ネットとソーシャルメディア、新興国での世代間格差の現状をグラフ化してみる

2014/03/03 14:30

インターネットやその上で提供されるサービスのソーシャルメディアは、パソコンや携帯電話などのデジタル機器で利用されることになる。そしてデジタル機器の利用においては、得てして世代間格差が生じがち。今回はアメリカの大手調査機関【Pew Research Center】が2014年2月13日に公開した、新興国の携帯電話(一般携帯電話とスマートフォン双方を含む)事情の調査報告書【Emerging Nations Embrace Internet, Mobile Technology】を基に、新興国におけるインターネット、そしてソーシャルメディアの所有・利用率の世代間格差の現状を確認していくことにする。

スポンサードリンク


ネット利用率は中堅層まで高め


今調査は新興国24か国の18歳以上の人、それぞれ800人から3200人程度を対象に、対面調査方式で2013年3月から5月に渡って実施されている。各国の大人を代表する抽出が行われているが、一部国では特定地域の除外がなされている。

まずはネット利用率。報告書の表記上はインターネットを利用しているか、あるいはスマートフォン所有者とあるが、後者が事実上インターネットへのアクセスを可能とするものであることから、パソコンでもモバイルでもとにかく、ネットにアクセスできる人を意味すると考えて良い。



↑ インターネットを利用しているかスマートフォン所有者(世代別、2013年3月-5月)
↑ インターネットを利用しているかスマートフォン所有者(世代別、2013年3月-5月)

トルコ、エジプト、チュニジアなどでは20代までと30代・40代との間に大きな差が見られるが、それ以外は10%ポイント程度の差に留まっている。むしろ南アフリカのように30代・40代の方が利用率が高い事例すら見受けられる(これはスマートフォン所有率が高いのが原因)。

他方、先進諸国の動向同様に、シニア層の利用率はグンと落ちる。価値観の違い、必要性、居住環境、理由は多種多様に及ぶが、30代・40代の半分にも満たない国がほとんど。一方でチリやロシア、アルゼンチンのように、50歳以上でも4割内外のネット利用率を示す国もある。

ギャップが激しいソーシャルメディア利用率


次はソーシャルメディアの利用率。対象がネット利用者や携帯電話所有者ではなく、調査対象母集団であることから、機器の保有率・ネットの利用率の差が反映されることもあり(そもそも論としてインターネットにアクセスしていない人はソーシャルメディアは使わない・使えない)、世代間の格差が大きなものとなっている。



↑ ソーシャルメディアを使っているか(世代別、2013年3月-5月)
↑ ソーシャルメディアを使っているか(世代別、2013年3月-5月)

ウガンダやパキスタンのように低い値を示す国も一部にあるが、新興国でも若年層ならば多くの国で6割から8割、やや低めの国でも4割前後の人がソーシャルメディアを利用している。少なからずがスマートフォン経由によるものであり、新興国のソーシャルメディア利用もまた先進国同様若年層から、そしてスマートフォンに後押しされる形で普及しているようすがうかがい知れる。

世代間格差はどの国でも実状はさほど変わりない。中堅層は若年層の半分程度に落ち込み、シニア層はそのさらに数分の一程度に落ち着く。インドネシアやナイジェリアのように極端に低い国もある。

細かいところを見ると、南アフリカのように中堅層の利用率が高い国、中国やチュニジア、ボリビア、インドネシアのように、若年層と中堅層の差異が大きな国があり、一様にどの国でも同じような世代間格差が起きているわけではないことが分かる。

また絶対値で見ると、例えばロシアでは中堅層でも7割、アルゼンチンやチリ、ベネズエラでは5割の人がソーシャルメディアを使っており、新興国でのソーシャルメディア利用が確実に浸透している状況を再確認させられる。



新しいメディア、ツールの普及浸透が若年層から広まっていくのは世の常であり、新興国におけるネットやソーシャルメディアの普及においても変わらない。ただしデジタル系ツールの普及は極めてスピーディーであることから、あと数年もすれば新興諸国においても、世代間格差が縮まると共に、全体的な値が底上げされることになるだろう。


■関連記事:
【アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移をグラフ化してみる】
【主要国・世代別ソーシャルメディア利用率をグラフ化してみる】
【携帯は世界全体で9割強、新興国でも9割近く…世界全体の固定・携帯電話普及率をグラフ化してみる(2013年)】
【中国11億人・インド8.6億人…世界の携帯電話契約者数上位国をグラフ化してみる(2013年)】
【友達や家族とのデジタル系ツールでのコミュニケーション、世代で大いに異なる日本のケータイメール回答率】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー