新社会人への「つうこんのいちげき」となる言葉とは!?(2017年)(最新)

2017/05/11 05:13

ソニー生命保険は2017年5月9日、新社会人に対する意識調査結果を発表した。それによればこの春就職する(した)、または就職してから1年が経過した人から成る調査対象母集団にとって「先輩社会人から言われたらやる気が奪われてしまう」という言葉の最上位には「この仕事向いてないんじゃない?」がついた。4割近くの人が同意を示している。次いで「やる気ある?」「ゆとり世代だなあ」が続いている(【発表リリース:社会人1年目と2年目の意識調査2017】)。

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今調査は2017年3月27日から4月5日にかけて、「今春就職した社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対して携帯電話経由のインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。

企業などに就職すれば、大抵において先輩・上司と共に就業時間を過ごすことになる。学生時代にそれなりの訓練、事前学習をしていたとしても、社会人として勤めてからはじめて知ったこと、慣れないことも多く、あらゆることに手間取り、ミスをしてしまうことも少なくない。また教わった事柄を一度で完全に習得・体得できるはずも無く、同じ間違いを繰り返すかもしれない。むしろそのような失敗も含めた経験を経て、企業が求める人材として成長していくものである。

しかしそのような場面において、先輩達からキツイお小言を受けることも当然ある。それらお小言的な言い回しの中でも、理不尽な内容、または理解はしていても「そんな言い方は無いだろう」とばかりに、モチベーションを削られる、やる気を奪われてしまう、ある意味「魔法の呪文」的な言い回しは多数存在する。そのようなダークな力を秘めていると思われる言葉を列挙し、「自分ならばこんな言葉をかけられたら、やる気が減退する」と思うものを3つまで挙げてもらった結果が次のグラフ。ほぼ同じ条件で2014年と2015年も調査が実施されているため、その結果を併記している(順位は2017年の回答値順)。

↑ 先輩社会人に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフは(複数回答で3つまで)(上位陣)
↑ 先輩社会人に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフは(複数回答で3つまで)(上位陣)

最上位、つまりもっとも多くの人が「これを先輩社会人から言われたら凹む」と同意を示したのは「この仕事向いてないんじゃない?」。38.9%と4割近い値を示している。仕事の成果がうまく出せない、作業でもたつく、さらにはミスをしてしまった時に、このような言葉をかけられると、追い打ちをかけられた気分になり、やる気を失ってしまうというもの。たとえ声をかけた先輩側が深い考えを持っていない、さらには「奮闘すべく発破をかけた」と自覚し意図的にやったのだとしても、その通りに行く、新社会人が認識することは多くない。仕事に関しては絶対的権威と経験を持つ人からの言葉であるからこそ、なおさら心の痛手は大きい。

「この仕事向いてないんじゃない?」と似たような言い回しとしては「やる気ある?」も該当する。多分に新社会人側の人格そのもの、少なくとも仕事面における本人そのものを否定するような、自らの誠意や努力そのものを無下にするニュアンスにとらえてしまう。

レッテル貼りまた、自分個人にではなく、属する世代全体にレッテルを貼る形で酷評する「ゆとり世代だなぁ」「私が若いころは●●だったのに」「学生気分が抜けてないんじゃない?」のようなセリフも、モチベーションを下げやすい。自分自身の具体的な問題点の指摘ならまだしも、所属属性全体で云々と酷評されてしまっては、反論のしようもないからだ。さらには「自分を個人としてでは無く、世代・属性全体の一部としてしかとらえてない」と、個人の否定としてすら認識してしまうかもしれない。

また、価値観の相違を先輩側の絶対真理として押し付けるような、いわば理不尽な指導的言い回し「そんなことは常識でしょ」「空気読もうね」「言い訳はするな!」「社会ってそういうものだから」あたりも新社会人のやる気を削ぎやすい。

前年からの変化を見ると、順位も含めほとんど変わりがない。上下動向はほぼ誤差の範囲。ただ「社会ってそういうものだから」「言い訳はするな!」が年々増加している値動きを見ると、理由を告げずに押し付けられることへの反発心が強まっている感はある。

直近年分につき、男女別に見たのが次のグラフ。概して女性の方が高い値を示している。

↑ 先輩社会人に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフは(複数回答で3つまで)(2017年、男女別)(上位陣)
↑ 先輩社会人に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフは(複数回答で3つまで)(2017年、男女別)(上位陣)

回答数は3つまでだが下位層の動向が不明なため、女性の方が単に気にしているセリフが多いのか、それとも上位陣に集中しているのかは分からないが、女性の方が先輩諸氏からの言葉に傷つきやすい、理不尽さを覚える場合が多いようではある。また、性別で区別されることへの失望感は女性の方が大きいようだ。もっともこれは、男性が「男だから仕方がない」と言われる機会そのものが少ないのが要因かもしれない。

また「社会ってそういうものだから」「言い訳はするな!」は男性の方が高い値だが、いずれも全体としては経年変化で増加の動きにあることも気になるところだ。



これらの言葉は得てしてケースバイケースで、(一部を除けば)一律で否定するのも問題。とはいえ、その多くは新社会人に理解納得してもらい知識や経験として会得して欲しいとの想いから発せられる「叱り」ではなく、単なる「怒り」あるいは「嘲笑」的な意味合いが強い。さらには先輩側における自分の優越感を充足する意味を(無意識のうちに)含んでいるかもしれない。それらは決して指導では無く、単なる先輩らの憂さ晴らし的なものとなってしまい、新社会人には何らプラスとならないどころかマイナスの影響すら与えうる。

なかなか上手くいかずに、なぜこうなるのか、それを理解した上で行程を覚えて失敗しないようにしたい実務に関して、先輩から「そんなことは常識でしょ」さらには「社会ってそういうものだから」と指導されたら、どのような想いを抱くだろうか。

社会人の先輩諸氏は、くれぐれも配慮をしてほしいものである。


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