大地震に備えた家具の固定や転倒防止、している人の実情としていない人の理由を探る

2014/02/17 14:30

先の震災以降、人々の防災意識は高まりを見せている。震災の日は年に2回、9月と3月を意識されるようになり、耐震建築物への需要はこれまでに無く高いものとなっている。そこで今回は、内閣府が2014年2月10日付で発表した防災に関する世論調査の結果をもとに、家具や家電などの固定・落下防止策に関する状況、している人はその度合い、していない人はその理由について見ていくことにする(発表リリース:【防災に関する世論調査】)。

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ほぼ完ぺきな実行度は高齢者ほど高い


今調査は2013年11月28日から12月15日にかけて層化2段無作為抽出法で選ばれた人を対象に、調査員による個別面接聴取法で行われている。有効回答数は3110人。

先行する別途記事で解説した通り、大地震に備えて家具や家電などの固定をしている人は約4割に達している。

↑ 大地震に備えてとっている対策(複数回答、2013年11-12月)(再録)
↑ 大地震に備えてとっている対策(複数回答、2013年11-12月)(再録)

それではその固定対策をしている人は、具体的にどの程度固定・移動防止が済んでいるだろうか。その度合いを確認したのが次のグラフ。全体では「ほぼすべて」が2割足らず、重量がある=地震時にリスクが高い物のみが1/4強、合わせて4割強という結果が出ている。

↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策の実施状況(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」人限定)
↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策の実施状況(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」人限定)

家具などの固定対策をしている人でも、重量があるもの(テレビやタンス、冷蔵庫など)の固定ですら終わっていない人が5割強居る計算になる。万一の際のリスクは当然重量があるものの方が大きいので、せめてそれらだけでも済ませてほしいものだが。

属性別に見ると男性、高年齢者の方が備えている割合は高い。女性は概して災害対策に敏感なものだが、家具固定に関しては行動が遅れている。これは後述する通り、色々と面倒なことが多いため、つい先延ばしをしてしまっているのが最大の原因(要は手掛けているものの、中途半端な状態となっている)。世代別で若年層の方ほど対応率が低いのは、面倒だからなのが主要因となっている。

地震に備えた家具固定、していない理由は?


それでは逆に、家具などの固定、落下防止をしていない人は、なぜ対策をしようとしないのだろうか。

↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策が出来ていない理由(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」を選ばなかった人限定、複数回答)
↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策が出来ていない理由(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」を選ばなかった人限定、複数回答)

最大の原因は「やろうと思っているが先延ばししてしまう」で32.5%、次いで「面倒」が24.4%。あとはほぼ横並びで「傷がつく」「お金がかかる」「転倒などしない」「効果は無い」などが続いている。家具や家電の固定、転倒防止策には正しい施行の情報に加え、それなりの労力、機材が必要となる。また力仕事となる場合も多く、一人では難しい場面も少なからず生じてくる。それらの手間を考えると、つい先延ばしをしてしまったり、面倒だからとやること自体を断念してしまう。

要は気持ちの問題なのだが、一度「面倒だし時間がかかるので後回しにしよう」と先延ばしにしてしまうと、予定がどんどん繰り延べになり、あるいは面倒だからやらなくても良いと勝手に判断してしまうことになる。ダイエットや大掃除と同じと考えれば分かりやすい。

これを属性別に見ると、個々の事情が良くわかる。

↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策が出来ていない理由(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」を選ばなかった人限定、複数回答)(属性別)
↑ 家具や家電などの転倒・落下・移動防止策が出来ていない理由(大地震に備えて取っている対策で「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」を選ばなかった人限定、複数回答)(属性別)

都市規模が大きいほど、特に東京都区部では「家具や壁に傷がつく」の値が高く、後者では「先延ばし」を抜いてトップの値を示している。これは賃貸住宅居住者が多いのが原因。また男女別では男性は「面倒」が女性より多く、女性は「先延ばし」が男性よりも多い。男性は一人でも出来る場合も多いが、単純に面倒くささから、女性は一人での作業が難しく他人(配偶者など)の手を借りて行いたいものの、時間の調整などがつかず、実施できない状況にあることが分かる。

世代別では若年層、そして意外に中堅層で「面倒」との意見が多い。また中堅層では「家具や壁に傷がつく」との意見も多いが、こちらは賃貸住宅というよりは調度品への傷を気遣ってのものだろう。



固定しない理由を見直すと、本人の意志によるところ、さらには自信過剰や極端な楽観論によるものの回答率が案外高い。これには啓蒙などで後押しをしたり、正しい認識を持ってもらうしかない。

他方「お金がかかる」「方法は分かっているができない」「固定方法が分からない」などは、手の打ちようで状況の改善が望める事例といえる。防災の日に家族総出で対策を施したり、資料を調べ工夫を凝らすなどにより、固定化を図ることはできるはずである。幸いにも震災以降、その類の資料は多数用意され、商品も容易に手に入るようになった。

一度対策を施せば、時々のメンテナンスをすれば良く、食料品の備蓄のような手間もいらない。是非とも室内で重量のあるものへの固定・転倒防止対策を施してほしいものだ。


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