日経新聞に何があったのか、半年での都道府県別推定部数減少動向を探る(2013年後半期版)

2014/03/07 14:30

先に【産経以外の前半期比マイナス続く、日経は4%近い下げ率記録…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2013年後半期・半期分版) 】【岩手・福島・奈良でプラス、関東圏で大幅減…全国紙の地域別世帯シェア動向(2013年後半期版)】で読売新聞社の広告ガイドページ経由の日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」を基に、日本の主要全国紙5紙、具体的には読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞(日経新聞)・産経新聞の動向を精査した。その際、日経新聞の特異な減少が確認されている。今回は公開データを基に、同紙動向に関してもう少し掘り下げた形で動向を見ていくことにする。

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日経新聞の朝刊の世帯普及率動向


まずは日経新聞の朝刊における、世帯普及率の半年(2013年前半期から同年後半期)における変移。

↑ 日本経済新聞の朝刊世帯普及率(2013年前半期から2013年後半期への差異)(%ポイント)
↑ 日本経済新聞の朝刊世帯普及率(2013年前半期から2013年後半期への差異)(%ポイント)

後述するが厳密には3県ほど増加を示す県があるものの、ほぼ一様に世帯普及率が減少している。特に東京を筆頭にした関東圏、そして奈良県や大阪府などの近畿圏、つまり人口密集地帯での減少が著しい。

これは先行記事の通り主要5紙の中でも特に朝日新聞と日経に見られた動きだが、とりわけ日経はその傾向が著しいことが分かる。そして日経だけでなく読売・朝日・産経など多くの主要紙で、関東・近畿といった人口密集地帯(全国紙が強い地域でもある)への部数確保に注力をしている戦略が見られる中、日経の動きは同社にとって単なる数字上の減少以上の痛手との解釈が出来る。要は「大漁が期待できる漁場で、次々に魚群を逃がしてしまっている」ということである。

部数動向を確認、東京都の減少が顕著


続いて具体的な減少部数を都道府県別に見ていくことにする。先の記事ではエリアレベルで、しかも世帯普及率の動向での精査だったが、今件グラフではもう少し詳しい状況が把握できる。

↑ 日本経済新聞の推定減少部数(2013年前半期から同年後半期、千部単位)(朝刊)
↑ 日本経済新聞の推定減少部数(2013年前半期から同年後半期、千部単位)(朝刊)

↑ 日本経済新聞の推定減少部数(2013年前半期から同年後半期、千部単位)(上位10都道府県)(朝刊)
↑ 日本経済新聞の推定減少部数(2013年前半期から同年後半期、千部単位)(上位10都道府県)(朝刊)

前述の通り岩手県・宮城県・福島県の3県では、前半期比で100部未満ではあるが部数の増加を示しているため、「減少」部数はマイナスとなっている。しかしそれ以外は押し並べて減少。特に東京の3万部近くを筆頭に、埼玉・千葉・神奈川といった東京周辺、そして大阪府を筆頭にした大阪周辺、さらには愛知の部数減少が目立つ。中でも東京都の減少は特異なレベルで、該当期の減少部数全体の3割近くを占める計算になる。

この部数減少理由について、当然のことながら日経新聞自身や公開データには、何の説明もない。一方、先の部数推移の記事を掲載した後、「質の低下、飛ばし記事の増加で読者の嫌気がさしたのでは」「惰性で購読していた層が『卒業』したのでは」との意見をいくつかいただいた。また、企業単位で複数紙を購読している担当者が予算精査の際、予算削減のため購読紙を減らす話もちらほらと耳に入っている。

これらの意見を完全に否定できる材料は無い。また数字の面で検証できるものを探すと、東京都の場合、同時期に減少した夕刊部数が2.8万部と、朝刊の減少部数とほぼ一致している。恐らくは朝刊と夕刊をセットで(惰性的に)購入していた世帯、企業や部局単位で調達していたケースにおける「卒業」が相次いだものと考えられる。あるいは電子版に完全移行した場合もあろう(今件データでは電子版の登録数は公開されていない)。

この推測が正しいとすれば、今後年度変わりで新年度を迎える次半期、つまり2014年前半期もまた今回と同程度、あるいはさらなる減少の可能性は否定できない。主要5紙、特に日経新聞の動向には、引き続き注視してきたいところだ。


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