災害時にどんな情報が欲しい? その需要をグラフ化してみる

2014/02/18 14:30

昨今の積雪が良い例だが、自然災害においては被災者当人はもちろん、それ以外の人もまた、その災害に関する各種情報を強く求めるようになる。災害の内容、立場によって欲する情報の種類には違いが生じるが、自らが住まう地域で自然災害のリスクが生じた時、いかなる情報が必要とされるだろうか。内閣府が2014年2月10日付で発表した防災に関する世論調査によれば、もっとも多くの人が充実を求めていた情報は「家族や知人の安否」だった(発表リリース:【防災に関する世論調査】)。

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何よりも家族・知人の安否が一番知りたい


今調査は2013年11月28日から12月15日にかけて層化2段無作為抽出法で選ばれた人を対象に、調査員による個別面接聴取法で行われている。有効回答数は3110人。

地震に限らず各種自然災害が発生した時、地方自治体や報道機関、専門機関などはその災害に関する各種情報を発信し、注意を呼びかけ、少しでも状況の改善への手助けができるように尽力する。それでは自然災害が自分の居住地域で発生した時、もっとも充実してほしい情報は「家族や知人の安否」だった。41.8%の人が同意を示している。

↑ 居住地域で災害時に提供される情報で充実してほしいもの(複数回答、2013年11-12月)
↑ 居住地域で災害時に提供される情報で充実してほしいもの(複数回答、2013年11-12月)

今調査の別項目で「災害発生時にどうするかについて、話し合った内容」を尋ねているが、そこでも「避難方法・時期・場所」に次いで「家族や親族との連絡手段」が上位に入っている。災害発生時には家族全員が自宅にいるとは限らないし、知人が自分の目の届く範囲にいるわけではない。むしろ家族が皆別々の場所にいて、知人ともすぐに連絡が取れない可能性が高い。ケガをしているかもしれない、命に別状はないだろうか。もしものことを考えるに、その不安を打ち消すだけの情報を早急に求めるのは当然の結果といえる。

↑ 災害発生時にどうするかについて話し合った内容(話し合ったことがある人限定)(再録)
↑ 災害発生時にどうするかについて話し合った内容(話し合ったことがある人限定)(再録)

次いで多いのは「怪我人や救急患者の受け入れ病院」。これは自分自身や周辺の人が病院にお世話になる場合だけでなく、自分の家族や知人がその病院に居るかもしれないとの懸念によるところも大きい。直接連絡が取れなくても、もしかしたら病院に担ぎ込まれているかもしれないという次第である。

第3位の「地域の危険個所」は、例えば大雨などで洪水や山崩れのリスクが生じた時、自分の今いる場所が避難すべきなのか否かを知るために欠かせない情報。公的機関などで危険性のある場所を把握しても、その情報がうまく当該地域の人たちに伝わらなければ、何の意味もなさない。

以下「ライフラインの復旧見通し」「交通機関の運行状況」「避難勧告や避難指示など」が続くが、トップの「家族や知人の安否」以外はさほど大きな差は出ていない。いずれも「さらに充実してほしい」との強い願いがあることが見受けられる。

男性より女性の方が情報の充実を強く望む


充実が望まれる情報のうち、上位3項目について属性別で確認したのが次のグラフ。

↑ 居住地域で災害時に提供される情報で充実してほしいもの(複数回答、2013年11-12月)(属性別)
↑ 居住地域で災害時に提供される情報で充実してほしいもの(複数回答、2013年11-12月)(属性別)

都市規模別では概して大規模都市ほど充実を望む声が大きい。特に「家族や知人の安否」は高い値を示している。これは核家族世帯が多いこと、出勤先が自宅から離れており、災害時には家族がばらばらな場所にいる可能性が高いことなどが要因。他方、「怪我人や救急患者の受け入れ病院」では町村地域の値が高めに出ているが、これは元々周辺に病院が無く、災害発生時にどこに担ぎ込まれているのか、利用できるのかが把握しにくいのが原因と考えられる。

世代別では「地域の危険個所」への需要が20代で低めなのが気になるが、それ以外では概して若年層の方が高い値を示している。特に「家族や知人の安否」では他世代と比べて大きな差異がある。

性別では押し並べて女性の方が情報を強く求める傾向がある。これは他の調査結果でも繰り返し言及している話だが、女性は概して災害に対して敏感、かつ強く、長期間に渡り反応を示す傾向がある。母性本能によるものか、自宅にいる時間が長いからなのかまでは不明だが、その傾向が今件調査でもはっきりと浮き出ている。



災害時に必要となる情報は、その災害の内容、規模、その地域の環境など、多種多様な条件に伴い、その優先順位も変わってくる。また、あまりに情報が多すぎると受け手の処理能力がパンクしかねず、逆に害すらもたらす可能性もある。

必要な場面で必要な情報を、可及的速やかに提供し、多くの人に正しい判断が出来る材料を用意する。簡単そうに見えて、非常に難しい話ではある。単に情報を増やせば良いというものでもない。ベストの回答は無く、常に臨機応変な対応と、改善の模索、実行が求められよう。


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