若者のコミュニケーションはソーシャルメディアが主流…意志疎通メディア利用状況を探る(2016年)(最新)

2016/09/06 12:31

自分の意志を特定少数、あるいは不特定多数に、即時、あるいは時間をおいて伝える手法をコミュニケーションと呼ぶが、各種メディアはそのために用いられることが多い。電話も手紙もインターネットのさまざまなサービスも、突き詰めれば自分の意志を誰かに伝えるための道具に他ならない。今回は総務省が2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を通じ、個人が意思発信のために用いるメディアの利用状況について、利用時間の観点から確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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固定電話はほとんど使われず、もっぱらデジタルコミュニケーションに


今調査に係わる調査要項などは先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのはコミュニケーションメディア、具体的には携帯電話(従来型、スマートフォン双方。通話)、固定電話(通話)、ネット通話(Skype、LINEなどの音声通話(ビデオ通話含む))、ソーシャルメディアの利用、電子メールの利用、計5種類のメディアの利用時間を示したもの。使わない人も利用時間をゼロとして、合算した上での平均利用時間なので、全体としての動向の把握が可能となる。つまり大よそ利用者の利用時間と利用されている度合いそのものを推し量ることができる。

↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2015年、分)
↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2015年、分)

緑系は直接音声によるもの、赤系はデジタル系のもので色を区分しているが、赤系統の棒がよく伸びており、全般的に音声を用いたコミュニケーションの時間より、デジタル系の方が長いことが分かる(今件調査はインターネット経由のものでは無いことに注意。デジタルギャップによる調査結果のぶれは生じない)。

音声通話のみで動向を調べると、10代から20代まではネット通話が多用されている。これはLINEなどによる無料の通話が多用されているからと考えられる。20代はわずかに固定電話が伸びているが、これは多分にイレギュラーだろう。30代以降はネット通話が落ち込み、携帯電話が優勢となる。60代に至っても固定電話はほとんど使われず、携帯電話の利用時間の方が長い。

デジタル系では全体においては電子メールの方が利用時間が長いものの、10代から20代に限ればソーシャルメディアの利用の方が長い。30代以降で一気に逆転の動きがある。以前別調査を基にした精査記事【やりとりは携帯電話メインで…小中高校生のメール利用状況をグラフ化してみる(2014年)(最新)】でも解説した通り、若年層におけるデジタルコミュニケーションは、電子メールよりもソーシャルメディアが主流であることが、今調査結果からも明らかなものとなっている。もっとも30代以降になるとソーシャルメディアの利用時間は大きく減退し、電子メールによるコミュニケーションがまだまだ主流であることも事実には違いない。

1年間で大きく変動するコミュニケーションのルート


同じような条件下で行われた前年分、つまり2014年分調査の結果と見比べ、その動きを算出した結果が次のグラフ。マイナスはそれだけそのメディアが使われなくなったことを意味する。

↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2014年から2015年への変移、分)
↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2014年から2015年への変移、分)

中堅層までで電子メールの利用が大きく増加し、一方で携帯電話(通話)の利用も増えている。デジタル系の利用はほとんど増えておらず、むしろ20代から30代でソーシャルメディアが大きく減っている。

ソーシャルメディアによる意思疎通は利用ハードルが低く非常に便利で、気軽に、ほぼリアルタイムに行えるのが特徴。それゆえに、あたかも常に自分の目の前に相手がいるかのような錯覚を覚え、素早い対応が無いと不安になり、受け手側は迅速な返事の強迫観念すら認識しかねない。ソーシャルメディアを利用していく中で、密接し過ぎる関係から距離を置く傾向があるとの報告がいくつか見受けられるが(いわゆる「●×疲れ」)、その動きが生じているのかもしれない。同時に音声通話の利用が増えているのは興味深い。

他方、中堅層より年上の層はほとんど変化なし。40代でソーシャルメディアの利用が増加する動きはあるが、それ以外はほぼ横ばい、むしろ減少する気配すら見受けられる。

単年の各メディアの利用状況の比較としては、「若年層がソーシャルメディア主流、中堅層以降は電子メールがメイン」「固定も携帯も音声通話はほとんど使われない」に変わりは無いものの、年次変化にも注目すべきかもしれない。


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