主要ソーシャルメディアなどの利用状況をグラフ化してみる(最新)

2018/09/12 04:52

2018-0903総務省では2018年7月27日に情報通信政策研究所の調査結果として、公式サイトで「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を発表した。その報告書などでは主要ソーシャルメディアの利用状況に関する報告も行われている。ウェブサービスの中では今一番利用され注目を集めているソーシャルメディアの、日本における浸透状況を推し量れる貴重なデータに違いなく、大いに注目すべき内容となっている。今回は今件の各値について確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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対話系ではLINEが1番、そしてFacebookが続く


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

利用率を確認するのは主要ソーシャルメディア、具体的にはLINE、Google+、Facebook、Twitter、mixi、Mobage、GREEの計7サービス。加えて動画・写真系のソーシャルメディアであるYouTube、ニコニコ動画、Vineが2014年分調査から加わり、2015年分調査からはInstagramも追加された。そして今回の2017年分調査ではVineがサービス終了に伴い選択肢から除外され、代わりにSnapchatが入っている。LINEは厳密にはソーシャルメディアでは無くコミュニケーションサービスだが、今件ではソーシャルメディアとして取り扱われている。

なお各サービスの並び順は公開資料のものに準じている。Google+の順番がイレギュラーに見えるが、これは【「誤認した者が存在する可能性」…「LINEの次にGoogle+が高利用率」問題の後日談】にもある通り、2013年分の調査結果において不具合が生じた可能性が多分にあり、主要ソーシャルメディアの平均値などを算出する際、Google+を加える場合と除いた場合、2通りの値が公開資料では呈されていた名残である。

具体的サービス毎の利用状況は次の通り。若年層の利用率が圧倒的に高く、これが後押しする形でLINEが一般的な(コミュニケーション系)ソーシャルメディアでは最上位につくこととなった。

↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2017年)

次いで多いのはFacebook、Twitter、Google+と海外発のソーシャルメディアが続く。かつて日本で一世を風靡したmixiだが、今調査の限りでは4.3%のみの利用率に収まっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアと似て非なるものなので、実質的には「国内利用率ナンバーワンのコミュニケーション系ソーシャルメディアはFacebook」となる。

他方、動画系のソーシャルメディアまで精査に含めれば、LINEと肩を並べているのがYouTube。全体の7割強が利用している。「LINEが比較的若年層で利用が集中しているのに対し、YouTubeは幅広い年齢階層で使われているのが、全体の利用率を押し上げた原因」は前回年の解説コメントだったが、今回年では両者の年齢階層別利用傾向がほぼ同じとなってしまった。急速に中年層から高齢層にもLINEが広まった実情がうかがえる。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。各層間の特性が表れており、興味深い結果が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2017年)

↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2017年)

まずはコミュニケーション系。LINEが50代まで過半数、特に20代から30代では9割超の値を計上している実態の圧倒感が確認できる。60代ですら4割近くがLINEを活用中。これらの値はインターネット利用者、携帯電話利用者限定では無く、該当する属性全体比であることに注意が必要である。50代の人3人を集めれば、そのうち1人はLINEを利用している計算となる。

10代・20代では意外にもTwitterがLINEに続き、30代以降ではFacebookが続いている。かつて実名・実肖像主義のFacebookは日本では浸透しないのではないかとの話もあったが、この値を見る限りそれは単なる杞憂だったようだ。20代では過半数の人がFacebookを利用していると答えている。

LINE、Facebook、Twitterいずれも20代が利用のピークで、それ以降利用率は減少していく。60代ではLINEが4割近くを示しているものの、それ以外ではFacebookが1割程度でしかない。利用端末そのものの普及率の低さも一因だが、先行する記事にある通り高齢層ではデジタルにおけるコミュニケーションは電子メールが主流であり、ソーシャルメディアにはまだ手が及ばない。あるいは必要性を感じないのかもしれない。何しろコミュニケーションメディアは、自分だけでなく意思疎通をしたい相手も登録していないと、利用ができないのだから。それゆえにLINEの高い値は特異的。利用ハードルの低さが利用率の底上げに貢献しているのだろう。

なおGoogle+は年齢階層を問わず大よそ2割超、50代では3割強の値を計上している。報告書では特段解説は無いが、そして調査票では選択肢の表記に「※Googleでの検索やGmailとは別のサービス」との補足があるものの、なお「検索エンジンとしてのGoogleの利用」「Gmailの利用」と勘違いをしている人が少なからずいるものと考えられる。

他方、動画・写真系ソーシャルメディアになると、YouTubeの幅広い年齢階層における利用状況が見て取れる。40代までは8割超、50代でも2/3近く、60代でも3割強が利用している。豊富なコンテンツの実装に加え利用ハードルが低く、ブロードバンドでインターネットにアクセス可能な環境であれば、会員登録の必要すら無くほぼ利用できるのが強みではある。

ニコニコ動画は10代から20代の利用が多いが、30代でも2割近く、60代でも8%近くの利用状況が確認できる。オシャレ感の強い画像共有サービスInstagramは20代が利用のピークで5割強、10代や30代も3割強の利用率を示し、若年層に強いサービスの実情が把握できる。今回年から加わった、写真や動画などを個人やグループに送れる、そして送った相手が閲覧した後は再閲覧ができなくなる特殊な性質のサービスSnapchatは、20代で9.3%、30代以降はほとんどゼロとなっている。

1年間で伸びるソーシャルメディア、縮むソーシャルメディア


今調査項目は1年前の分、つまり2016年分の値も公開されており、1年間でどの程度利用率に変化が生じたのかを知ることができる。なおSnapchatは2017年から選択肢に加わっているため、前年比は存在しないことから、グラフには載っていない。

↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、前年比、年齢階層別、ppt)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、前年比、年齢階層別、ppt)(2017年)

↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、前年比、年齢階層別、ppt)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、前年比、年齢階層別、ppt)(2017年)

40代以降のLINEの成長ぶりが著しい。若年層の知人(特に親族)に導入をせがまれたパターンが多いのだろうか。また20代においてTwitterが大きく伸びているのも目に留まる。一方で20代から40代までのmixi離れも確認できる。

動画・写真系サービスではInstagramの成長ぶりが著しい。特に若年層に大きな動きがある(40代も大きく伸びているのは意外)。おしゃれ感覚で写真を披露できる場として、急速に普及しているようだ。ニコニコ動画は100代と50代、60代で増加しているが、20代と30代では減少。YouTubeとの対比も併せ、動画サイトの現状が数字で把握できる次第ではある。



今件調査結果からはLINEのさらなる浸透やTwitterの若年層への普及(最利用率は20代!)など、興味深い動きを多々見受けることができるが、これらの動きはここ数年のものであり、単年のイレギュラー的なものでは無い。来年はさらにこれらの動きが進み、日本国内におけるソーシャルメディアの勢力図も随分と変化した状況となるだろう。


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