主要ソーシャルメディアなどの利用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/09/08 10:20

総務省では2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として、公式サイトで「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を発表した。その報告書などでは主要ソーシャルメディアの利用状況に関する報告も行われている。ウェブサービスの中では今一番利用され注目を集めているソーシャルメディアの、日本における浸透状況を推し量れる貴重なデータに違いなく、大いに注目すべき内容となっている。今回は今件の各値について確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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対話系ではLINEが1番、そしてFacebookが続く


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

利用率を確認するのは主要ソーシャルメディア、具体的にはLINE、Google+、Facebook、Twitter、mixi、Mobage、GREEの計7サービス。加えて動画系のソーシャルメディアであるYouTube、ニコニコ動画、Vineが2014年分調査から加わり、2015年分調査からはInstagramも追加され、合計で11サービスとなっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアでは無くコミュニケーションサービスだが、今件ではソーシャルメディアとして取り扱われている。

なお各サービスの並び順は公開資料のものに準じている。Google+の順番がイレギュラーに見えるが、これは【「誤認した者が存在する可能性」…「LINEの次にGoogle+が高利用率」問題の後日談】にもある通り、2013年分の調査結果において不具合が生じた可能性が多分にあり、主要ソーシャルメディアの平均値などを算出する際、Google+を加える場合と除いた場合、2通りの値が公開資料では呈されていることによる。

具体的サービス毎の利用状況は次の通り。若年層の利用率が圧倒的に高く、これが後押しする形でLINEが一般的なソーシャルメディアでは最上位につくこととなった。

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、全体比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、全体比)

次いで多いのはFacebook、Twitter、Google+と海外発のソーシャルメディアが続く。かつて日本で一世を風靡したmixiだが、今調査の限りでは6.9%のみの利用率に収まっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアと似て非なるものなので、実質的には「国内利用率ナンバーワンのソーシャルメディアはFacebook」となる。

他方、動画系のソーシャルメディアまで精査に含めれば、LINEすら凌駕しているのがYouTube。全体の2/3が利用している。LINEが比較的若年層で利用が集中しているのに対し、YouTubeは幅広い年齢階層で使われているのが、全体の利用率を押し上げた原因である。

これを世代別に見たのが次のグラフ。世代間の特性が表れており、興味深い結果が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)(動画・写真系)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)(動画・写真系)

LINEが40代にまで浸透し、特に20代の利用率(9割超)の圧倒感が確認できる。40代ですら3/4がLINEを活用中。これらの値はインターネット利用者、携帯電話利用者限定では無く、該当する世代全体比であり、例えば10代から40代までは少なくとも7割はLINEを利用している計算になる。

10代では意外にもTwitterがLINEに続き、20代・30代ではFacebookが続いている。かつて実名・実肖像主義のFacebookは日本では浸透しないのではないかとの話もあったが、この値を見る限りそれは単なる杞憂だったようだ。特に20代では6割の人がFacebookを利用していると答えている。

4ソーシャルメディアの利用は20代がピークでそれ以降は低下、特に50代になると著しい減退を見せる。60代ではよくて1割程度の状況となる。利用端末そのものの普及率の低さも一因だが、先行する記事にある通りシニア層ではデジタルにおけるコミュニケーションは電子メールが主流であり、ソーシャルメディアにはまだ手が及ばない。あるいは必要性を感じないのかもしれない。何しろコミュニケーションメディアは、自分だけでなく意思疎通をしたい相手も登録していないと、利用ができないのだから。

他方、動画・写真系ソーシャルメディアになると、YouTubeの幅広い年齢階層における利用状況が見て取れる。40代までは約8割超、50代でも過半数、60代でも1/4近くが利用している。豊富なコンテンツの実装に加え利用ハードルが低く、ブロードバンドでインターネットにアクセス可能な環境であれば、会員登録の必要すら無くほぼ利用できるのが強みではある。

短時間の一発芸的な動画がメインのVineは10代の利用がメインで、20代以降は誤差範囲内。ニコニコ動画は10代から20代の利用が圧倒的だが、30代以降でも1割強、60代でも7%近くの利用状況が確認できる。今回から調査対象に加わったオシャレ感の強い画像共有サービスInstagramは20代が利用のピークで3割強、10代や30代も2割前後の利用率を示し、若年層に強いサービスの実情が把握できる。

1年で伸びるソーシャルメディア、減退するソーシャルメディア


今調査項目は1年前の分、つまり2014年分の値も公開されており、1年間でどの程度利用率に変化が生じたのかを知ることができる。なお前年では動画系サービスのうちInstagramは回答項目に無く、比較が不可能なので省略している。

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比、前年比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比、前年比)

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比、前年比)(動画・写真系)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比、前年比)(動画・写真系)

30代から50代にかけてのLINEの成長ぶりが著しい。20代まではすでに高い利用率を示していたため、そこからさらに大きく伸びるのは難しく(伸びしろが少ないため)、成長の主力が中堅層にシフトした形。

Twitterは(20代は除くが)40代までの利用が急増。特に10代の伸びが著しい。利用スタイルがLINEに似ていることから、それが若年層から好かれたのかもしれない。他方同じ若年層をターゲットにしているMobageやGREEは若年層の利用が減っているのが目に留まる。

30代から40代ではLINE、Facebook、Twitterと主要ソーシャルメディアへの利用率がいずれも大きく増加している。ソーシャルメディアの有益性の認知浸透、社会環境の上での必要性の増加など、さまざまな環境変化に伴い、利用を始めたものと考えられる。また40代に限れば、別項目で指摘している同年齢階層のスマートフォン利用率の急増も、後押しの要因となっているる。

動画・写真系サービスではYouTubeの利用増加が目立つ程度。10代でVineが大きく伸びているが、これは上記におけるTwitterの利用率上昇に伴うものと考えられる。ニコニコ動画は20代で大きく減退しており、やや気になるところではある。



今件調査結果からはLINEの中堅層への浸透やFacebookの健闘、Twitterの若年層への普及など、興味深い動きを多々見受けることができるが、これらの動きは前年2014年分からのものであり、単年のイレギュラー的なものでは無い。来年はさらにこれらの動きが進み、日本国内におけるソーシャルメディアの勢力図も随分と変化した状況となるだろう。


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