1.6%ポイント前年同期から改善…大学生の2013年11月末時点での就職内定率は76.6%に

2014/01/22 14:30

厚生労働省は2014年1月21日付で、2013年度(2013年4月1日から2014年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。それによると2013年12月1日(11月末)時点の大学卒業予定者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定取得者の割合)は76.6%だった。これは昨年同時期と比べると1.6%ポイントの改善となる(【発表リリース(平成25年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同日発表された【平成25年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ】によると、高校新卒者の就職(内定)率は79.2%となり、昨年同期から3.4%ポイントの増加(改善)を示している。

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短大・高専以外は改善した就職内定率


公表された調査結果によれば、2013年12月1日時点で大学の就職内定率は76.6%となり、前年同期の75.0%と比べて1.6%ポイントのプラスとなった。つまりそれだけ内定状況が改善されたことになる。

↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2013年11月末時点と2012年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2013年11月末時点と2012年同時期)

元々短期大学の就職(内定)率は大学や高専と比較して低めに出る傾向がある。今回調査時点の内定率もそのパターンに従う形で、大きな差が生じている。また前年同期と比べた値では、今回の調査区分ではもっとも大きな減少率を示している。減少した学校は短大と高専のみで、高専はマイナス0.5%ポイントなのに対し、短大はマイナス0.7%ポイントとなっている。短大は前年同期では非常に大きな上昇(47.9%から59.3%と、11.4%ポイントもの伸び)を示したため、その反動も多分にあるのだろう。

前年同期からはやや落ちたものの、就職率が最も高いのは高等専門学校。現時点でほぼ100%が内定状態にある。【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2012年版)】などで解説した通り、高専学生は専門技術に特化している場合が多く、企業側も内定を出しやすい、囲い込みやすいのが高内定率の主要因。企業側の経営状況が厳しいことから、「即戦力優遇主義」的な雰囲気があり、それが反映された値でもある(一般的な新入社員に各種スキルを叩き込む、教育プロセスすら惜しいという判断)。

他方この観点で現状を見ると、高専の値がわずかだが減り、一般大学がいずれも内定率を上乗せしている動きは、単純な内定率上昇以上に、企業の体力に余裕が出てきた感はある。

国公立と私立大学、男女別で確認


このうち大学(国公立・私立の合計、個別)に注目し、男女別にその動向を見たのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2013年11月末時点と2012年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2013年11月末時点と2012年同時期)

今件領域では前年同期比で低下を示したのは無く、すべてで内定率は上回っている。前回計測期では国公立の女子が下げ基調にあったのが気になったが、今回はそれを忘れさせるかの様な上昇ぶりを示している。もっともこれは、就職希望率が国公立女子で前年同期比マイナス2.3%を示したのも一因なのを留意しておく必要がある(就職出来そうにない学生が就職活動を断念した結果、低確率者が戦線離脱をした形となったための内定率の上昇ともいえる)。

グラフ上には反映されていないが、男子高専・女子短大は双方とも、就職希望率・内定率共にマイナス。高専の内定値そのものが高めなことに違いは無いが、企業側の採用視点に動きが出てきた雰囲気がある。

中期的な内定率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件のような就職(内定率)に関して、直近10年間における動向をグラフ化すると、次の通りとなる。リーマンショック後下げ続け、2011年3月卒分を底とし、少しずつ、確実に回復基調にあることが把握できる。とはいえ、金融危機・リーマンショックに連なる一連の不況による内定率下落以前の水準、今回期ならば80%前後と比べると、まだ上昇回復の余地は十分にある。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2013年12月1日)

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2013年12月1日)

大学生などの就職(内定)率は、多分に経済状態や企業の景気判断、特に現状では無く今後の動向予測と深い関係にある。大学生の内定率上昇具合がさらに上向きとなるよう、景気回復を願いたいものだ。



冒頭にある通り同日付で高校卒業予定者の内定率も発表されている。その値も大卒予定者同様上昇過程にある。

・求人数は23.8万人。前年同期で14.7%増
・求職者数は17.1万人。前年同期で2.2%減
・就職(内定)者は13.5万人。前年同期で2.1%増

求人数が大幅に増加、求職者は減少。結果として(高卒者側から見れば選択肢が増え)就職状況は改善の方向性にある。求人倍率は1以上(1.39)と、「求人数>>求職者数」の傾向は前回計測期から続いている(前年同期と比べ、0.21ポイントもの上昇)。一方、企業側と求職者のマッチング(業種や労働条件など)を考慮すれば、求職側はまだ安心できる市場環境とはいいがたい。

さらにいえば【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】【学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる】などの各種データにもある通り、中高卒者は正社員雇用では無く、非正規雇用としての就労率が高い。そして【「正規の仕事が無いから」非正規の職についた人は約2割(労働力調査・2013年第1四半期速報)】【契約社員5割・パートやアルバイトの3割は「正社員に成れなくて仕方なく」】などの通り、非正規社員の少なからずは「正規社員として働きたいが果たせず、非正規社員として働いている」と回答している。

希望する待遇を受けずしての就労も多分な要因ではあるが、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い。いくら内定率が高くても、定着率が低いのでは、企業も学生も双方とも不幸に他ならない。昨今では企業側の人手不足が深刻化しており、「仕方なくこの企業を選ばざるを得ない」という状況も減りつつある。一生を決定づける場合も多い、初めての就職なのだから、慎重に選択し、判断をしてほしいものだ。


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