ほんの少し上昇に…野村證券、2014年4月分の個人投資家動向発表

2014/04/18 14:30

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門「グローバル・リサーチ本部」は2014年4月17日、個人投資家の投資動向アンケート調査結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版となる2014年4月分を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に問い合わせた「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じて小幅ながらも上昇、28.8を示す結果となった。株価の先行きに対しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月から増えたが、小幅下落の意見も増え、大幅上昇・下落が減り、小康状態の様相を呈している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年4月7日から4月8日に行われたもので、男女比は81.5対18.5。年齢層は60代以上がもっとも多く32.6%、次いで50代が30.2%、40代が25.7%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く29.6%、500万円-1000万円が19.4%、5000万円以上が11.7%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く28.3%を占めている。次いで20年以上が29.1%、5年から10年未満が27.7%。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で44.1%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が22.7%と2割強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(ほぼ2/3)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。
  • 投資指数は28.8ポイント。前回からは3.2ポイントの上昇。ようやく前月比プラスに転じたものの、まだまだ低い水準には違いない。

  • 3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で64.4%。前月分の62.8%からは1.6%ポイントと小幅の増加。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から変わりなく、プラス4.8%ポイントの上昇を見せた。「1000円程度の下落」を見込む声も増えたが、それ以外は減少がほとんど。相場観は大きな動きが無く、均衡あるいはもみ合いの状態にあると予想されている。

  • 市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップについたものの、前月からは9.8%ポイントのマイナス。ウクライナ情勢は設問時には小康状態にあり、これがプラスに作用したようだ。他方「国内企業業績」を挙げる声は前月比でプラス4.3%ポイント。大手企業の決算発表前という環境で、投資対象を見極めるために重要視された模様。

  • 魅力的な業種は「資本財・その他」「自動車」「医薬品」「素材」「金融」の順。「通信」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」「消費」はマイナス。上位陣は大きな変化はない。一方で消費税改定に伴う消費性向悪化懸念を反映し、「消費」は先月からさらに下落、マイナス26.4にまで低下している。

  • ドル円相場に対する見通しは、やや円高方向へ傾倒。ただし変動幅の大きな動きを予想する意見は減っている。

  • ・通貨への投資魅力は「アメリカドル」がトップに。次いで「オーストラリアドル」「日本円」が続く。為替変動を受けて「日本円」の立ち位置が多少後退した形。なお「中国元」のマイナス値の高さ(マイナス55.1)は相変わらずで、前月から0.8%ポイントも悪化している。

  • もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から不動で、DI値にも大きな変化は無し。安定した期待を受けているようだ。一方で「なし」の値は先月から変わらず、DI値も唯一マイナス。投資先はともかく、投資熱そのものは醒めていないようだ。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、今月も先月から継続してトヨタ自動車(7203)がトップに。魅力的な業種でも「自動車」が引き続き上位にポジションを構え、トヨタへの回答数も他銘柄と比べてケタ違いに多い。かつての圧倒的な力をイメージしたのか、回答者世代がややシニアに偏っていることもあり、同社のの人気は相変わらず。
  • 1位……トヨタ自動車(7203)

  • 2位……ソフトバンク(9984)

  • 3位……武田薬品工業(4502)

  • 4位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

  • 5位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
元資料では上位31位までリストアップされている。今記事では上位5位のみの抽出とした。その限りではトヨタのトップはほぼ鉄板、ソフトバンクもこの数か月では上位陣の位置をキープし続けている。武田薬品工業も先月から続き3位のまま。また今回月では4位と5位に相次ぎ金融系の銘柄が収まっており、この方面に熱い視線が注がれているのが分かる。実際、魅力的な業種としての「金融」のDI値は、前回のマイナスからプラスに転じており、上位銘柄の動向も納得がいく。一方で「消費」DI値は消費税改定関連で大きくマイナスに振れているものの、イオンが8位に位置付けているのは興味深い。



今回計測月ではウクライナ情勢が小康状態にあったことから各種値もやや好転したものの、現在はさらに状況を悪化させる事態に陥っており、投資家のマインドもさらに冷える可能性はある。一方、「国内企業業績」が大きくプラス化する中で、消費税改定による影響が懸念されるが、少なくとも発表該当期はまだ数字に反映されておらず(次期予想には盛り込まれるだろうが)、プラスの流れが期待できる。

ただし中国やアメリカといった他国の経済状況への不安要素は高まりを見せており、これが市場への参加意欲に水を差す可能性は否定できない。さらに景気ウォッチャーなど各種指標の4月以降の軟調化も、投資家のマインドを冷やす可能性はある。

先月も言及したが、6月から夏位までの間は、国内事情はネガティブ、国際情勢は予想が非常に立てにくい状況で時が流れていくことになる。投資への発想も守りの姿勢が色濃くにじみ出る形となろう。


■関連記事:
【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)
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