10代と40代以降で進むスマホシフト…モバイル端末利用率動向(最新)

2018/09/11 04:59

2018-0903日本の従来型携帯電話はインターネットへのアクセスが可能でビジュアル面も充実しており、マルチメディアフォンと呼ばれる面もあるほどの高機能ぶりを有していることから、その機能に満足してしまい、スマートフォンへの移行が他国と比べて遅れ気味だったものの、昨今では急速にシフトが進みつつある。新型機として市場に新規投入される機種の大部分がスマートフォンであることから、特に若年層のスマートフォン所有・使用率は年単位で大きく伸びていることが各調査でも判明している。今回は総務省が2018年7月27日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から、従来型携帯電話、スマートフォン、そして同じモバイル機としてタブレット型端末の合わせて3媒体における、所有・使用率の現状などを確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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すでに50代まではスマートフォンが上


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すグラフは年齢階層別の従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末の利用率。所有率ではないので、所有権を有する必要は無い(10代では特に利用していても自分の所有物で無い可能性がある)。

↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(2017年)
↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(2017年)

例えば20代ではスマートフォンと従来型携帯の回答値の合計が100%を超え107.0%となることから、双方端末を同時に利用している人が少なからずいることが分かる。利用スタイルとして使い分けているか、あるいは単に移行の過程にあるかは人それぞれだが、双方項目の年齢階層別の回答率を見るに、従来型携帯電話からスマートフォンへの移行が若年層から少しずつ起きていることが分かる。

全体ではスマートフォンと従来型の差異は55.2%ポイントの差が出ているが、10代から40代まではそれをはるかに超える圧倒的な差でスマートフォンの方が上。また50代ではまだ3人に1人、60代では2人に1人が従来型携帯電話を利用しているが、40代までは2割にも届かない。

スマートフォンの利用率は20代がピークで、以下歳を経るに連れて漸減。従来型携帯電話は10代が最少値で、それ以降は年齢とともに上昇していく。現時点では50代までがスマートフォンの方が上の年齢階層で、60代でようやく従来型携帯電話の方が上となる。

他方タブレット型端末だが、30代がピークの4割超を示しているが、携帯電話ほど年齢階層別の差異が出ていない。これは先行記事などで触れているが、個人所有の事例がさほどなく、世帯別での所有機として家族皆で使う事例が多々あり、年齢階層別の利用率の差が出にくいことが要因と考えられる。また全体値で従来型携帯電話の値を超えたのも、注目に値する。

1年間の変化をたどる


スマートフォンの急速な浸透ぶり、タブレット型端末の確実な普及の進展は他の調査でも多数の事例で確認できるが、今調査でもそれを裏付ける結果が出ている。次に示すグラフは、今件調査の前回年版、つまり2016年の状況の結果を確認し、今回の2017年分と比較して1年間でどこまで変わったかを算出したもの。例えば全体のスマートフォンの値はプラス9.1%ポイントとあるので、全体においては前年から9.1%ポイントもスマートフォンの利用率が上昇したことになる。

↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(前年比、ppt)(2017年)
↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(前年比、ppt)(2017年)

10代と40代以降でスマートフォンの大きな躍進と、従来型携帯電話の減少が確認できる。元々前回年の値が低く伸びしろが大きいのも一因だが、これらの層で1年間に1割ほどもの利用率上昇が生じたことになるのは大きな注目点に違いない。これらの層では確実に従来型携帯電話からスマートフォンへの利用のシフトが生じているものと考えられる。

タブレット型端末は20代で大きな増加、30代以降も一定の増加を計上。スマートフォンのような値にまでの普及は難しいかもしれないが、まだまだ伸びしろは大きいようだ。



従来型携帯電話よりもスマートフォンの利用率が極めて高い若年層と、まだ従来型がそれなりに利用されている高齢層という構造の、携帯電話の利用状況。家庭共用スタイルが多く年齢階層間格差があまり出ないタブレット型端末。若年層ではすでに飽和状態に近づき、中年層にシフトし、高齢層にも影響がおよび始めたスマートフォン化の波。携帯電話関連、モバイル系の他調査でかいま見られた動向が、ずばりそのまま明確化した形で現れる結果が出ている。

特に従来型携帯からスマートフォンへのシフト動向は貴重なデータで、今後スマートフォンの普及状況がどのような変化を見せるのかを推し量ることができる。今件の結果の限りでは、すでに50代まではスマートフォンの普及が進み(利用率が過半数)、従来型携帯電話とスマートフォンの立ち位置は逆転したが、60代(以降)のスマートフォンへのシフトは他年齢階層と比べればゆっくりな動きとなることが予想される。何しろ現状でまだ半数ほどが従来型携帯電話を利用している。

高齢層の利用スタイルを想像すれば、それは容易に納得ができるものであるし、何か技術的に劇的な変化がない限り、スマートフォンの利用率上昇そのものは継続するが、今後も従来型携帯電話の優位さが継続するのは容易に想像できよう。あるいはLINEのように、利用のためにはスマートフォンが事実上必要不可欠となるサービスが、高齢者のスマートフォンの利用率向上を後押しするのだろうか。


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