今後の宅配サービスに期待したいこと、安心・安全、そして節約

2014/03/15 14:00

高齢化や買い物弱者問題、育児支援や一人身世帯の増加、さまざまな社会環境の変化に伴い、食品や日用品を自宅・職場まで配送してくれる宅配サービスが注目を集めている。以前は専用の業者などが中心だったが、昨今では大手コンビニや外食産業も参入し、群雄割拠状態にあるのが実情。各サービス間の差別化が求められる中で、利用者はどのようなサービスを期待しているだろうか。日本生協連が2014年3月3日に発表した、宅配サービスに関する消費者実態調査の結果から探っていくことにする(【発表リリース:宅配サービスに関する消費者実態調査2014】)。

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一番の需要は「安心・安全な食品」


今調査に関する調査要項、「宅配サービス」の定義については先行記事【子持ち女性の宅配サービス、利用のきっかけは「チラシやパンフレット」が最多】を参照のこと。

今調査対象母集団は何らかの形で宅配サービスの利用経験があるわけだが、それを踏まえて、今後宅配サービスにどのようなものを期待しているか、それを尋ねた結果が次のグラフ。最上位についたのは「安心・安全な食品が届く」で75.2%。3/4が食の安全を宅配サービス業者に期待していることになる。

↑ 暮らしに役立つ支援やサービスとして、宅配サービス事業者に今後期待することは何か(複数回答)
↑ 暮らしに役立つ支援やサービスとして、宅配サービス事業者に今後期待することは何か(複数回答)

日本人は特に食にはこだわりを持ち、安心・安全には深い想いを抱いている。他調査の結果、そして今件でも後述するように高齢者ほどその傾向が強く、今後さらにこの要望度は増加するものと思われる。

次いで多いのは「節約ができる」。概して一般小売店より高値となりがちな宅配サービスでは矛盾しているように思えるが、業者側の一括大量調達による値下げ効果に加え、適量の素材を逐次宅配してもらうことで、余剰食材を減らすことによって間接的な節約が期待できる。業者にはこの面まで含めたガイダンスも求めれよう。

「災害時に地域で助け合える」「高齢者支援」「防災支援」(「育児支援」も多分に該当するだろう)は、食品・日用品などの商材の提供によるものに限らず、宅配担当が直接自宅・職場まで足を運ぶことを活用し、さまざまなサポートをするサービスに期待するというもの。特に高齢者を対象としたサービスの場合は、安否確認やさまざまな御用聞き、いわば「三河屋さん」的なものの期待も多分にある。

世代で異なる宅配業者への期待


今件項目につき、回答者の世代別で仕切り直した結果が次のグラフ。

↑ 暮らしに役立つ支援やサービスとして、宅配サービス事業者に今後期待することは何か(複数回答)(世代別)
↑ 暮らしに役立つ支援やサービスとして、宅配サービス事業者に今後期待することは何か(複数回答)(世代別)

「節約」の需要は世代を越えて高い需要があるが、それ以外では

・若年層ほど高期待…育児支援、貯蓄、子供の教育支援

・高齢者ほど高期待…安心・安全、災害時の地域互助、高齢者支援、防災支援、地産地消、国内生産者支援

といった傾向が見られる。上記の通り食材への安全・安心を求める声は高齢者ほど強くなるが、それ以外にも多彩な面で、あえてまとめるなら行政的なサービスに近いものを宅配サービスに求めていることになる。そして「行政的な」とある以上、無料、あるいは極めて安価で。

これも多分に、日常生活に欠かせない食材・日用品を届けるサービスであることに加え、自宅・職場まで直接足を運ぶ点に期待がこめられているのだろう。しかし宅配業者にそこまでのサービスが果たせるのかは、まったくの未知数。サービスが増えればコストは上がり、手間は増えていく。

公的機関・行政が行うものとは異なり、そのコストは直接利用者の負担となる。費用対効果の面で考えると、そして「節約」の項目では世代に関わらず高い回答率が示されている点を見ると、これらの期待に応えることは難しいのかもしれない。


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