アメリカにおける肥満と病気、健康的な生活との関係

2014/03/14 11:30

国力、食生活を象徴するかのように、アメリカでは肥満体系を有する人が多いとのイメージがある。実際、【アメリカの肥満状態をグラフ化してみる】などの記事で解説の通り、公的機関による調査結果でも、肥満と判断される人の割合は多く、その考えにさほど違いはない。そのアメリカにおける肥満な現状に関して、同国の調査機関ギャラップが先日、肥満の人が多い州・少ない州の間で、病症の診断率や健康的な日常生活の実行度にいかなる違いがあるかについて、興味深い調査結果を発表している(【Mississippians Most Obese, Montanans Least Obese】)。

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今調査はギャラップ社が独自に2013年1月から12月にかけて、アメリカ合衆国内に居住する18歳以上の成人に電話インタビュー形式で行ったもので、半々で固定電話・携帯電話にかけている(CDC:アメリカ疾病管理予防センターによるものとは別)。有効回答数は17万8072人。国勢調査によるウェイトバックが実施されている。肥満度を表す値としては自己申告による体重・身長を基にBMI値が算出され、18.4以下は痩せ、18.5から24.9が普通、25.0から29.9は太り気味(オーバーウエイト)、30.0以上が肥満と判断される。

BMI値の総計そのものは【State of the States】に、その他各種データと共に収録されている。このデータを基にした、肥満判定を受けた成人の割合の多い州10州と少ない州10州のランキングが次のグラフ。

↑ 肥満判定の成人率上位10州(2013年、米)
↑ 肥満判定の成人率上位10州(2013年、米)

↑ 肥満判定の成人率下位10州(2013年、米)
↑ 肥満判定の成人率下位10州(2013年、米)

BMIが完璧な肥満指針というわけでは無いが、信頼のおける、確証度の高い値には違いない。そのBMI値上で肥満と判断された人が3割を超える州がずらりと並んでいる事実には、あらためて驚かざるを得ない。そして下位州ですら2割を切る州はモンタナ州のみで、あとは2割を超えてしまっている。

この上位10州と下位10州、つまり肥満の人が多そうな州達と少なそうな州達それぞれを区分とし、肥満と深い関係がありそうな病症、例えば高血圧や高コレステロールなどに関して、発症している(慢性疾患状態である)と診断されたことがある人の割合の平均をまとめたのが次のグラフ。

↑ 該当する病症との診断を受けたことがあるか(2013年、米)
↑ 該当する病症との診断を受けたことがあるか(2013年、米)

差異に違いはあれど、いずれの病症も肥満上位10州の方が高い値を示している。「肥満だからこれらの疾病の発症率が高い」のか「各疾病の発症率が高いから肥満の人が多い」のか、それとも「他の原因、例えば貧困などで肥満化しやすく、同時に疾病率も高くなるのか」、この結果からだけでは特定できない。つまり肥満と各疾病との相関関係は把握できても、因果関係までは説明できない。とはいえ、容易に連動性は想像がつきそうな話ではある。

逆に、健康的な日常習慣を有している人は、肥満下位10州の方が多い結果も出ている。

↑ 日常生活で運動や健康に気遣う行動をしているか(2013年、米)
↑ 日常生活で運動や健康に気遣う行動をしているか(2013年、米)

これも因果関係までをも断定できるものではないが、少なくとも「健康的な生活スタイル」と「肥満の少なさ」との間には相関関係があることは分かる。

これらの要素はそれぞれ肥満の結果・要因の一部分に過ぎないと考えられる。つまり肥満だからといってすべての人が高血圧で高コレステロールになるわけではなく、健康的な食生活を過ごして運動をしても、確実に肥満から逃れられるとは限らない。しかし肥満体質から脱することで各病症の発症リスクは減らせそうではあるし、それを果たすためには健康的な生活習慣の実践が有効そうには見える。

肥満報告書では「肥満の人はそうでない人と比べて、平均で年間1300ドル(約13万円)ほども医療費の負担額が多い」としている。一方で今件調査では対象に含まれていない子供の肥満度合いに関しては、CDCの調査において改善(肥満判定を受けた人の割合が減少)されているとの報告もある。この状況が継続すれば、今後大人も、少なくとも若年層でも同様の傾向が生じることになるだろう。

肥満状態が続くと健康の上で難儀なことが生じやすい、日常生活の上で健康的な過ごし方を心掛けていれば肥満になりにくくなる。この関係は何もアメリカに限った話では無い。普段から暴飲暴食を慎み、健康志向を貫くことで、自分自身にもプラスとして返ってくることが期待できよう。


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