薄型テレビの約半分はネット対応…インターネットテレビの出荷動向(2014年1月分まで)(最新)

2014/02/24 15:30

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先日【総計41.6万台、冬季オリンピックと駆け込み需要で大きく伸びる(薄型テレビ出荷動向:2014年1月分)(最新)】で薄型テレビの出荷動向の最新状況を精査したが、その過程で元データの区切りの中に「(内)インターネット動画対応」という文言が目に留まった。これは薄型テレビのうち、インターネット動画に対応しているテレビの出荷台数などを記した項目だが、良く見直すと面白い動きをしている。そこで今回は普段の「薄型テレビ出荷動向」の番外編として、インターネット動画対応テレビの出荷動向を軽くチェックしてみることにする。


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地デジ導入前は6割、直近でも5割はネット動画対応


「インターネット動画対応」テレビの明確な定義は元資料では確認できないが、言葉通りに読むと、いわゆる「インターネットテレビ」、つまりインターネットにアクセスし、ライブラリの動画コンテンツを利用できる機能を持つテレビということになる。現状ではアプリケーションの取得管理や閲覧もできる「スマートテレビ」が大型テレビを中心に浸透しており、現状における「インターネット動画対応テレビ」はほぼ「スマートテレビ」と見なしても問題は無い。

まずはそのインターネット動画対応テレビと、薄型テレビ全体の出荷実績、そして後者における前者の比率を示したもの。例えば直近の2014年1月は比率が51.0%なので、出荷した全薄型テレビのうちほぼ半数はインターネット動画に対応していることになる。

↑ 薄型テレビ・そのうちインターネット動画対応テレビ出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ・そのうちインターネット動画対応テレビ出荷実績(万台)

↑ 薄型テレビのうちインターネット動画対応テレビ出荷実績比率
↑ 薄型テレビのうちインターネット動画対応テレビ出荷実績比率

JEITAの公開統計データでインターネット動画対応テレビの出荷実績が確認できるのは2011年1月以降(前年同月を基に算出すればもう1年さかのぼれるが、誤差が生じるので行わない)。その範囲に限れば、すでに薄型テレビの約半数、地デジ導入前後に限れば6割ぐらいが対応テレビであったことが分かる。

地デジへの完全移行から1年ほど過ぎて、やや比率は低下するものの、それでも5割前後の水準は維持されている。さらに最近では少しずつだが、確実に上昇する動きを示している。家電量販店に並ぶテレビを見れば実情はすぐに分かるが、「出荷されるテレビの半分が、すでにネット対応とは」と驚く人も少なくあるまい。

大型テレビ≒ネット動画対応!?


「最近では少しずつだが確実に上昇する動き」としたが、その具体的な動向をグラフにすると次の通りとなる。サイズ別の各薄型テレビの値とかぶせると、その実情が透けて見える。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(2012年1月-2014年1月)(インターネット動画対応テレビ追加)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(2012年1月-2014年1月)(インターネット動画対応テレビ追加)

出荷実績の回復基調を見せ始めた2012年後半以降、薄型テレビの需要は大型化にシフトしつつあることはすでに説明した通り。ネット動画対応のテレビは、各サイズの出荷動向と重ねると、2013年半ば以前は小型・中型、それ以降は大型テレビに近い挙動をしているのが分かる。

安価施策が続き多種多様な選択肢が呈されるようになったのが、大型テレビ普及の一要素。各メーカーは競合他機種に少しでも競り勝とうと、多種多様な機能を実装する。量販店のテレビコーナーにずらりと並ぶ大型薄型テレビに貼られる特徴・機能のラベルを見比べ、「良くわからないが、同じ値段なら多い方が良さそうだ」と考えてしまうのは良くある話。また、多種多様なコンテンツの操作をするのには、画面が大きい方が都合は良い。

かくして薄型テレビは大型化と共に、ネットテレビ化、現状では事実上スマートテレビ化しつつある、と見ても良いだろう。



もちろんすべてのテレビがネット動画対応、スマートテレビ化するはずも無い。また実装されているテレビを購入しても、使うか否かはまた別の話。例えるならばスマートフォンにおけるワンセグ受信のようなもの。

とはいえ、薄型テレビの大型化シフトに伴い、(事実上の)スマートテレビへのシフトも続く。テレビ番組の視聴スタイル、視聴者の視聴性向も少しずつ「一方向でただ単に受信するだけ」から、「好きなものを好きな時に好きなだけ視聴する」スタイルに変化していく。そしてテレビ経由のインターネット利用者も少しずつだが確実に増加する。

今後テレビ視聴のスタイルはどのような変化を遂げていくことになるのか。その行く先は現時点では推し量るのは難しい。しかし薄型テレビの大型化とスマートテレビ化が、小さからぬ影響を与えるのは間違いあるまい。


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