相場調整感露わに…野村證券、2014年1月分の個人投資家動向発表

2014/01/19 20:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2014年1月16日、個人投資家の投資動向アンケート調査結果報告書となる「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によると今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に問い合わせた「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続して下落の動きを示した。また株価の先行きに対しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月からさらに減り、他の意見回答者が増加している。株価動向への思惑は分散化しているように見受けられる。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年1月7日から1月8日に行われたもので、男女比は81.8対18.2。年齢層は60代以上がもっとも多く30.4%、次いで50代が30.1%、40代が26.9%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く30.1%、500万円-1000万円が18.2%、3000万円-5000万円未満が12.4%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く30.8%を占めている。次いで5-10年未満が28.8%、20年以上が26.4%。

投資に対して重要視する点は、概ね長期投資が最大値で46.1%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が22.9%と2割強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は49.0ポイント。前回からは5.4ポイントの減少。1月に入ってからの東京市場は昨年末の過熱感への反動もあり軟調さを続けており、この動きが個人投資家のマインドに「さらに調整市場が続くのでは」との見方を覚えさせたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で74.5%。前月分の77.2%からは2.7%ポイントの減少。「1000円以上の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況に変化は無いものの、前月からは5.3%ポイントの下落。それ以外の項目はすべて前月比で増加しており、相場の方向性への予想にやや戸惑いが生じている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップについたものの先月から続いて下落。都知事選周りの話があり「国内政治情勢」さらには「市場要因、心理的要因」が大きく値を上乗せしている。

・魅力的な業種は「資本財・その他」「自動車」「金融」の順で、DI値では金融がプラス化し、「医薬品」がプラスから脱落。以下「医薬品」「素材」「通信」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」「消費」はマイナス。「運輸・公共」は大幅に持ち直しを見せ、「消費」下落は先月から引き続き大きく、最下位に。

・ドル円相場に対する見通しは、やや円安方向へ傾倒。度合いを別にすれば円安観測の項目はすべて前月比で上昇。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が大きくDI値を上げてトップに。「日本円」はDI値を落として2位に後退。「中国元」はDI値をやや戻したものの、相変わらず他の通貨と比べて桁違いにDI値が低い(魅力が無いと判断されている)状況が継続中。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から不動。「なし」の値は先月からさらに後退しており、金融商品への投資意欲そのものはさらに強まる動き。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、今月も先月から継続してトヨタ自動車(7203)がトップに。魅力的な業種でも「自動車」が引き続き上位に位置しており、トヨタの回答数もケタ違いに多い実態。回答者世代がややシニアに偏っているのも一因だが、同社の信仰的人気は相変わらずのようだ。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
4位……本田技研工業(7267)
5位……武田薬品工業(4502)
今記事では5位までを抽出しているが、その限りではトヨタとソフトバンクはほぼ鉄板のランクイン状態(上位陣独占)が続いている。人気投票でしかないが、今調査が投資家を対象にしていること、「保有したい」「注目したい」銘柄を選んだ結果であること、そして株式の購入が人気投票的な意味合いも持つことを考えると、両社の株価が堅調なのも納得はいく。

また今回月では先月から続き、武田薬品工業、本田技研工業のような、派手さは無いが、質実剛健・安定志向の強い企業がランクインしている点に注目。株価下落状態にある今だからこそ、中長期的に安心して保有できる銘柄に注目が集まっているのかもしれない。



昨年末の加熱的な相場上昇感の反動が世界市場を覆っているが、数年前にも大発会から大きな下落を示した展開があり、その相場状況が思い返される人も少なくあるまい。

消費税引き上げがこの春に実施されるのに伴い、駆け込み需要が発生しているが、同時に引上げ後の景気動向への懸念も膨らんでいる。魅力的な業種の項目で「消費」がこの数か月下落を続け、今回月ではついに最下位にまで落ちたのも、典型的な消費後退への不安感から来るものと見て間違いはない。この動きはもうしばらく継続することだろう。


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