20代でも新聞は1割も読んでいない…主要メディアの利用状況をグラフ化してみる(最新)

2018/09/08 05:03

2018-0827メディアの進化が加速的なスピードで進む昨今、年齢階層間のメディアギャップが問題視され、注目を集めている。身体的な能力の変化によるところもあるが、シニアと若年層との間の利用メディアの差は非常に大きく、いわゆる世代間格差(ジェネレーションギャップ)は社会問題化にすらなりつつある。今回は、総務省が2018年7月27日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の内容を基に、年齢階層別の主要メディアの利用状況を行為者率の視点から確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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平日と休日、年齢階層別主要メディアの利用状況


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。次に示すのは主要メディア(雑誌は欠けているが)の年齢階層別平均行為者率を示したもの。「行為者率」とは該当する仕切りの期日、今件の場合は1日単位でその行為をした人の割合を示す。いわば利用者率である。例えば平日・テレビ(生放送)・10代の値は60.4%とあるので、10代で平日1日にテレビを連続で10分以上(調査用紙に「10分以上利用した場合は」、との記述がある)した人は60.4%いることになる。

↑ 主要メディアの平均行為者率(平日)(2017年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(平日)(2017年)

↑ 主要メディアの平均行為者率(休日)(2017年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(休日)(2017年)

平日の動向を見ると、利用者率そのものはテレビ(生)が一番多く、インターネットがそれを追い、新聞が続く形。そしてテレビは生放送では高齢層ほ行為者率が高く、録画はどの年齢階層もほぼ同率。インターネットは20代がピークだが、50代までは3/4超を維持する。一方で新聞やラジオの年齢階層間格差は大きい。新聞行為者率は10代で3.6%、20代でも7.4%に留まるが、60代では59.9%と6割近く。

よく論争の的になるインターネットとテレビだが、10代から40代まではインターネットの方が利用者率は高く、それ以降はテレビ(生)の方が高い。50代以降は大きな差が出る形でテレビ行為者率が優勢となる。利用した人それぞれがどのぐらいの長さで利用したかはまた別問題だが、少なくとも利用した・しないの区切りでもこれだけはっきりとした、年齢階層別のメディアギャップが見て取れる。

休日も基本的なメディア間・年齢階層別の動向に違いは無い。プライベートな時間を取れる機会が増えることから、それぞれの行為者率が底上げされている感はある。特にテレビ(録画)は大きく増加しており、平日に録画した番組を休日にまとめて観賞するスタイルが透けて見える。他方、新聞やラジオでは平日と大きな差が出ないのは、定期購読をしていない・ラジオそのものを持っていなければ、そもそも聞くことも無いからなのだろう。

休日と平日の差をチェック


生活リズムや各種メディアの利用状況において、平日と休日では過ごし方、時間の消費方法は随分と異なる。そこで休日値における平日との差異を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均行為者率(休日値の平日値との差異、ppt)(2017年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(休日値の平日値との差異、ppt)(2017年)

ラジオは休日の方が利用率が低い。これは平日では自宅などで家事などをしながら、あるいは自動車を運転しながら聴いている人が多いが、休日はそれほど「ながら聴取」をする場面は無いことを意味する。またテレビ(録画)が平日と比べて高いが、これは平日録画した番組を、休日の時間がある時にまとめて視聴するライフスタイルをとっていることの表れとなる。

テレビも生放送の利用率は休日の方が高めの値が出ているが、若年層がやや高めで、それ以外はさほど大きな変化は無い。この年齢階層向けに、日曜限定でリアルタイムで観たい番組があるのだろう(例えばニチアサ)。

前年比の算出をしてみると


最後に示すのは前年分、2016年調査分の結果との差異を算出したもの。

↑ 主要メディアの平均行為者率(平日、前年比、ppt)(2017年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(平日、前年比、ppt)(2017年)

テレビ(生)は40代までで減少、50代以降は増加。録画もほぼ同様の動きを示しており、若年層から中年層までのテレビ離れ的な減少が起きている。他方、インターネットは年齢を問わずに増加しているが、特に10代と40代以降が大きな動き。

意外なのはラジオの動向。50代でわずかな増加だが、それ以外は押しなべて減少。元々が小さな値だったため、比率としては大きな減少度合いとなる。



今件調査は2012年分から今回発表された2017年分の6回分のみ。経年変化を精査するのにはややデータが足りない。単年の動向を推し量るのには十分すぎる、貴重な値が多数盛り込まれているだけに、その変化も非常に気になるところではある。次年分まで継続調査が行われれば都合7年分となるため、より精度の高い傾向が確認できるだろう。

メディアとの接触、利用率や利用時間は、個々の世代におけるメディアへのスタンスを推測できる、重要なデータに他ならない。特にメディア関連の技術が著しいスピードで進歩し、普及している昨今では、その変化は他のさまざまな社会事象を検証する上で非常に役立つものとなる。今件調査の継続を願い、その結果発表に期待したいところだ。


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