2014年3月度外食産業売上プラス1.7%・税率改定前の外食びかえはほとんど無し

2014/04/26 20:00

日本フードサービス協会は2014年4月25日に、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値、2014年3月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でプラス1.7%を示したことが分かった。前月と比べれば比較的天候にも恵まれ、特にファミリーレストランは好調な動きを示した。また消費税率改定前の駆け込み需要で外出する事例が増え、それに合わせて外食店に立ち寄るパターンがあったことから、一部部門では客足が伸びたとの分析も同協会によってなされている(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われている。対象数は事業者数が205、店舗数は3万1981店舗。今月は前月と比較すると事業社数は減少しているが、店舗数は増加している。

全業態すべてを合わせた2014年3月度売り上げ状況は、前年同月比で101.7%となり、1.7%の上昇を記録した。これは先月から転じて2か月ぶりの上昇となる。前年同月と比べると日取りの上では変化がないものの、雨天日数は東京・大阪共に1日ずつ多く、平均気温も抑えられており、一見すると外食店にとって条件は悪いように見える。しかし前月2月に2度もの大雪が降ったことによる反動が生じている。それに加え、消費税率改定前の最期の月ということもあり、買い物による外出機会が増え、それに伴いついで買い的な外食機会が増加したことで、客数の減退は最小限に留まり、また客単価が底上げされたことが幸いし、売り上げはプラスを示すこととなった。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から転じて2か月ぶりにプラスに転じている(プラス1.8%)。昨今では同部門で一番の軟調さを示す洋風(ハンバーガーチェーン店がメイン)は客足が相変わらず伸び悩み、マイナス6.0%。客単価は高単価商品の投入でプラス6.0%を示すも、売上高をプラスに転じるまでには至らなかった。持ち帰り米飯/回転寿司も先月同様軟調で、客単価の伸び率は今一つな上に客入りも悪く、売上はマイナス1.6%。もっともこれでも先月と比べれば、客入りを中心にまだマシな方。

牛丼チェーン店を含む和風は今なお鍋物メニューが好調さを後押ししているようで、客入数が前年同月比でプラス10.9%となり、これを受けて売上高も10.0%のプラス。今回月はファストフード中一番の売上高の伸び率を叩き出している。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が3.9%のプラス。消費税率導入直前においては、駆け込み需要的なまとめ買いが行われるため、その予算確保のために外食はひかえられるとの一部調査結果もあったが、フタを開けてみれば冒頭でも記した通り、そのまとめ買いの際のついで買い・寄り道的な食事機会の増加で、売り上げは底上げされることになった。天候面などでは悪環境下にあったにも関わらず、客数がプラス1.2%とプラス化されているのがその表れ。詳細区分別では相変わらず焼き肉部門の堅調さが目立ち、客数・客単価共にプラスを示し、売り上げは10.4%ものプラス。

パブ/居酒屋部門では先月同様居酒屋の調子が思わしくなく、特に客入りが軟調。店舗数も減退しており、売上もマイナス8.1%と大きな減り具合を示している。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年3月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年3月分)

気象条件はマイナスだが
消費税率改定前で
外出機会増加が幸いし
客足マイナスは最低限に。
客単価は堅調なことから
売上はプラス化。
ファストフードの和食や
ファミレスの焼き肉は
相変わらず順調。
2月の大雪のようによほど特異な気象状況で無い限り昨年同月の天候など覚えているはずもないのだが、昨年同月と比較すると降雨・温度共に外食産業にとって、3月はマイナスな状況だった。しかしながら2月の大雪により多分に外出が控えられたことの反動に加え、4月からの消費税率改定に伴うまとめ買い、駆け込み需要があり、従来以上の外出機会が発生。これに合わせついで買いの類似パターンとして「ついで外食」のようなものも発生したようで、客足の減退はマイナス0.7%に留まっている。税率改定に伴う外食びかえは、とりあえず改定前のこのタイミングでは、マイナスの影響は最小限に抑えられたようだ。

先日【すき家、鍋定食などによる人手不足を公認、環境改善のため6月をめどに7地域分社化を決定】でも伝えたが、ファストフード・和風に該当するすき家が人手不足による諸問題を認めると共に、状況改善のための各種施策を打ち出すことを発表した。同社では3月においてもそれらの問題から少なからぬ店舗の一時閉店措置などを打ち出していたが、同社の売上そのものにはさほど大きな影響は生じておらず、結果として今件結果でもその影響は無いように見える。むしろ今後各種施策が功を奏すれば、同社の業績、さらには和風全体の値における底上げも期待できよう。

部門別ではファミリーレストランが先月から続き堅調な動き。客数・客単価、さらには店舗数までも共にプラスを維持している。一方でパブ/居酒屋、特に居酒屋は店舗数も含めてマイナス値が出ており、外食のトレンドに小さからぬ変化が生じていることがうかがえる。

来月発表分、つまり現在進行中の4月は、外食産業のトレンド転換の有無を知るのに適しているであろう、盛況月の一つである。新年度を迎え、ゴールデンウィークも一部入ることもあり、多様な状況で外食を利用する機会が増える。今年はさらに消費税率改定後、最初の月でもあり、その影響も合わせ、各業種がどのような結果を示すことになるのか、気になるところだ。多分に各業種の勢いが顕著に表れることになるだろう。

特に消費税率改定に伴うマイナス影響だが、各種民間調査会社などの事前調査では、小さからぬ外食びかえが生じるとの結果が出ている。しかし同様に「税率改定前では駆け込み需要の予算確保のために外食はひかえられる」と出ていた結果を良い意味で裏切り、今回のようなプラスを示している。結果はフタを開けてみるまで分からないが、案外心配するほどの軟調さは起きないのかもしれない。


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