新聞や雑誌へはほとんどが前年比マイナス…4マス別個の業種別広告費推移(最新)

2020/03/13 05:22

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2020-0312先行記事【総広告費は6兆9381億円・4マス揃ってマイナス、インターネットは2割近くの伸び…過去30年あまりの媒体別広告費動向(最新)】にて解説の通り、電通は2020年3月11日付で日本の広告費に関する調査報告書を発表した。これには日本の広告市場動向が把握できる数多くのデータが盛り込まれている。今回はそのデータを用い、いわゆる4大従来型メディア(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ。4マス)に対する、各クライアント業種別の広告費について、前年比を調べることにする。各業種がそれぞれの媒体に与えている・認識している影響力、ウエイトの変化などが把握できよう(【発表リリース:2019年 日本の広告費】)。

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2019年における媒体別広告費前年比は次の通り。インターネット広告とプロモーションメディア広告が堅調、4大従来型メディアはすべてマイナスとの結果が出ている。

↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2019年)(再録)
↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2019年)(再録)

今調査報告書では広告出稿元(クライアント)を21業種に区分し、4大従来型メディア(テレビメディアにおいては衛星メディア関連は除く。グラフでは地上波テレビと表記)それぞれに対する出稿広告費、各メディアが受領している出稿額全体に対する構成比、そして前年比の一覧が掲載されている。

まずは新聞についてその動きに関するグラフを作成し、状況を確認する。なお次以降4媒体のグラフは、すべて縦軸の区分を同じものとし、状況の比較がし易いようにしている。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2019年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2019年)

紙媒体として軟調さが際立つ新聞だが、その内情としてほとんどの業種でマイナスを示しているのが要因であることが把握できる。最大のマイナス幅を示したのはファッション・アクセサリーで3割近い下げ幅。他にも飲食・嗜好品が2割超え、化粧品・トイレタリー、家電・AV機器、金融・保険が1割超えの下げ幅。薬品・医療用品、趣味・スポーツ用品、官公庁・団体はプラスだが、官公庁・団体を除けば上げ幅は限定的。

続いて雑誌。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2019年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2019年)

全体の下げ幅が新聞よりも大きいだけに、業種別でも一層の状況の悪さが印象的。最大の下げ幅を示しているのは案内・その他でマイナス17.4%。他にも1割台の下げ幅の業種が複数見受けられる。官公庁・団体のみがプラスというのも寂しい形。

紙媒体との観点では親和性が高いはずの出版(新聞、雑誌、書籍、語学教材、他の刊行物)ですらマイナス13.1%と大きく下げているのは、何とも皮肉な結果ではある。無論一部は同一コンテンツを用いたインターネット媒体上に流れているのだろうが、それでも紙媒体としての雑誌上の広告が減ったことに違いは無い。

次はラジオ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2019年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2019年)

中には飲料・嗜好品のように3割を超す下げ幅を示している業種もあるが、プラスの業種も多い。中でも案内・その他のプラス74.4%が目立つ。金額面で大きな情報・通信や交通・レジャーが1割超えのプラスを示したのが、全体としての下げ幅を限定的なものとしたのだろう。

最後は地上波テレビ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2019年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2019年)

プラス業種数はラジオよりも少ない。最大の下げ幅を示したのは精密機器・事務用品のマイナス20.4%。最大の上げ幅は官公庁・団体のプラス61.5%。下げた業種数が多く、上げた業種だけでは全体をプラスにまでけん引するまでには至らなかった感がある。

4マスの中では一番広範囲への媒体力・告知効果が高いのが地上波テレビ。各商品・サービスとの相性のよし悪しもあるが、各業種の勢いが多分に表れているのが興味深い。



文中でも触れているが今回のグラフは、「各媒体を対象とした」「個々の業種別の」「広告費の前年比」。下げ率は同じでも業種が出稿している額面が異なれば、該当媒体に与える金額面の影響度合いは異なる。元々の金額が1ケタ違えば、前年比では同じでも、減った額・増えた額は1ケタ異なる。当然、広告出稿を引き受ける媒体側に与える影響も違ってくる。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2019年における各媒体の金額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度的指数を算出したのが次のグラフ。値が大きいほど、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。例えば前年比が30%のプラスでも、その業種が出稿する広告の総額が対象メディアにおいて0.1(%)しかなければ、影響度合いは0.3×0.1で0.03しかない。逆に伸び率が3%しかなくとも、総額比率が10.0(%)あれば、0.03×10=0.30となり、10倍もの影響度合いを持つことになる。

↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2019年の構成比、業界別)(2019年)
↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2019年の構成比、業界別)(2019年)

新聞では際立った影響を与えた業種は無し。地上波テレビでは情報・通信の下げ方が大きな影響を与えている。雑誌では化粧品・トイレタリー、ファッション・アクセサリー、交通・レジャーの下げ方の影響が大きい。そしてラジオでは飲料・嗜好品の下げ方が大きいものの、交通・レジャーの上げ方が貢献し、全体のマイナス幅を最小限に食い止めたことが分かる。

ともあれ、各媒体における各種業種への報道姿勢と、今件影響度双方の変化度合いを比較すると、色々と面白い連動性が見えてくる、かもしれない。


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