新聞へはほとんどが前年比マイナス…4マス別個の業種別広告費推移(最新)

2019/03/04 05:27

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2019-0303先行記事【総広告費は6兆5300億円・4マス揃ってマイナス、インターネットは1割を超える伸び…過去30年あまりの媒体別広告費動向(最新)】にて解説の通り、電通は2019年2月28日付で日本の広告費に関する調査報告書を発表した。これには日本の広告市場動向が把握できる数多くのデータが盛り込まれている。今回はそのデータを用い、いわゆる4大従来型メディア(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ。4マス)に対する、各クライアント業種別の広告費について、前年比を調べることにする。各業種がそれぞれの媒体に与えている・認識している影響力、ウエイトの変化などが把握できよう(【発表リリース:2018年 日本の広告費】)。

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2018年における媒体別広告費前年比は次の通り。インターネットが堅調、4大従来型メディアはすべてマイナス、紙媒体とテレビは不調、従来型はおおよそ軟調との結果が出ている。

↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2018年)(再録)
↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2018年)(再録)

今調査報告書では広告出稿元(クライアント)を21業種に区分し、4大従来型メディア(テレビメディアにおいては衛星メディア関連は除く。グラフでは地上波テレビと表記)それぞれに対する出稿広告費、各メディアが受領している出稿額全体に対する構成比、そして前年比の一覧が掲載されている。

まずは新聞についてその動きに関するグラフを生成し、状況を確認する。なお次以降4媒体のグラフは、すべて縦軸の区分を同じものとし、状況の比較がし易いようにしている。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2018年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2018年)

紙媒体として軟調さが際立つ新聞だが、その内情としてほとんどの業種でマイナスを示しているのが要因であることが把握できる。最大のマイナス幅を示したのは家電・AV機器で2割を超えている。他にも食品、ファッション・アクセサリー、精密機器・事務用品、自動車・関連品、不動産・住宅設備、外食・各種サービス、官公庁・団体がが1割超えの下げ幅。情報の速報性へのウェイトが高い業種が多々見受けられる。飲料・嗜好品、薬品・医療用品はプラスだが、その幅は限定的。

続いて雑誌。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2018年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2018年)

全体の下げ幅が新聞よりも大きいだけに、項目別でも一層の状況の悪さが印象的。最大の下げ幅を示しているのは飲料・嗜好品で3割超え。他にも2割近い下げ幅の業種が複数見受けられる。エネルギー・素材・機械や家庭用品、案内・その他のようにプラスを示している業種もあるが、金額が大きい業種が大きく下げているだけに、全体としても下げ方が大きなものとなっている。

紙媒体との観点では親和性が高いはずの出版(新聞、雑誌、書籍、語学教材、他の刊行物)ですらマイナス18.4%と大きく下げているのは、何とも皮肉な結果ではある。無論一部は同一コンテンツを用いたインターネット媒体上に流れているのだろうが、それでも紙媒体としての雑誌上の広告が減ったことに違いは無い。

次はラジオ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2018年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2018年)

中には出版のように4割近くの下げ幅を示している業種もあるが、マイナス幅の業種は限定的。プラスを計上した業種の多さが目立つ。

最後はテレビ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2018年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2018年)

最大の下げ幅を示したのは出版のマイナス13.0%。最大の上げ幅は精密機器・事務用品の56.6%。下げた業種数が多く、上げた業種だけでは全体をプラスにまでけん引するまでには至らなかった感がある。

4マスの中では一番広範囲への媒体力・告知効果が高いのがテレビ。各商品・サービスとの相性のよし悪しもあるが、各業種の勢いが多分に表れているのが興味深い。



文中でも触れているが今回のグラフは、「各媒体を対象とした」「個々の業種別の」「広告費の前年比」。下げ率は同じでも業種が出稿している額面が異なれば、該当媒体に与える金額面の影響度合いは異なる。元々の額面が1ケタ違えば、前年比では同じでも、減った額・増えた額は1ケタ異なる。当然、広告出稿を引き受ける媒体側に与える影響も違ってくる。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2018年における各媒体の金額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度的指数を算出したのが次のグラフ。値が大きいほど、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。例えば前年比が30%のプラスでも、その業種が出稿する広告の総額が対象メディアにおいて0.1(%)しかなければ、影響度合いは0.3×0.1で0.03しか無い。逆に伸び率が3%しか無くとも、総額比率が10.0(%)あれば、0.03×10=0.30となり、10倍もの影響度合いを持つことになる。

↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2018年の構成比、業界別)(2018年)
↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2018年の構成比、業界別)(2018年)

地上波テレビでは際立った影響を与えた業種は無し。新聞は食品や交通・レジャーの下げ方が大きな影響を与えている。雑誌では飲料・嗜好品、ファッション・アクセサリーの、ラジオでは出版の下げ方が影響大。他方ラジオでは食品や流通・小売業が貢献し、全体のマイナス幅を最小限に食い止めたことが分かる。

ともあれ、各媒体における各種業種への報道姿勢と、今件影響度双方の変化度合いを比較すると、色々と面白い連動性が見えてくる、かもしれない。


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