先行きへの懸念広がりDI値は大幅下落…2014年2月景気ウォッチャー調査は現状下落・先行き下落

2014/03/11 14:30

内閣府は2014年3月10日付で、2014年2月時点における景気動向の調査「景気ウォッチャー調査」の結果を発表した。その内容によれば現状判断DIは先月から継続する形で2か月連続して下落し53.0となったものの、水準値50は上回る状態を維持した。先行き判断DIは先月から続いて3か月連続して下落し40.0となり、水準値の50を切る状態が続いている。結果として、現状下落・先行き下落の傾向を示している。基調判断は先月から変わらず「景気は、緩やかに回復している。ただし、先行きについては、消費税率引上げ後の需要の反動減等の影響が見込まれる」となっている(【発表ページ:平成26年2月調査(平成26年3月10日公表):景気ウォッチャー調査】)。

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消費税率改定後の消費減退懸念から先行きは大幅下落


調査要件や文中のDI値の意味に関しては、今調査の解説記事一覧【景気ウォッチャー調査(内閣府発表)】で説明している。詳しくはそちらを参照のこと。

2014年2月分の調査結果はまとめると次の通りとなる。

・現状判断DIは前月比マイナス1.7ポイントの53.0。
 →2か月連続の下落。「良くなっている」は増えたものの、「やや良くなっている」が減り、「やや悪くなっている」「悪くなっている」が増加している。
 →家計では消費税率引き上げ前の駆け込み需要により、家電を中心に売り上げが増加。しかし自動車販売の増加割合が失速したのに加え、相次ぐ大雪で客足が鈍ったことが災いし、低迷。企業は受注・生産増加で一服感を覚えて低下。雇用も同様に伸び方にブレーキがかかり、低下。

・先行き判断DIは先月比で9.0ポイントマイナスの40.0。
 →消費税率引き上げ後の需要の反動、中期的な消費性向の低下に対する懸念が強く、全部門で低下を来たした。
今回月では消費税関連はすでに「改定後」の話にスライドしており、特に先行き判断DI値に大きなマイナスの影響が出ている。総合値が40.0とギリギリではあるが40台を維持してるものの、今後40を切るとなると2011年4月の震災直後における下落時(38.4)以降の話となる(2011年3月は26.6をつけている)。

下げ幅10ポイント超が複数の先行き判断DI


それでは次に、現状・先行きそれぞれの指数動向を簡単ではあるがチェックしていく。まずは現状判断DI。

↑ 景気の現状判断DI(-2014年2月)
↑ 景気の現状判断DI(-2014年2月)

2013年11月分では消費税率引上げの反動を受けて大きく下げた住宅関連だが(10月までに契約を取り交わしていれば特例を受けられた)、その後順調な回復を示している。1月分も上昇を続け、基準値の50に手が届いた形となった。今回月も引き続き上昇を続け、数少ない上昇項目として数え上げられている。

一方、上昇項目は前回月の3項目からさらに減り2項目に留まり、下げた項目は下げ幅もやや大きめなものとなっている。特に先月から続き飲食関連の下げ方がキツい。消費税改定に向けての買い溜めの影響が外食全般に出ている(予算の調整)に加え、大雪で客足が鈍ったのが大きい。

景気の先行き判断DIは税率引き上げの影響を大きく受けている。計測時点で2か月先に迫っているため、すでに駆け込み需要の勘案は無く、引上げ後の消費冷え込みへの懸念ばかりが募る状態。

↑ 景気の先行き判断DI(-2014年2月)
↑ 景気の先行き判断DI(-2014年2月)

全項目がマイナスで、カラーリングも楽である(汗)。もっとも下げ幅が大きいのは小売り関係でマイナス14.2、次いで製造業のマイナス8.1。住宅は市場そのものが活性化していることに加えて、消費税改定後の需要減退も乗り越えているが、マインドそのものの低下は避けようがない。特に消費者の消費性向の減退への懸念が強く、小売・飲食が30台にまで落ち込んでいるのが印象的ではある。

例えば小売り関係では直近において20台に突入したのは震災当月の2011年3月だが、それ以前ではリーマンショック後に何か月かに渡り経験している。中には10台まで落ちた月もあるほど。今回はそこまで落ちることはないだろうが、外食関連が元々不調なことから、飲食はややキツい下げ方となるかもしれない。

消費税改定を控えて強まるドタバタ感と不安


発表資料では現状・先行きそれぞれの景気判断を行うにあたり用いた、その判断理由の詳細内容「景気判断理由の概況」も合わせて公開している。その中から、世間一般で一番身近な「家計(現状・全国)」「家計(先行き・全国)」の事例を抽出したのが次の文章。

■現状
・消費税増税前の駆け込み需要が徐々に増えている。特に冷蔵庫、洗濯乾燥機等の買換え促進が顕著に表れている(家電量販店)。
・消費税率引上げ前になり、特に化粧品の動きが活発になってきている。化粧品は約2か月周期で購入されるため、2月の早い段階で一度購入し、3月末にまた来店があると予想される(百貨店)。
・消費税増税を意識して、缶ビールやカップ麺など、ケース単位の販売商品も動いている(スーパー)。
・大雪の影響で旅行を中止したり、旅行を控える人が多かった。また、従来からオリンピック時期には旅行を控える影響もあり、全般的に動きが鈍かった(旅行代理店)。
・ハイブリッド車を希望しても消費税増税前までの登録は不可能であったり、ガソリン車でも納期が間に合わない車種が出てくるなど消費税増税前の駆け込み需要は減っている(乗用車販売店)。
・安近短の旅行の受注及び間際予約ともに発生していない。加えて、今月中旬の大雪に伴う旅行代金の払い戻しに追い打ちを掛けられている(旅行代理店)。

■先行き
・消費税増税による予約状況への影響はほとんどないとみている。景気回復により、来場者も若干上向くとみている(ゴルフ場)。
・消費税増税後の4月から数か月は、どうしても売上の反動減は避けられない。ただし、どのぐらいの下げ幅になるかは、政府の経済対策の効果や当社の増税後の対策によって変わるので、予想がつかない(百貨店)。
・消費税増税後の反動減が発生する。ただし、その落ち込みを最小限にできるように海外からの旅行者対応、新サービス等でカバーしていく(家電量販店)。
・4月の消費税増税を前に客からは小遣いが減る分、外食する回数を減らす、より単価の安いところで我慢をするとの声がある(その他飲食[居酒屋])。
回答時点で税率改定まで2か月を切っており、商品によっては駆け込み需要が間に合わない物もいくつか出てきている。さらに関東地方でも2回に渡り猛威を振るった大雪が災いし、マイナスの影響が多方面に渡って生じているのが分かる。

上記掲載部分以外で特徴的なコメントをいくつか拾うと、大雪による需要拡大の恩恵(雪かきや長靴、屋根などの修復)を受けるところもあるが、概して消費税改定後の需要の変化を心配する声が多い。次いで材料費や電気料金の値上がりにより採算性が悪化する意見が多数で見受けられる。一方で雇用関連は概して堅調で、正社員だけでなくパートやアルバイトについても底堅さを覚える意見が随所で見受けられる。



消費税率引き上げを
間近にひかえ、
消費者マインドの低下を
懸念する声が急増。
焦点は下げるか否かでは
無く、どこまで下げるか
その度合いに
移りつつある。
他方雇用関連は概して
堅調に推移。
「サブプライムローンショック」「リーマンショック」「東日本大地震・震災」と直近の数年だけでも3つの経済的な(それこそ100年に一度の規模ともいえる)打撃的事象、さらにはそれらの期間に生じた政治的な空白・麻痺化によって、景況感は大きな痛手を受ける状態が続いていた。為替動向や株式市場の動きがそれを顕著に表している。

政治の変化に伴い日本の景況感は確実に変化を迎え、今また新たな試練の時を迎えようとしている。消費税率の引き上げは3%(実売価格に換算すると2.86%の値上げ)ではあるが、消費者の消費性向、そして企業の各種判断にどれほどの影響を及ぼすかは正直未知数である。1997年の消費税率引上げ(3%から5%)の事例を探そうとしたが、そもそも景気ウォッチャー調査自身が2000年から開始されたため、それもかなわない。

果たしてどこまで、そしてどれほどの期間影響を受けることになるのか。今後しばらくは景気ウォッチャー調査の動向には、これまで以上に注力する必要があるだろう。


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