頑張る雑誌が2誌に増加…ビジネス・マネー系雑誌部数動向(2013年10月-12月)

2014/02/18 11:30

社団法人日本雑誌協会は2014年2月14日付で、同協会が四半期のペースで更新・公開している印刷部数に関して、最新値となる2013年10月から12月分の値を公開した。この値は主な定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」で示したもので、第三者によるものとしてはもっとも公平で信頼できる、精度の高い指標であることが知られている。今回はその値のうち「ビジネス・マネー系雑誌」関連の値を確認して各種グラフを生成し、同ジャンルの状況精査を行うことにする。

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トップの「プレジデント」がぞりゅっと伸びる


データの取得場所の解説、「印刷証明付部数」をはじめとした用語の説明、諸般注意事項は一連の記事まとめ記事【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】で解説している。必要な場合はそのページで確認のこと。

それではまず最初に、2013年の10-12月期とその前期、2013年7-9月期における印刷実績をグラフ化し、状況を確認する。

↑ 2013年7-9月期と2013年10-12月期のビジネス・金融・マネー誌の印刷実績
↑ 2013年7-9月期と2013年10-12月期のビジネス・金融・マネー誌の印刷実績

今四半期では休刊、新創刊などによる増減誌は無し。ただし不定期刊と化した「¥en SPA!」が久々に発刊(2013年12月13日発売)したことで復活している。

対象誌の中ではいつも通り「PRESIDENT(プレジデント)」が飛びぬけた形でトップの座についている。しかも久々に、青棒より赤棒の方が長い、つまりこの四半期で部数が伸びているのが一目瞭然なほどの伸び方を示している。他誌が横ばい、あるいは少々の変化に過ぎないのと比較すると、一層その躍進ぶりが目立つ形となる。

1誌躍進、2誌プラス…前四半期比較


続いて各誌における四半期間の販売数変移を算出してグラフ化、状況を確認する。約3か月の経緯で印刷部数(≒販売部数)の変化が生じたのか否かの割合を示すものだが、季節による需要の変化を除けば、通常は大きな変化は生じない。

↑ 雑誌印刷実績変化率(ビジネス・金融・マネー誌)(2013年10-12月、前四半期期比)
↑ 雑誌印刷実績変化率(ビジネス・金融・マネー誌)(2013年10-12月、前四半期期比)

前四半期では「COURRiER Japon(クーリエ ジャポン)」のみがプラス領域に収まったが、今回はそれに加えて「PRESIDENT」「週刊東洋経済」が加わることになった。特に「PRESIDENT」は1割を超える上昇ぶりで、最初のグラフの赤棒・青棒の明らかな差異も納得がいく。同誌の該当期の出版内容を確認すると、老後周りに関する特集、資料の作り方、雑談テクニックなど、いわゆる「永久保存版」的な特集を組んだ号が多く、需要を底上げしたようである。

↑ PRESIDENT印刷証明付き部数(2013年10-12月期まで)
↑ PRESIDENT印刷証明付き部数(2013年10-12月期まで)

同誌の部数動向を見ると2010年までは漸減、それ以降は横ばいを示していたが、2013年に入ってからは乱高下の中で底値が押しあがりつつある動きにある。今四半期の上昇ぶりは直近の最高値、2011年4-6月期分をも超える結果をもたらしており、注目に値する。

2極化の様相…前年同期比動向


続いて前年同四半期の算出とグラフ化を行う。ジャンルによっては大きな影響のある季節変動などを気にせずに、純粋に年ベースでの雑誌販売動向の推移を確認できる。

↑ 雑誌印刷実績変化率(ビジネス・マネー系、2013年10-12月、前年同期比)
↑ 雑誌印刷実績変化率(ビジネス・マネー系、2013年10-12月、前年同期比)

前四半期同様前年同期比でも「COURRiER Japon」が大きな上昇を示している。これはここ数四半期来言及し続けているように、同誌が順調に部数を伸ばし、その成長ぶりが年を超えても継続していることによるもの。

↑ COURRiER Japon(クーリエ ジャポン)印刷証明付き部数(2013年10-12月期まで)
↑ COURRiER Japon(クーリエ ジャポン)印刷証明付き部数(2013年10-12月期まで)

また四半期ベースで大きく上昇した「PRESIDENT」も上昇過程の中にあることが分かる。この2誌が、当ジャンルでは成長株というところか。

一方「週刊東洋経済」は前四半期比ではプラスだったものの、年ベースではマイナス。本格的な春の到来はまだ先のようだ。それ以外の雑誌はいつもの通り。全体では半数がマイナス5%超という状況は決して好ましいものではない。



スピーディーな情報展開が期待される経済関連を取り扱うジャンルでありながら、そのスピード感を雑誌に盛り込むことが出来ず、軟調さが続いていたビジネス・金融・マネー誌だが、昨今は「COURRiER Japon」、そして今回期ではそれに加えて「PRESIDENT」の堅調さが目立つ形となった。「COURRiER Japon」同様、「PRESIDENT」も何度となく読み返したい、手元にずっと残しておきたい「永久保存版的な価値観」を持たせたのが勝因といえる。

あるいは永久とまではいかないまでも、数年間のレベルでも良い。とにかく物理的な形で残しておきたいと読者に思わせる内容こそが、読者は求めていることを証明したことになる。

スピード感の点では、紙媒体は逆立ちしてもデジタル媒体にかなうことは出来ない。ならば紙媒体でしか出来ない、優れている点はどこにあるのか。紙媒体だからこそ提供できる価値をどのように創造し、魅力と成していくのか。「COURRiER Japon」「PRESIDENT」の堅調ぶりは、その問いの答えを知るためのヒントを呈したに違いない。

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