花王トップは変わらず、年末特有の商品が上位に(民放テレビCM動向:2013年12月分)

2014/01/17 11:30

映像音声検索技術「AV-Maker」をはじめとした、各種自社技術を活用し取得したテレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2014年1月16日、2013年12月度分となる関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のテレビCMオンエアランキングを公開した。それによると2013年12月でCMの放送「回数」がもっとも多かった企業・団体は、先月に続き花王となった。企業別順位、商品別ランキングでは携帯電話関連企業が複数見受けられるが、その他にも年末商戦に向けて大攻勢をかけた企業や、年末ならではの商品をアピールするCMの集中投下の結果がいくつか確認できる(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王がトップ継続、武田やユニクロが続く


データの取得場所、各種データの意味、今件記事が関東地域のみを対象としていることの解説は、記事集約ページ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行っている。必要な場合はそちらで確認してほしい。

発表資料では「出演者ランキング」を筆頭に、複数項目の切り口で集計されたランキングが掲載されている。その中で「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」の上位10位を抽出し、当方で再構築したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年12月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年12月、上位10位)

先月同様今月も、花王が第2位以降に大きく差をつけた形でトップの座についた。CMの展開様式、商品傾向が似通っていることから花王と並び評されることの多い興和は第6位にまで後退したものの、上位陣にあることには違いない。冬用の自社商品(とりわけトイレタリー関連)への周知攻勢は、花王は相変わらずフルスロットル状態のようである。

また、企業別ランキングでは普段あまり顔を見せない企業として、グーグルが目に留まる。これはあの検索エンジンのグーグルのことで、対象商品は同社のサービス紹介。ウェブ上でも最近よく目にする、ルームメイト同士のNino氏・ジャスティン氏などによるモバイル検索を使いこなした、ライフスタイルの楽しみ方の提案型CM。一度ならずとも目にした人も多いだろう。


↑ グーグルのCM。【直接リンクはこちら:Google モバイル:さがそう。「冬のお出かけ」全国篇】

スマートな使い方の数々を自然にこなしていき、さらにあのつたない日本語でしっかりと音声認識をして検索結果を出すあたり、「さすが」という印象を持たせてくれる仕上がりとなっている。

携帯電話関連会社では、こちらも先月から続きKDDIの攻勢が目立つが、順位はいくつか落としてしまっている。むしろ今回月ではソフトバンクモバイルが大きく前進(前回月は第16位)したことが注目に値する。ちなみにNTTドコモは前月同様圏外(21位以下)。

一方、携帯電話そのものではなく、携帯電話向けのサービスを提供する企業は、第19位にグリーが確認できる。ガンホー・オンライン・エンターテイメントやディー・エヌ・エーの姿は見当たらない。一休み状態にあるのかもしれない。

これら上位10位の企業のCM出稿量を、各放送先のテレビ局ごとに細分化した上で再構築したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年12月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年12月、上位10位)(局別)

トップの花王が日本テレビ・フジテレビに、興和がテレビ朝日へ出稿量を他局と比べて際立つ形で上乗せしているのはいつもの通り。今月の上位陣ではユニクロ、トヨタ自動車が比較的各局への広告出稿配分を公平に展開しているように見える。またグーグルもそれに近いが、ややテレビ朝日とフジテレビが多い感はある。今回展開されたCMがモバイル系の検索機能の公知が主目的であることを考えると、色々と想像させられる。

10位以内の企業に限って放送回数を累算すると、日本テレビが群を抜いてトップ、テレビ朝日とTBSがほぼ横並び、フジテレビがそれに続き、やや大きくテレビ東京が引き離される形。提供番組の事情もあるが、視聴率のすう勢とも浅からぬ連動性があり、非常に興味深い。この予想が正しければ、次の視聴率動向でも日本テレビは高数値を出しそうだ。

あの電子書籍リーダーや季節商品もトップテン入り


企業別の区切りではなく、個別商品のCM別に算出したランキングは次の通り。相変わらず携帯電話の運営元、関連企業の商品・サービスが上位に多数確認できるが、今回月は12月、そして年末商戦真っ盛りということもあり、季節感を覚える商品も見つけることができる。
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年12月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年12月)

企業別上位入りした企業ではKDDIとソフトバンクモバイル、グーグルがランクイン。企業別だけでなく商品別でも常連組だった興和は、今回トップテンには無く(20位以内にも見当たらない)、上記で言及したように冬の攻勢はひと段落ついたものと考えられる。

先月色々と言及したアマゾンジャパンのCMだが、今回月では「Kindle Fire HDX」が第2位に入っている。これはキンドルがアメリカで年末商戦のギフト的アイテムとして、タブレットマシン的な立ち位置から大いに売れたことを参考にしたのか、年末商戦向けの提案型CMとしてキンドルの中でもタブレット機としても使いこなせる「Fire HDX」に的を絞り、CMを投入したものと思われる。


↑ Kindle Fire HDXのCM。【直接リンクはこちら:Kindle Fire HDX 家族写真編】

際立った手法は用いておらず、オーソドックスな(やもすれば前世紀的な雰囲気もあるが)CM内容となっている。このことから前回のような賛否両論的な意見も無く、順当に受け入れられているようだ。

また、年末ということもあり、年賀はがき関連のCMも顔を見せている。これは昨今の事情に合わせる形で、スマホを使って年賀状を創るという新しいスタイルの提案をする内容。「年賀はがきのCMにスマホががっつり登場する」という趣のあるものとなっている。

この他にも年賀状需要でセイコーエプソンの「カラリオ」、これまであまり見られなかったタイプの企業・CMとしてメガネトップの「眼鏡市場」など、季節感あふれることも合わせ新鮮味のあるランキングとなったのが、今回月の特徴といえる。

次回はがらりと季節感が変わり、正月から年度末へのアプローチをメインとしたCMが多数展開されるものと思われる。特に携帯電話各社は、「iPhone横並び」となったことから、これまで以上の勢いを見せてくれるに違いない。


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