「インターネットが無いと生きていけない」米成人の46%が実感

2014/03/03 15:30

2014年はCERNのSir Tim Berners-Lee氏が、現在のウェブに連なるWorld Wide Webシステム(WWW)の仕組みを論文にしたためた1989年3月から25周年を迎えることになる。これに合わせてアメリカの大手調査機関【Pew Research Center】は2014年2月27日、【アメリカ合衆国におけるウェブの25年間の動き(The Web at 25 in the U.S.)】と称した、同国のインターネット界隈の状況推移と現状に関する調査報告書を公開した。今回はその中から、インターネットやそれと競合しうる技術・製品が、同国の人達にどこまで浸透しているか、手放すのは忍び難い存在となっているのかを数字として確認できる項目にスポットライトをあてることにする。

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今調査は2014年1月9日から12日にかけて、アメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対し、電話経由でのインタビュー形式によって行われたもの。有効回答数は1006人。そのうち固定電話は502人、携帯電話は504人(うち固定電話を持たない人は288人)。国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。

まず一つ目の項目は、対象となる技術・製品の日常生活における必要度を示したもの。「その技術・製品が使えなくなる、無くなっても生きていけるか?」と尋ね、「非常に困難、不可能」(日本ならば「無いと死んでしまう」とでも表現されるのだろう)と回答した人の割合を示したもの。

↑ 対象技術を手放すのはほとんど無理(2014年1月、アメリカ)
↑ 対象技術を手放すのはほとんど無理(2014年1月、アメリカ)

挙げられた項目の中では一番高い回答率を示したのは「インターネット」で46%。アメリカの成人の約半数は「インターネットが無いと暮らしていけない」と自認していることになる。ほぼ同率で「携帯電話」が多数回答を得ており、今のアメリカにおける日常生活では、インターネットと携帯電話は欠かせない存在となっているのが分かる。

印象的なのは一般世帯向けの娯楽製品としては認知度が高く、インターネットよりもはるかに長い歴史を誇る「テレビ」の回答率が35%でしかないこと。見方を変えると2/3近い人は「テレビが無くなっても生きていけなくなるほど辛いわけではない」と考えている。日常生活における「テレビ」の立ち位置はその程度ということになる。

「テレビ」同様に時代の流れを覚えさせるのが「固定電話」。アメリカは日本に先行する形で固定電話の需要減・携帯電話の需要増の動きが進んでいるが、「固定電話が無いと非常に困る」とする意見は17%でしかない。携帯電話の1/3強に留まっている。それだけ生活における「電話」という言葉を意味する対象が、固定から携帯へと変化している証でもある。

比較対象となるものが無いが、「ソーシャルメディア」は10%。1割が「ソーシャルメディアは自分の日常生活に欠かせない存在」との見解を示している。この値だけを見ると、ソーシャルメディアへ中毒的な雰囲気で没頭している人が多数に及んでいる現状では、やや少ないかなという感はある。案外ドライな一面をも多分に持っているのかもしれない。

これを不定期ながらも経年データとして眺めたのが次のグラフ。空白部分は回答率がゼロではなく、設問そのものが設定されていなかったことを意味する。また、各年の調査対象母集団全体では無く、各技術・製品の利用者限定による回答率であることに注意が必要。浸透度そのものというよりは、利用者における熱中度合、中毒度の推移と説明した方が適切かもしれない。

↑ 対象技術を手放すのはほとんど無理(アメリカ、各技術利用者限定)
↑ 対象技術を手放すのはほとんど無理(アメリカ、各技術利用者限定)

このグラフを見るに、「インターネット」の利用者における必要性はますます増加し、「固定電話」は減少する一方であることが分かる。娯楽の観点で「インターネット」と比較されやすい「テレビ」は2006年から2007年の時点で没頭度合いは頭打ちとなり、直近の2014年ではむしろ減少している。「携帯電話(スマートフォン含む)」「電子メール」が直近で頭打ちとなっているのは、統計上の誤差だろうか。

ただし「インターネット」が大きな伸びを示しているのは、他の技術・製品と異なり、仕事との関連性が深いのが大きな要因でもある。「テレビ」や「携帯電話」は万一無くなったとしても仕事が出来なくなるわけではないが(「携帯電話」は難儀するだろうが)、「インターネット」は使えなくなることで仕事そのものが出来なくなるとの理由により、手放せない存在であるとの回答理由が多数を示しているとの解説がなされている。「生きていけない、手放せない」は、多分に「仕事が出来なくなる」を意味している次第である。



やや余談になるが、今調査対象母集団のうちインターネット利用者に、いつごろインターネットを使い始めたのかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ インターネットを使い始めたのはいつごろ?(2014年1月、米、インターネット利用者限定)
↑ インターネットを使い始めたのはいつごろ?(2014年1月、米、インターネット利用者限定)

1995年から2004年までの10年間に使い始めた人が57%と過半数を超える回答が示されている。WWWの仕組みが展開された時期からの利用者が6%も居るあたり、やや首を傾げるところもあるが(恐らく「それ位昔からやってるのでは……?」という形で、記憶が曖昧になっているのだろう)、ともあれ長い期間利用し続けている人がそれなりに多いことには違いない。


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