それでも読まれる紙の新聞、60代ではニュース系テキストメディアで最多利用(最新)

2021/09/25 03:15

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2021-0920速報性や拡散性、画像や音声、動画などのマルチメディア性、蓄積と検索、リンクによる過去データの検証の容易さなど、インターネットはニュースを配信するのにプラスとなる特徴を多数持っている。これを受けて法人の新聞社やポータルサイト、当サイトのような個人にいたるまで、多様な立ち位置から、インターネット上にニュース・情報が提供されている。紙媒体としての新聞と、これらインターネット上のニュース系情報サイトは、どのような利用状況にあるのだろうか。総務省が2021年8月25日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、その実情を探ることにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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ポータルサイト提供のニュースが一番


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

今件では新聞やニュースサイトなど、ニュースを読んでいるテキスト系媒体の利用状況を尋ねている。紙媒体の新聞以外に新聞社が提供する有料サイト(日経電子版など)、同無料サイト(YOMIURI ONLINEなど)、ポータルサイトが提供しているニュース配信サービス(Yahoo!ニュースなど)、ソーシャルメディアが提供しているニュース配信サービス(LINE NEWSなど)、さらにはキュレーションサービス(スマートニュースなど)、そしてそれらのいずれの方法でも読んでいないの選択肢を提示し、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、年齢階層別)(2020年)
↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、年齢階層別)(2020年)

全体ではポータルサイトによるニュース配信利用率がもっとも高く72.2%、次いでソーシャルメディアによるニュース配信が46.9%、さらに紙媒体の新聞が43.7%と続く。紙媒体の新聞がトップに付かなかったのは、今調査では2016年分以降5年連続。さらに紙媒体の新聞がソーシャルメディアによるニュース配信よりも下の順位となるのは今回年が初めて。新聞各社が積極展開している新しいビジネスモデルこと、新聞社の有料サイトは利用率が4.1%にとどまっている。

年齢階層別に見ると、紙媒体の新聞利用率が歳を重ねるに連れて上昇していくのは、他の多数の調査結果からも容易に想像ができた通り。60代ではほぼ4人に3人が新聞を読んでいる。同時にインターネット経由のニュース利用が漸減しており、年齢とともに「インターネットから紙へ」が進んでいる状況が分かる。ただしピークは媒体によって異なり、例えばポータルサイトによるニュース配信では40代が、ソーシャルメディアによるニュース配信では20代がピークとなっている。新聞社の無料サイトはどの年齢階層でもさほど違いはないが、最高値をつけているのは50代。

有料無料を問わず、新聞社自身が提供するウェブ上のニュースよりも、それらを集約したポータルサイト提供のニュースやソーシャルメディア提供のニュース配信の方が需要が大きく、多数の人が利用している実情は皮肉な話。他サービスと一緒にまとめて利用できることや、多様なニュースの集約で幅広い情報を一括して確認できるメリットが好かれているのだろう。特定の出版社の発行本のみを集めた本屋より、さまざまな出版社発刊の本を集めたごく普通の本屋の方が需要が大きいのと同じではある。

一方、ソーシャルメディアでも付加価値施策の一環として展開を始めている、ポータルサイトと同様のニュース配信サービスの利用者は20代がピークで、6割台。年齢階層別の動きはソーシャルメディアを利用している人の数の割合にほぼ連動している。ポータルサイトによるニュース配信サービスでも一部行われているが、ソーシャルメディアを利用するのと同じ感覚で読めるよう、ダイジェストでの提供が多いため、他人との交流をするかのように目を通している人も多分にいるのだろう。要は知人とのやりとりも、ニュース媒体経由からの情報取得も、同じ情報の斜め読み的な感覚で接しているものと考えられる。

昨今では各種メディアが公式アカウントを取得し、ソーシャルメディア上でニュースのダイジェストと記事ページへの誘導を書きこむ事例が増えている。この手法は今調査の回答用紙では「新聞社自身がTwitterなどで提供するものは『新聞社提供の無料サイト』に該当」との説明がされていることから、それを加算した上でも新聞社提供の無料サイトの利用者はさほど多くない実情を見るに、そのような形でのニュース取得者もまた、少数派のようである。

多様な意味で注目を集めているキュレーションサービスだが、こちらは全体で19.3%と少なめ。ただし中年層以降でいくぶん利用率が高く、全年齢階層で新聞社による無料サイトを超えるほどの利用率を示している。

同様の調査は前年も行われている。そこで前年比を算出したのが次のグラフ。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、前年比、年齢階層別、ppt)(2020年)
↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、前年比、年齢階層別、ppt)(2020年)

全体ではポータルサイトによるニュース配信が大きく伸びているが、年齢階層別では10代・40代、60代での伸びが生じている。60代ではそれ以外にもソーシャルメディアによるニュース配信やキュレーションサービスが大きく伸び、紙の新聞が大きな落ち込みを見せている。神の新聞からインターネットによるニュース取得にシフトしたのだろうか。

一方、10代では多くの媒体で値が落ち、ポータルサイトによるニュース配信と「いずれも読まず」が大きな伸びを示しているのが目にとまる。ニュー離れ的な動きが生じているのだろうか。

どれをもっとも使っているか


これら新聞・ニュースサイトのうち、どれを一番使っているかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(2020年)
↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(2020年)

全体ではポータルサイトによるニュース配信がトップで4割台半ば、次いで紙の新聞が2割強、ソーシャルメディアによるニュース配信が1割台後半、以上がトップ3。

年齢階層別動向では10代はソーシャルメディアによるニュース配信がトップで3割台半ば、次いでポータルサイトによるニュース配信がほぼ同値。20代以降はポータルサイトによるニュース配信のウェイトが高まり、ソーシャルメディアによるニュース配信は減少していく。20代から50代まではポータルサイトによるニュース配信が最大値を示すが、おおよそ年齢とともに紙の新聞の値が増加し、60代ではポータルサイトによるニュース配信を超えて最大値となる。

トップの媒体のみを挙げると、10代はソーシャルメディアによるニュース配信、20-50代はポータルサイトによるニュース配信、60代は紙の新聞となる。新聞社の有料・無料サイトは「もっとも利用している」の選択としてはほとんどゼロ、誤差範囲でしかない。キュレーションサービスは1割足らず。

前年比の算出結果は次の通り。

↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(複数回答、前年比、ppt)(2020年)
↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(複数回答、前年比、ppt)(2020年)

全体ではポータルサイトによるニュース配信が大きく増え、紙の新聞が大きく減っている。10代ではポータルサイトによるニュース配信と「いずれも読まず」が大きく増え、ソーシャルメディアによるニュース配信が大きく減っている。単にニュースを読んでいるテキスト系媒体の動きと似ているのが注目に値する。他方、30代以降では年とともに紙の新聞の減り方が大きくなっているのが気になるところ。ほぼ連動する形で増加しているポータルサイトによるニュース配信にシフトしているのだろうか。



新聞社自身のニュースサイトは有料版がほとんど使われず、無料サイトも利用率は想像以上に低い。やはりまとめて一度に確認ができるポータルサイトによるニュース配信、そして常用しているソーシャルメディアによるニュース配信の利便性に、多くの人が魅力を覚えているようだ。


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