若年層はネットでテレビ…主要国別ネット経由でのテレビ番組視聴状況をグラフ化してみる(ICMR2013版)

2014/02/07 11:30

インターネット回線の高速化、画像処理技術の進歩、動画配信・共有サイトの浸透に伴い、テレビ番組をインターネット経由で視聴できる機会が増えている。個別のニュース単位で報道動画を配信する各テレビ局は多く、シリーズものの作品のダイジェストや序盤を公開するところも少なくない。イギリスの情報通信省では2013年12月12日に世界各国の通信業界・メディア動向をまとめた通信白書「International Communications Market Report」の最新版【International Communications Market Report 2013】を発表したが、そこにはインターネット経由でテレビ番組を観ている人の割合に関する分析もなされている。今回はこの点に注目して見ていくことにしよう。

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まずは全体的な(18歳から64歳)各国毎の「インターネット経由でテレビ番組を週一以上の頻度で見ている人」の割合。これには各社が独自に配信している動画サービスだけでなく、YouTubeなどに設けられた公式チャンネル経由のものも含まれている。

↑ インターネット経由でテレビ番組を週一以上の頻度で見ている人の割合(2013年9月)
↑ インターネット経由でテレビ番組を週一以上の頻度で見ている人の割合(2013年9月)

後述する中国を除けば、イギリスがもっとも多く36%、次いでイタリアの32%、アメリカの28%が続いている。日本は16%と、対象国では一番低い値。白書ではイギリスの値が高い理由について、テレビ放送局による無料ベースの映像配信サービスが大いに貢献していると説明している。例えばBBCのiPlayerは2013年8月には1.59億回ものアクセスがあったとのこと(2011年8月時点では月次で1.15億回だから2年で4割近い視聴回数増である)。

これを回答者の世代別に区分して再集計したのが次のグラフ。

↑ インターネット経由でテレビ番組を週一以上の頻度で見ている人の割合(2013年9月)(世代別)
↑ インターネット経由でテレビ番組を週一以上の頻度で見ている人の割合(2013年9月)(世代別)

全体としての値の高低が、そのまま各世代における回答率の国別の差となって表れている。また個々の国の世代別動向を見ると、概して若年層の方が値が高い。これはインターネットの利用率が若年層ほど高いのに加え、ネット経由でテレビ番組=動画を観ることへの抵抗感の高低が、そのまま反映されているものと考えられる。

一方で細部では国別の事情の違いも確認できる。欧米、フランス、ドイツ、イタリアでは大体「若高老低」の動きだが、日本やオーストラリア、スペイン、中国では18-24歳よりも中堅層の25-34歳の方が高い、あるいは同等の値を示している。ネットで提供されている番組の対象年齢の違いなどもあるのだろう。

特に日本では45-54歳層が一番の回答率を見せており、特異な状況にあるのが分かる。この理由について白書側では何も述べておらず、思い当たる節も見つからず、原因は不明である。ともあれ、一部イレギュラーな動きを示しているものの、「ネットでテレビ」のスタイルは若年層を中心に、それなりに視聴スタイルとして確立していることに違いはあるまい。



中国の値がずば抜けて高いことについて白書側では、【スマホ、タブレット、パソコン、デジタルラジオ…主要国のデジタル系機器の所有利用率をグラフ化してみる(ICMR2013版)】などでも解説している通り、同国の調査対象母集団が他国と比べると富裕層への偏向度が著しいがための結果であり、その領域における値でしかなく、参考程度に考えてほしいとしている。それと共に対象国の中ではブロードバンドの国ベースでの普及率は他国と比べてはるかに低い(がため、回答はどうしても富裕層に限定されがちである)ことなども理由として挙げている。

とはいえベースとなる人口が桁違いに多い国であることを考慮すると、一概に無視するのも問題。色々と難しい話ではある。


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