20代でも新聞は約1割しか読んでいない…主要メディアの利用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/09/05 11:28

メディアの進化が加速的なスピードで進む昨今、世代間のメディアギャップが問題視され、注目を集めている。身体的な能力の変化によるところもあるが、シニアと若年層との間の利用メディアの差は非常に大きく、いわゆる世代間格差(ジェネレーションギャップ)は社会問題化にすらなりつつある。今回は、総務省が2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の内容を基に、年齢階層別の主要メディアの利用状況を行為者率の視点から確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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平日と休日、年齢階層別主要メディアの利用状況


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。次に示すのは主要メディア(雑誌は欠けているが)の年齢階層別平均行為者率を示したもの。「行為者率」とは該当する仕切りの期日、今件の場合は1日単位でその行為をした人の割合を示す。いわば利用者率である。例えば平日・テレビ(生放送)・10代の値は75.9%とあるので、10代で平日1日にテレビを連続で10分以上(調査用紙に「10分以上利用した場合は」、との記述がある)した人は75.9%居ることになる。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、平日)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、平日)

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日)

利用者率そのものはテレビが一番多く、(インター)ネットがそれを追い、新聞が続く形。そしてテレビは生放送ではシニア層ほど利用者が多く、録画はどの世代もほぼ同率。ネットは20代がピークだが、50代までは2/3超を維持する。一方で新聞やラジオの世代間格差は大きい。特に新聞は10代で2.9%、20代でも10.3%でしかないが、60代では62.0%にまで達している。

良く論争の的になるネットとテレビだが、10代から30代まではネットの方が利用者率は高く、それ以降はテレビの方が高い。40代はテレビとネットはほぼ同率だが、50代以降は大きな差が出る形でテレビ行為者率が優勢となる。利用した人それぞれがどの位の長さで利用したかはまた別問題だが、少なくとも利用した・しないの区切りでもこれだけはっきりとした、世代別のメディアギャップが見て取れる。

休日と平日の差をチェック


生活リズムや各種メディアの利用状況において、平日と休日では過ごし方、時間の消費方法は随分と異なる。そこで休日値における平日との差異を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日値の平日との差異、ppt)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日値の平日との差異、ppt)

ラジオは休日の方が利用率が低い。これは平日では自宅などで家事などをしながら、あるいは自動車を運転しながら聴いている人が多いが、休日はそれほど「ながら聴取」をする場面は無いことを意味する。またテレビ(録画)が平日と比べて高めだが、これは平日録画した番組を、休日の時間がある時にまとめて視聴するライフスタイルをとっていることの表れとなる。

テレビも生放送の利用率は休日の方が高めだが、若年層がやや高めで、それ以外はさほど大きな変化はない。この年齢階層向けに、日曜限定でリアルタイムにて観たい番組があるのだろう(例えばニチアサ)。新聞も休日の方が読まれているのは、日曜版の存在や、朝食時に時間の余裕ができるからだと考えられる。

前年比の算出をしてみると


最後に示すのは前年分、2014年調査分の結果との差異を算出したもの。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、2014年との差異、平日、ppt)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、2014年との差異、平日、ppt)

テレビの生放送は中堅層で減退する一方、若年層と高齢層で大幅に増加し、差し引きで全体では増加。インターネットは大よそ増加、特に40代の伸びが著しい。他方新聞は60代以外は概ね減少。全体的な新聞離れが見て取れる。ラジオは若年層は増加し高齢層は減少しているが、この動きはそのまま各年齢階層の平均利用時間に連動していることも合わせ、ラジオにとってのお得意様的存在である、高齢者のラジオ離れを懸念させるものではある。



今件調査は2012年分から今回発表された2015年分の4回分のみでしかなく、経年変化を精査するのにはややデータが足りない。単年の動向を推し量るのには十分すぎる、貴重な値が多数盛り込まれているだけに、その変化も非常に気になるところではある。次年分まで継続調査が行われれば都合5年分となるため、ある程度の傾向が確認できるだろう。

メディアとの接触、利用率や利用時間は、個々の世代におけるメディアへのスタンスを推測できる、重要なデータに他ならない。特にメディア周りの技術が著しいスピードで進歩し、普及している昨今では、その変化は他のさまざまな社会事象を検証する上で非常に役立つものとなる。今件調査の継続を願い、その結果発表に期待したいところだ。


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