テレビは高齢者、インターネットは若年層…主要メディアの利用時間をグラフ化してみる(最新)

2018/09/07 04:45

2018-0827総務省は2018年7月27日に情報通信政策研究所の調査結果として「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を発表した。今回はその内容から、主要メディア、具体的にはテレビ(生放送)・テレビ(録画番組の再生)、インターネット、新聞、ラジオの5種類に関する視聴時間の現状を精査することにする。普段からよく見聞きしている「若者のテレビ離れ」「高齢者はインターネットが苦手」の実情を、利用時間から確認する次第である(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

スポンサードリンク


10代と60代ではテレビの生放送の視聴時間が3.45倍も違う


今調査は2017年11月11日から17日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13-19歳を意味する。

次に示すのは調査対象母集団および各年齢階層における、主要5メディア(テレビは視聴スタイル別だが)の1日あたりの平均利用時間。例えば10代のテレビ(生)は73.3分と出ているので、テレビを観ていない人も合わせ10代は平日にテレビを平均1時間13分ほど観ている計算になる。またインターネットは回線をつないでいる時間では無く、実際に利用行動を行った時間。他方利用端末はパソコンに限らず、スマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末、さらにはインターネット接続ができるテレビによる関連サービスの利用も含まれる。

なお「ながら行動」についてだが回答用紙の限りでは「連続して10分以上行った場合は該当」とのみ読み取れ、重複行動はそれぞれ行動したと記録する様式となっている。例えばテレビを観ながら新聞を読む時間帯があった場合、テレビと新聞それぞれに加算されることになる。

↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、分)(2017年)
↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、分)(2017年)

全体平均ではテレビのリアルタイム観賞が約159分、録画観賞が17分ほど、合わせて約3時間。インターネットが100分ほど、新聞やラジオはそれぞれ10分強となる。メディア関連の調査の常の通り、年齢階層別で大きな差異が生じているのはグラフの形状を見れば一目瞭然。

「若者のテレビ離れ」のフレーズの通り、テレビ観賞時間は概して若年層ほど短く、高齢層になるほど長くなる。特に60代は長めで、1日平均252.9分。4時間強もテレビを観ている。一方インターネットは20代の利用時間が一番長く2時間半強。以後利用時間は減り、60代になると40分近くに留まってしまう。

新聞の購読者、ラジオの聴取者の減少はよく知られるところではあるが、10代では双方とも1日平均で5分も消費されていない。20代も同じようなもので、40代でようやくラジオは10分を超える程度。60代で新聞もラジオも1日あたり20分前後の時間が費やされることになる。

興味深いのはテレビの録画放送の観賞時間。10代から30代はやや短めだが、40代以降でも20分前後の観賞時間に留まっている。見方を変えれば年齢階層による差異がそれほど大きくは無い。スマートテレビ、HDDプレイヤーの普及によりテレビ番組の録画再生が容易となり、年齢階層を超えて利用されている雰囲気ではある。

テレビ離れとネットへの密着化


続いて前回調査、つまり2016年時点での状況を確認し、今回発表分となる2017年分との差を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、前年比、分)(2017年)
↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、前年比、分)(2017年)

ざっと見で目に留まるのは、テレビが生も録画再生も大きく減っていること。特に若年層のテレビ(生)の減少分が非常に大きい。また30代から40代にかけてラジオの時間も減っており、電波系従来型メディアから距離を置いているようにも見える。

他方インターネットは20代から40代で増加しているが、50代と60代では減少。50代と60代では50代でテレビ(生)が大幅増、テレビ(録画)がわずかだが増加しているなど、時代の流れと逆行する動きを示しているのも興味深い。あくまでも2016年から2017年にわたる1年間の流れではあるが、40代までと50代以降との間に、メディアに対するギャップが生じているようでもある。

大きな減少を示しているテレビ(生)の動向だが、記録を取得可能な過去6年間の動きを見る限りでは、予定調和としてはやや大きな減少のようにも感じられる。また50代の増加はイレギュラーの可能性が高い。

↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、テレビ(生)、分)
↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、1日あたり、テレビ(生)、分)

大よそは若年層では減少傾向、40代以降は横ばいかむしろ微増の動きを示していると解釈できるのだが。



2017年の時点では10代から20代でインターネットの利用時間がテレビ(生放送)を抜いている。つまり「20代以下においてはテレビ<<インターネットの時代」である。多分にスマートフォンの普及浸透によるところが大きく、この傾向は今後も続くものと考えられる(今件は各年齢階層毎の平均値であり、該当メディアを利用していない=利用時間ゼロの人も含めているため、普及率が高いほど平均値も底上げされる)。

スマートフォンの普及がさらに進めば、将来は30代においてもテレビの利用時間をインターネットが抜くようになるかもしれない。


■関連記事:
【今や1日7時間…アメリカにおける「子供とデジタル系メディアとの付き合い方」に関する提
言】

【テレビは一日約2時間…小学生のメディアとの関係をグラフ化してみる】
【新聞読まない約5割、テレビは2時間以上視聴が2割近く…高校生のメディア接触時間を探る】
【スマホなどで1/4超え、パソコン減少中だがその分をタブレット型端末が補完…メディア接触時間推移(経年変化)(最新)】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー