LINE94.0%、Twitter45.3%…主要ソーシャルメディアなどの利用状況(最新)

2023/11/07 02:47

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2023-1030総務省では2023年6月23日に情報通信政策研究所の調査結果として、公式サイトで「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を発表した。その報告書などでは主要ソーシャルメディアの利用状況に関する報告も行われている。ウェブサービスの中では今一番利用され注目を集めているソーシャルメディアの、日本における浸透状況を推し量れる貴重なデータに違いなく、大いに注目すべき内容となっている。今回は今件の各値について確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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対話系ではLINEが1番、そしてTwitterが続く


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。

利用率を確認するのは主要ソーシャルメディア、具体的にはLINE、Twitter、Facebook、mixi、Mobage、GREEの計6サービス。加えて動画・写真系のソーシャルメディアであるYouTube、Instagram、TikTok、ニコニコ動画、Snapchat。LINEは厳密にはソーシャルメディアではなくコミュニケーションサービスだが、今件ではソーシャルメディアとして取り扱われている。

具体的サービス毎の利用状況は次の通り。LINEは若年層の利用率が圧倒的に高く、これが後押しする形で一般的な(コミュニケーション系)ソーシャルメディアでは最上位につくこととなった。

↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2022年)

LINEに次いで多いのはTwitter、そしてFacebookと海外発のソーシャルメディアが続く。かつて日本で一世を風靡したmixiだが、今調査の限りでは2.0%のみの利用率に収まっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアと似て非なるものなので、実質的には「国内利用率ナンバーワンのコミュニケーション系ソーシャルメディアはTwitter」となる。

他方、動画系のソーシャルメディアまで精査に含めれば、LINEと肩を並べているのがYouTube。全体の8割台後半が利用している。2018年から調査対象に加わったTikTokは28.4%。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。各層間の特性が表れており、興味深い結果が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2022年)

↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2022年)

まずはコミュニケーション系。LINEが全年齢階層で8割超え、特に10-50代では9割超えの値を示し、圧倒的な普及の実情が確認できる。60代ですら8割台後半がLINEを利用中。これらの値はインターネット利用者、携帯電話利用者限定ではなく、該当する属性全体比であることに注意が必要である。60代の人10人を集めれば、そのうち8人以上はLINEを利用している計算となる。

全年齢階層でTwitterがLINEに続き、Facebookがそれに続いている。かつて実名・実肖像主義のFacebookは日本では浸透しないのではないかとの話もあったが、この値を見る限りそれは単なる杞憂だったようだ。30代では半数近くの人がFacebookを利用していると答えている。Twitterは20代で8割近くが利用。

LINEとTwitterはいずれも20代が利用のピークで、それ以降年齢とともに利用率は減少していく。Facebookが30代をピークとしているのは、仕事で使う人が多いからだろうか。60代ではLINEが8割台後半を示しているものの、それ以外ではTwitterとFacebookが2割強。利用端末そのものの普及率の低さも一因だが、先行する記事にある通り高齢層ではデジタルにおけるコミュニケーションは電子メールが主流であり、ソーシャルメディアにはまだ手がおよばない。あるいは必要性を感じないのかもしれない。何しろコミュニケーションメディアは、自分だけでなく意思疎通をしたい相手も登録していないと、利用ができないのだから。それゆえにLINEの高い値は特異的。利用ハードルの低さが利用率の底上げに貢献しているのだろう。

動画・写真系ソーシャルメディアになると、YouTubeでのLINEのような幅広い年齢階層における利用状況が見て取れる。50代までは8割超、60代でも約2/3が利用している。豊富なコンテンツの実装に加え利用ハードルが低く、ブロードバンドでインターネットにアクセス可能な環境であれば、会員登録の必要すらなくほぼ利用できるのが強みではある。

ニコニコ動画は10-20代の利用が多いが、30代でも17.1%、60代でも7.7%の利用状況が確認できる。オシャレ感の強い画像共有サービスInstagramは20代が利用のピークで7割強、30代では6割強、40代でも半数近くの利用率を示し、若年層に強いサービスの実情が把握できる。モバイル向けの短い動画共有サービスTikTokは10代の利用が圧倒的に多くほぼ2/3、20代が5割近くだが、30代以降は3割に届かない。写真や動画などを個人やグループに送れる、そして送った相手が閲覧した後は再閲覧ができなくなる特殊な性質のサービスSnapchatは10代がピークの4.3%だが、40代以上は1%にも満たない。

1年間で伸びるソーシャルメディア、縮むソーシャルメディア


今調査項目は1年前の分、つまり2021年分の値も公開されており、1年間でどの程度利用率に変化が生じたのかを知ることができる。

↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比・前年比、年齢階層別、ppt)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比・前年比、年齢階層別、ppt)(2022年)

↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比・前年比、年齢階層別、ppt)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比・前年比、年齢階層別、ppt)(2022年)

50-60代のLINEや60代でのTwittwerの成長ぶりが著しい。一方でTwtterは10代で大きく落ち込むという気になる動きをしている。またFacebookは20代での落ち込み度合いが目にとまる。

動画・写真系サービスではニコニコ動画が10代で大きく伸びているのが特徴的。他方40代ではやや大きな落ち込み方。Instagramは若年層で落ち、壮齢層などで成長しているようだ。またTikTokが幅広い年齢階層で伸びているのが目立っている。



今件調査結果からはLINEのさらなる浸透やYouTubeの圧倒感、TikTokの急成長ぶりなど、興味深い動きを多々見受けることができるが、これらの動きはここ数年のものであり、単年のイレギュラー的なものではない。来年はさらにこれらの動きが進み、日本国内におけるソーシャルメディアの勢力図も随分と変化した状況となるだろう。


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