府が定期的に公開している調査結果【消費動向調査】を基に、そのタブレット型端末の普及状況について確認していくことにする。

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単身と二人以上世帯それぞれ、そして男女別のタブレット型端末普及率


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明済み。

まずは全般的な世帯普及率。全部の世帯を合わせた保有率は26.2%、1保有世帯あたりの保有台数は1.27台。単身世帯は13.5%、二人以上世帯は32.0%。一人の世帯では7世帯に1世帯、二人以上世帯では3世帯に1世帯がタブレット型端末を保有していることになる。

↑ タブレット型端末世帯主性別普及率(2016年3月末)
↑ タブレット型端末世帯主性別普及率(2016年3月末)

いずれの種類世帯でも男性の方が普及率は高め。普及が進んでいるとはいえ、まだ汎用的なレベルには届いていないため、デジタル系アイテムに強い関心を持ちやすい男性の方が、より強い所有願望を抱いているのだろう。また必要性の観点でも女性は男性ほど有用性を見出していないのかもしれない(より機動性の高いスマートフォンを好むとの観点もあろう)。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。元々の公開値は「保有の有無を問わず全世帯に対する保有台数」だが、その値を基に独自算出している。保有実態を把握するには、この値の方が理解しやすい。

↑ タブレット型端末世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2016年3月末)
↑ タブレット型端末世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2016年3月末)

タブレット型端末はその機動性や利用通信環境上の問題(通信量の観点から無線LANによるアクセスが多い)もあり、複数を所有する必要性が無い。二人以上世帯でも一人一人の所有ではなく、世帯全体の所有物として購入し、共用する事例が多い。結果として世帯種類による保有台数の差異があまり出ない結果となっている。携帯電話のように、一世帯で2台も3台も所有する必要性はあまり無い(ちなみに総世帯における従来型携帯電話とスマートフォンを合わせた携帯電話全体の、保有世帯における平均保有台数は2.08台)。

タブレット型端末の性別や世代別の所有状況を確認する


続いて世代別の保有率。性別とクロスした区分と、詳細世代別区分のデータが用意されているので、それぞれをグラフ化し、現状を確認する。

↑ タブレット型端末世帯主年齢階層別普及率(2016年3月末)
↑ タブレット型端末世帯主年齢階層別普及率(2016年3月末)

↑ タブレット型端末世帯主性別・年齢階層別普及率(2016年3月末)
↑ タブレット型端末世帯主性別・年齢階層別普及率(2016年3月末)

まず単純年齢階層区分別だが、最多保有層は単身世帯が40代だが若年層まではさほど違いは無し、二人以上世帯は30代だが40代から50代もほとんど同じ。新型デジタル機器への興味関心・好奇心の高さが若年から中堅層までの単身世帯の保有率を引き上げ、また二人以上世帯では子供との共有も考慮した上での調達事例が多いことから、30代から40代の保有率が高いものと考えられる(実際、子供、特に小中学生においてタブレット型端末の利用率は上昇のさなかにある)。具体的な値の抽出として世帯主の年齢が「単身世帯では40歳以下で約3割」「二人以上世帯では30代から50代までが4割強」とのタブレット型端末の保有状況は、覚えておいて損は無い。

また男女別の保有状況だが、すべての年齢階層で男性の方が高い値が出ている。上記でも触れているが、女性はより機動性のあるスマートフォンを好むからだろうか。

世帯年収で大きく変わるタブレット型端末保有率


最後は世帯年収別に見た、タブレット型端末の保有率。

↑ タブレット型端末世帯年収別普及率数(2016年3月末)
↑ タブレット型端末世帯年収別普及率数(2016年3月末)

大よそ単身・二人以上世帯共に、低年収ほど低保有率、高年収ほど高保有率の傾向が見られる。単身世帯・1200万円以上は回答値が有意に減少しているが、これはイレギュラーによるもので、該当母世帯が6世帯しかいないが原因。2013年までは類似品目において「750万円以上」としてまとめられていたほどなので、仕方のない話ではある。

今やタブレット型端末は安価なものも多数登場しているものの、外出して通信回線に直接つなぐ(WiFiを使わない)となればそれなりに通信コストは必要となる。また手持ちのパソコンやスマートフォンでインターネットへのアクセスは事が足りる人も多く、タブレット型端末は現状では「あれば便利にこしたことは無いが、無くても特段困るものでは無い」との位置づけをしている人も多い。結果として、年収による普及率の差が大きく出てしまうことになる。



タブレット型端末は多分に屋内での利用機会が多く、また電子書籍との連動性が注目されている。一方でノートパソコンの代替機として使う場合はともかく、必要性の高い使い方を見出しにくい、タブレット型端末が無いと困る事例が無いのも事実。他方、子供の教材や遊び道具として、あるいは教材用のタブレット型端末も多数市場に出回り始めており、こちらは子供(を持つ世帯)への急速な浸透が確認されている。さらにはそこから転じ、通常のタブレット型端末を子供の玩具代わりに使わせるケースも多々見受けられる。

現在は試行錯誤の中で、タブレット型端末の有用性が模索されている時代ともいえる。電子書籍リーダーとの兼用も合わせ、多方面の切り口で提案がなされつつ、少しずつ普及が進んでいくのだろう。現時点では総世帯保有率は26.2%に留まっているが、他のデジタルデバイスの事例から推測するに、3割台に突入した時点で普及状況は一気に加速化するものと思われる。それに伴い、タブレット型端末ならではの利用スタイルも考案されて、それに合わせたアプリも展開されていくに違いない。


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