コーヒー飲料の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)

2016/03/20 11:57

先に【コーヒーが伸びて牛乳が心配だ…単身・二人以上世帯での各種飲料利用動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)】において、総務省統計局の【家計調査(家計収支編)調査結果】を基に各種飲料の利用動向を確認した際、コーヒー飲料の購入性向が伸びていることを確認した。それについて缶コーヒーによるものでは無く、大手コンビニが相次ぎ本格導入しているドリップコーヒー(カウンターコーヒー)による影響の可能性が高いとの示唆をした。残念ながら家計調査では対象がコンビニのカウンターコーヒーと断言することは不可能だが、2014年発表の家計調査(2013年分)の追加報告書でも、コーヒー飲料の伸びはコンビニのカウンターコーヒーが影響している可能性が大であるとの指摘が成されている(【「コーヒー飲料」の支出増加、やっぱりコンビニコーヒーか......!?】)。そこで今回はコーヒー飲料に焦点を絞り、その動きをさらに精査していくことにする。

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おさらいとして家計調査(家計収支編)における「コーヒー飲料」の定義を確認する。【家計調査 収支項目分類 収支項目分類及びその内容例示(平成27年(2015年)1月改定)】では「液体のみ。濃縮液も含む。コーヒー牛乳は含まない」とある。つまり、粉系コーヒー以外のものは、自動販売機、駅、車内売りまで含めることになる。当然今回注目している、コンビニ店内でのカウンターコーヒーも該当する。

さてコーヒー飲料の購入動向だが、月次のデータは二人以上世帯しか収録されていない。そこでまずは二人以上世帯における、コーヒー飲料の購入動向について頻度と金額の双方から見ていくことにする。また、コーヒーそのものの人気によってコーヒー飲料が今までより多く飲まれるようになった可能性もあるので、合わせて「コーヒー」そのもの(粉、顆粒、粉末、固体のもの限定)も合わせて動きを見ていくことにする。

↑ コーヒーとコーヒー飲料の購入頻度(月次、100世帯あたり)(二人以上世帯)
↑ コーヒーとコーヒー飲料の購入頻度(月次、100世帯あたり)(二人以上世帯)

↑ コーヒーとコーヒー飲料の購入頻度(前年同月比)(二人以上世帯)
↑ コーヒーとコーヒー飲料の購入頻度(前年同月比)(二人以上世帯)

↑ コーヒーとコーヒー飲料の支出金額(月次、円)(二人以上世帯)
↑ コーヒーとコーヒー飲料の支出金額(月次、円)(二人以上世帯)

↑ コーヒーとコーヒー飲料の支出金額(前年同月比)(二人以上世帯)
↑ コーヒーとコーヒー飲料の支出金額(前年同月比)(二人以上世帯)

購入頻度・支出金額共に、「コーヒー飲料」は8月をピークとし、「コーヒー」は12月から翌年の3月に高い値を示す。前者がアイスコーヒー、後者がホットコーヒーとして良く飲まれている実情が確認できる。そして「コーヒー飲料」の方がピーク時の伸び率は著しい。

前年同月比の動向を見ると、2013年中盤以降、「コーヒー飲料」は概して購入頻度の点でプラスを維持したままの動きにトレンドを変えている。マイナスの値を示すことがあっても5%未満であり、前年同月の反動によるところが大きいことを考えれば、そして2014年の夏は事実上の冷夏が生じていたことを思い返せば、誤差範囲内の動きではある。

この動きは購入金額の点でさらに顕著で、「コーヒー」自身はプラスマイナスゼロ付近を行き来していわば「もみ合い」の状態なのに対し、「コーヒー飲料」はやや軟調に推移していたものの、2013年中盤以降は概して堅調な動き(プラス領域での値動き)を示している。2014年の上げ幅縮小も購入頻度同様に反動と冷夏の影響。

ともあれ、「コーヒー」と「コーヒー飲料」の動きは一致していない。よって単純にコーヒー全体にブームが起きているわけでは無いことが分かる。そして購入頻度・額共に増加していることから、「コーヒー飲料」が以前よりも足しげく買われ、その購入機会のたびに一定額が支払われ購入されていることが把握できる。単純に支払い金額のみの上昇ならば、単価の上昇や消費税率引き上げの影響も否定できないが、購入頻度も同時に上がっている以上、利用者の増加などによる消費の拡大と見る方が自然ではある。

また「単身・二人以上世帯での各種飲料利用動向」でも触れたが、特に二人以上世帯において、コンビニのカウンターコーヒーの浸透に伴い、コーヒーの飲用機会が増えたことから、その常習化に伴いコーヒーそのものの引用も促進された可能性は高い。

二人以上世帯と単身世帯、どちらが買っているか


気になるのは、単身世帯と二人以上世帯、どちらがより「コーヒー飲料」を買っているか。これに関しては上記の通り月次データは無く、四半期の動向でしか推し量れない。当然、いくぶん荒い動きになるが、それでも推測するのには足りるグラフを生成することは可能。なお、今件が単純なコーヒーブームの到来による上昇で無いこと、逆に「コーヒー飲料」が「コーヒー」の需要を底上げしている可能性があることはすでに上記で説明が足りるので、「コーヒー」そのものについては検証しない。なお「Q」は四半期を意味する。「Q1」ならば第1四半期となる。

↑ コーヒー飲料の購入頻度(四半期単位、100世帯あたり)
↑ コーヒー飲料の購入頻度(四半期単位、100世帯あたり)

↑ コーヒー飲料の購入頻度(前年同期比)
↑ コーヒー飲料の購入頻度(前年同期比)

↑ コーヒー飲料の支出金額(四半期単位、円)
↑ コーヒー飲料の支出金額(四半期単位、円)

↑ コーヒー飲料の支出金額(前年同期比)
↑ コーヒー飲料の支出金額(前年同期比)

購入頻度・支出金額の動向を見れば分かる通り、単身世帯は「コーヒー飲料」について、年を通して購入しているが、「二人以上世帯」では夏場、特にQ3(7月から9月の夏場)にかけて大きく消費を拡大している。上記にある通り、涼を得るためにアイスコーヒーの需要が伸びているものと考えられる。

コーヒー飲料が明らかに上向きを示したのは2013年後半期。その時期に注目すると、購入頻度では元々高めの単身世帯はボックス圏内で推移しているようだが、二人以上世帯はピーク時の増加タイミングそのものは変わらず、全体的に、そして確実に増加を果たしているのが分かる。ピークとなるQ3、そして閑散期となるQ1(1月から3月の冬場)の値が、2013年以降は大きく跳ねているのが確認できる。

この傾向は支出金額の動向でも変わらない。単身世帯の支出金額はほぼ横ばいだが、二人以上世帯は確実に波打ちながらの増加傾向にある。イートインコーナーの新設や拡充、コーヒーと合う多様なスイーツ群の展開、さらにはコーヒー自身の種類が増え、そして一部コンビニにおける価格引き下げに伴い、親子での買い物のついで買いアイテムとして認知され始まったのかもしれない。

直近の2015年においても、相変わらず世帯単位では単身世帯の方が「コーヒー飲料」は購入頻度・支出金額共に上にある。しかし今後コンビニがさらなる夫婦世帯の取り込みを画策し、その成果が出れば、特に夏場における「コーヒー飲料」の業績は大きな変化を遂げることだろう。一方で冬場における二人以上世帯の減退をいかに抑えるかが課題となるのは言うまでも無い。



本文でも言及しているが、「コーヒー飲料」の項目はコンビニのカウンター提供によるコーヒーだけで構成されているわけでは無いので、一連の上昇がすべてコンビニのカウンターコーヒーによるものとは断言できない。しかしながら周辺環境の変化をも合わせて想像すれば、多大な影響を与えていると考えるのが妥当ではある。

今後これらの値がどのような動きを示していくのか。特に大手コンビニではこれまで以上に、コーヒーとの相性の良い商品開発に熱を入れており、現時点では大手3社は少しずつベクトルに違いを見せながらも、カウンタードーナツの販売に並々ならぬリソースを割り振っている。引き続き注意深く見守りたいところだ。


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