各国でスマホへのシフト進む携帯電話事情(ICMR2013版)

2014/02/13 14:30

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世間一般にはガラケーとも呼ばれている一般携帯電話(フィーチャーフォン)、そして次世代携帯電話となるスマートフォン。現在携帯電話市場では、この二者間でのシフトが進んでいる。現在においても一般携帯にはそれなりのメリットがあり、新規に購入する人も少なくないが、大勢としては新規購入組も買い替え組も、スマートフォンを手にしている。それでは現在、スマートフォンは携帯電話全体においてどこまで浸透しているのだろうか。イギリスの情報通信省が2013年12月12日に発表した、世界各国の通信業界・メディア動向を反映させた通信白書の最新版【International Communications Market Report 2013】からいくつかの関連データを抽出し、精査を行うことにする。


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確実に進むスマホシフト


次のグラフは携帯電話保有者に占める、スマートフォン所有者の割合。回答者全体比では無いことに注意。例えばスペインなら2013年8月は75%なので、13歳以上の携帯電話保有者の3/4はスマートフォン持ちということになる。13歳以上全員の3/4では無い。

↑ 携帯電話(一般携帯+スマホ)所有者に占めるスマートフォン所有者の割合(2012年8月・2013年8月、13歳以上)
↑ 携帯電話(一般携帯+スマホ)所有者に占めるスマートフォン所有者の割合(2012年8月・2013年8月、13歳以上)

イギリス、スペインがやや先行する形を見せているが、概してどの国も6割から7割がスマートフォン持ちとなっている。そしてこの1年で10%ポイントもの上昇が見て取れる。新規にスマートフォンを買った人、これまで一般携帯電話を持っていた人のスマートフォンへの買い替え、双方合わせてここまでシフトが進んでいる。

他方日本はといえば、1年間における浸透そのものは他国とさほど変わりないものの、絶対値が極めて低い。30%ポイントほどの差が出ている。これについて白書側では「日本は一般携帯の機能が高く、いわゆるマルチメディアフォンとして使われており、それゆえにスマートフォンへの切り替えが遅れている」と説明している。日本の一般携帯電話≒マルチメディアフォンは、事実上スマートフォンと同じではないかとする見方もあるが、OSやタッチパネルの面などで、やはりスマートフォンとして仕切るのには難がある。日本は一般携帯電話全盛時には進んでいたがために、次のステップで逆に後れを見せてしまった次第である。

スマートフォンのOS区分


次に示すのは、スマートフォン利用者における、その端末のOSの区分。各国における販売戦略や流行り廃りが透けて見える結果が出ている。

↑ スマートフォンユーザーにおけるOS比率(2013年8月、13歳以上)
↑ スマートフォンユーザーにおけるOS比率(2013年8月、13歳以上)

どの国もAndroidが過半数。次いでiOS(Apple)が続いている。イタリアでは唯一iOSよりもSymbianの方がシェアが高く、Windowsも健闘している。また一部で「日本は異様なまでにiOSの浸透率が高い」と言われている件だが、この値を見る限りではむしろアメリカの方がiOS利用者率は高い。ただしそれ以外のOSの利用者がほとんど無く、日本がiOSとAndroidによる寡占状態にあることに違いは無い。

iOSの利用率がもっとも低いのはスペイン。Androidが72%に達しており、日本やアメリカと比べれば信じられないような状態ではある。

ちなみにiOSとAndroidに限り、1年前からの動向を記したのが次のグラフ。

↑ スマートフォンユーザーにおけるOS比率(2012年8月・2013年8月、13歳以上)(iOSとAndroid)
↑ スマートフォンユーザーにおけるOS比率(2012年8月・2013年8月、13歳以上)(iOSとAndroid)

iOSのシェアが伸びたのは日本とアメリカのみ。両国ではAndroidのシェアはほぼ横ばい。それ以外の国ではiOSのシェアは多かれ少なかれ落ち込み、Androidが大きく躍進している。Appleのブランド力の浸透度の違いが見えてきそうで興味深い。来年発表されるであろう2014年分ではどのような変化を示すのだろうか。


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