1.2%ポイント前年同期から改善…大学生の2014年1月末時点での就職内定率は82.9%に

2014/03/19 11:00

厚生労働省は2014年3月18日、2013年度(2013年4月1日から2014年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。発表資料によれば2014年2月1日(1月末)時点の大学卒業予定者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定取得者の割合)は82.9%となり、昨年同時期と比べ1.2%ポイントの改善が見られた(【発表リリース(平成25年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同日発表された【平成25年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ】によれば、高校新卒者の就職(内定)率は90.7%となり、昨年同期から2.4%ポイントの増加(改善)を示している。

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国公立と短期大学以外は改善した就職内定率


公表された調査結果によると、2014年2月1日時点で大学の就職内定率は82.9%に達し、前年同期の81.7%と比べて1.2%ポイントのプラスとなった。つまりそれだけ同じ時期における内定状況が改善されたことになる。

↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年1月末時点と2013年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年1月末時点と2013年同時期)

短期大学の就職(内定)率は大学や高専と比較して低めに出てしまう。今回調査時点の内定率もそれに習う形で、大きな差が生じている。前年同期と比べると減少した学校はこの短大と国公立大のみ。短大は前年同期では非常に大きな上昇(66.9%から78.6%と、11.7%ポイントもの伸び)を示したため、その反動も多分にあるのだろう。

前年同期からさらに伸びる形で、就職率が最も高いのは高等専門学校。現時点では100%が内定状態にある(無論これは統計上、調査対象母集団となる学校に限った話で、日本全国の高専学生全員が内定を受けたわけでは無い)。【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】などで詳しく解説しているが、高専学生は専門技術に特化しており(そもそもそのための学校)、企業側もその技術を頼りにするため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが高内定率の主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が反映された値でもある。

国公立と私立大学、男女別で確認


このうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当てて、男女別にその動向を見たのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年1月末時点と2013年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年1月末時点と2013年同時期)

今領域では前年同期比で低下を示したのは男子の国公立大学のみ。去年の同時期では国公立大学は男女共に下げており、そこから男子はさらに下げ続けたことになる。もっともこれは就職希望者が前年増期比で0.8%ポイント増加したことも一因であることを留意しなければならない。しかしながら私立男子では同じく就職希望者が1.5%ポイント増えた上で、内定率も2.1%ポイント上昇しているので、やはり国公立男子は就職の面でやや厳しい中にあるようだ。

このグラフ上では取り上げていないが、男子高専は就職希望率がマイナスで内定率はプラス、女子短大は就職希望率がマイナスで内定率もマイナスとの結果が出ている。前者の内定率プラスは多分に就職希望率のマイナスに救われた部分が大きく、後者は就職希望率が減少したにも関わらず内定率まで落ちてしまっている。両学校とも就職の点では前年と比べ、国公立男子同様、より厳しい状態に移行しているようである。

中期的な内定率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定率)において、過去のデータを逐次抽出し、直近10年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にあるのが分かる。しかしながら金融危機・リーマンショックに連なる一連の金融不況で生じた内定率下落以前の水準、今回期ならば85%強と比べると、さらにもうひと伸びが望まれる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年2月1日)

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年2月1日)

大学生などの就職(内定)率は、多分に経済状態や企業の景気判断、特に現状では無く今後の動向予測と深い関係にある。企業が近い将来多忙感を覚え、事業の拡大を予想できるのなら、それに従う形で新卒を増やす=求人を増加させ、内定率は改善される。不景気感を覚えるのなら門戸を狭くして備えるため、内定率は悪化する。大学生などの内定率を上げるのには、間接的には景気回復がもっとも確実な手段ではある。



冒頭にある通り、同日付で高校・中学卒業予定者の内定率も発表されている。その値も大卒予定者同様上昇を示している。高校生に限れば、各種データは次の通り。

・求人数は25.0万人。前年同期で13.3%増
・求職者数は16.8万人。前年同期で1.6%減
・就職(内定)者は15.2万人。前年同期で1.1%増

求人数が大幅に増加、求職者は減少。結果として(高卒者側から見れば選択肢が増え)就職状況は改善している。求人倍率は1以上(1.49)と、「求人数>>求職者数」の傾向は継続中(前年同期と比べ、0.20ポイントもの上昇)。もちろん就職希望者全員が確実に内定をもらえているわけでは無く、企業側と求職者のマッチングを考慮すれば、求職側にとってはまだ安心できる市場環境とはいいがたい。

さらにいえば【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】【学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる】などの各種就職関連の調査データが示す通り、中高卒者は非正規雇用としての就労率が高い。そして【「正規の仕事が無いから」非正規の職についた人は約2割(労働力調査・2013年第1四半期速報)】【なぜ非正規社員として働くのか? その理由を尋ねてみた】などの分析の通り、非正規社員の少なからずは「正規社員として働きたいが希望の職が見つからず、非正規社員として働いている」状態にある。

中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い。これは希望する待遇を果たせないままで就労しているのが一因。内定率そのものは高くても、定着率が低ければ、企業も学生も双方とも不幸でしかない。企業側の人手不足が深刻化する昨今、「仕方なくこの企業を選ばざるを得ない」という状況も減りつつある。定着率も上昇する形で、より健全な、雇用・被雇用双方が望む形で、就職内定率が上がるよう、望みたいものだ。


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