年収300万未満では26%が「死活問題」・消費税率引上げの家庭への影響は?

2014/01/27 14:30

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2014年1月23日にインターワイヤードのディムスドライブ事業局が公式サイトで発表した、消費税率引上げに関連する調査の結果によると、調査対象母集団では、消費税の8%への引き上げによって家庭に厳しさが増す、苦しくなるとする意見は74%に達していたことが分かった。影響がないとする意見は1割強に留まっている。世帯年収別では高年収ほど影響が無いとする回答が多く、年収300万円未満の世帯では26%が「かなり苦しく、死活問題である」と答えている(【発表リリース:「消費税率引き上げ」に関するアンケート】)。


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今調査は2013年12月12日から27日に渡ってインターネット経由で行われており、有効回答数は7275人。男女比は59.7対40.3、世代構成比は10代から10歳区切り(「70歳以上」まで)で0.3%・3.8%・15.7%・31.0%・27.3%・15.5%・6.4%。

今年の4月から消費税率が現行の5%にプラス3%されて8%へと引き上げられることになる。これに伴い、税率アップ分の支出が増えないよう、消費性向そのものを抑えるつもりでいる人は56.2%に達していた。税率分支出が増えるだろう・消費性向そのものに変化はないとする人は22.4%に留まっている。

↑ 消費税率8%への引き上げ後における消費性向(税率アップ分支出が増えるか、増えないように引き締めるか)(再録・一部再編集)
↑ 消費税率8%への引き上げ後における消費性向(税率アップ分支出が増えるか、増えないように引き締めるか)(再録・一部再編集)

それでは家庭そのものにはどのような影響が生じると考えているだろうか。税率のアップで直接生活が楽になるはずはないので、苦しくなる度合いを4段階に区分し、そのいずれかで答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 消費税率8%への引き上げにおける家庭への影響度
↑ 消費税率8%への引き上げにおける家庭への影響度

全体では12.6%が「かなり苦しく、死活問題」、23.1%が「かなり苦しい」、38.0%は「やや苦しい」。「さほど影響なし」は14.8%に留まっている。まだ税率引き上げが行われていないためか、「分からない」とする意見も1割強見受けられる。

世帯年収別に見ると、一部イレギュラーがあるものの概して低年収ほど苦しい度合が大きく、影響なしとする意見が少ない。特に年収300万円未満では26.3%が「死活問題」としており、「かなり苦しい」の27.6%を合わせると過半数が相当な厳しさを予見している。これは一番上の再録グラフ「家計引締め」の度合いとも連動しており、「年収が低い家庭ほど引き締めをしなければならない位に家庭に与える影響が大きい」と読み解くことができる。

年収が上がるに連れて「さほど影響なし」の回答率は上がる。特に年収1000万円を超えたあたりからその伸び方は顕著となり、1500万円超の層では44.4%が該当、相当な厳しさを覚える人は1割程度に留まってしまう。

これらの回答は、例えば「年収300万円未満の世帯では過半数が食費を10%引き下げざるを得なくなった」といった実測としての金額上によるものではない。しかし少なくとも心境の上では大きな負荷を覚えていることになる。それは多分に家計上に現れ、消費を減退させてしまうことになる。消費税の税率アップの影響のみで考えれば、年収そのもの以上に、消費性向の上での格差が拡大してしまうかもしれない。関連各方面には、十分以上の配慮が求められよう。



ちなみにこれを「学生までの子供が居るか居ないか」で仕切り直した結果が次のグラフ。

↑ 消費税率8%への引き上げにおける家庭への影響度(子供の有無別)
↑ 消費税率8%への引き上げにおける家庭への影響度(子供の有無別)

子供が居る世帯の方が、わずかではあるが強い影響を受けると思っている人が多い。一般的には子供が居る家庭の方が支出が多いことを考えれば、当然の話ではある。とはいえ、主に高齢者の増加に伴い生じる社会保障の財源確保が主目的で行われる税率引き上げで、子供がいる世帯により強い(家計運用上の)負荷を生じさせてしまうのでは、社会倫理に反しかねない。少なくとも中堅層以下は納得がいかないだろう。

社会保障も含め社会全体を支える存在となりうる子供への負荷へは、特段の配慮が必要不可欠に違いない。


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