携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(最新)

2018/04/29 05:07

2018-0427自動車搭載用の電話をベースに単純な持ち運びができる通話用電話機として始まり、ポケットに入るサイズにまで小型化するとともに、インターネットへのアクセスを可能とすることで、機動性の高い情報端末としての役割も果たすようになった携帯電話。昨今では従来型携帯電話に加え、タッチパネル方式で画面も大型化し、アプリケーションの活用によりパソコンに近い機能を有するスマートフォンの普及ぶりが著しい。今回は従来型とスマートフォンそれぞれにおける携帯電話の普及状況について、内閣府が定期的に公開している調査結果【消費動向調査】を基に確認していくことにする。

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単身と二人以上世帯それぞれ、そして男女別の世帯携帯電話普及率


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認のこと。また同調査に関する携帯電話関連の精査記事では、以前は【携帯電話普及率の現状(2013年)】の通り携帯電話全般での精査を行っていた。しかし2014年調査分から調査項目において「スマートフォン」「スマートフォン以外(=従来型携帯電話)」に細分化したものが追加されたため、今件記事ではスマートフォン・従来型携帯電話それぞれを見ていくことにする(全体的な「携帯電話」としての普及率の現状やその推移は後日、他調査機関の調査結果とともに【複数データを基にした携帯電話の普及率推移】の内容更新で精査予定)。

まずは全般的な世帯普及率(質問票では「あなたの世帯で持っている耐久消費財等の数量を記入してください」とあり、保有率をも意味する)。単身世帯はスマートフォン50.2%、従来型携帯電話38.9%。二人以上世帯はスマートフォン75.2%、従来型38.9%。案外単身世帯のスマートフォン普及率が低いように思えるが、これはシニア層まで勘案対象のため。

↑ スマートフォン世帯主男女別普及率(2018年3月末)
↑ スマートフォン世帯主男女別普及率(2018年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主男女別普及率(2018年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主男女別普及率(2018年3月末)

スマートフォンでは単身世帯は男性、二人以上世帯では女性の方が普及率は高い。ところが従来型携帯電話では単身世帯は女性、二人以上世帯は男性の方が普及率が高い結果が出ている。世帯ベースの話ではあるが、二人以上世帯では過半数どころか7割強がスマートフォン持ちで、従来型携帯電話の普及率を超える状況が確認できる。そして単身世帯でも男女ともにスマートフォンの方が普及率は高い。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯に対する保有台数」では無いので注意が必要。保有実態を把握するには、この値の方が理解しやすい。

↑ スマートフォン世帯主男女別・保有世帯あたり平均保有台数(2018年3月末)(台)
↑ スマートフォン世帯主男女別・保有世帯あたり平均保有台数(2018年3月末)(台)

↑ 従来型携帯電話世帯主男女別・保有世帯あたり平均保有台数(2018年3月末)(台)
↑ 従来型携帯電話世帯主男女別・保有世帯あたり平均保有台数(2018年3月末)(台)

単身世帯はスマートフォンも従来型携帯電話もほぼ1台。本人自身しか世帯におらず、同居人がいないのだからカウントすることも無い。

一方、二人以上世帯ではそれぞれの機種毎に1.5台から2台ほどの保有状況にある。回答者(多くは世帯主)に加えて配偶者、さらには子供の保有もあるため、その分がカウントされる事例が多い。当然、本人などが複数台保有の場合もあるだろう(今件が回答者個人のみの普及率では無い、回答者が所属する世帯の世帯普及率であることに注意)。

男女別、年齢階層別で細分化をしてみる


続いて年齢階層別普及率。さらに年齢階層の区分は大まかなまとめになるが男女別の値も用意されているので、それぞれを確認していく。まずは単純な年齢階層別普及率。

↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2018年3月末)
↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2018年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2018年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2018年3月末)

双方機種で二人以上世帯の方が普及率が高いのは上記で説明した通り、世帯構成人数の問題。またスマートフォンは若年層、従来型携帯電話は高齢層の方が普及率は高い。

29歳以下でも1割強は今なお従来型携帯電話を所有しているが、スマートフォンは9割強の普及率に達している。全体におけるスマートフォンの普及率は単身で50.2%、二人以上世帯で75.2%であることは上記で記した通りだが、多分に中年層以降の普及率の低さが全体値の頭を押さえていることが分かる。

続いて男女別に区分した場合。

↑ スマートフォン世帯主男女別・年齢階層別普及率(2018年3月末)
↑ スマートフォン世帯主男女別・年齢階層別普及率(2018年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主男女別・年齢階層別普及率(2018年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主男女別・年齢階層別普及率(2018年3月末)

スマートフォンでは多くの属性で男性より女性の方が高い値を示している。他方従来型携帯電話では大体男性の方が上。興味深い動きではある。女性の方が従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが進んでいると見ればよいのだろうか。

スマートフォンは世帯年収で大きく変わる


最後に世帯年収別普及率。携帯電話の種類別で大きな違いが確認できる。なおグラフの表記上、一部の属性では「以上」を省略している。例えば「300-400万円未満」は「300万円以上400万円未満」を意味する。

↑ スマートフォン世帯年収別普及率(2018年3月末)
↑ スマートフォン世帯年収別普及率(2018年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯年収別普及率(2018年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯年収別普及率(2018年3月末)

従来型携帯電話は大よそ低年収ほど高普及率を示している。一方でスマートフォンでは単身・二人以上世帯ともに大よそ高年収ほど高普及率の傾向にある。金銭的な余裕が生じるに連れて、世帯主自身、あるいは配偶者や子供にスマートフォンを持たせようとする考え、あるいは要望を叶えられる余裕が出てくるのだろう。見方を変えれば、スマートフォンは従来型携帯電話と比べてコストが多分にかかるため、金銭的な余裕が無いと保有が難しいとの推論が導き出される。



他の多様な調査や保有実態から、さらには携帯電話事業者各社の新作ラインアップからも分かる通り、携帯電話は猛烈な勢いで従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが進んでいる。しかし単純な通話やシンプルなインターネットアクセス機能で十分とする使い方、需要(コストパフォーマンス的な意味合いも含め)ならば、従来型携帯電話は今なおベストな端末に違いは無い。また子供の防犯用携帯電話としても、従来型携帯電話は重宝されている。

今後もスマートフォンへのシフトは進み、普及率も年々底上げされていく。一方で従来型携帯電話の普及率は漸減を示すことになるが、一定数は維持されるに違いない。


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