「信頼できる」3割足らず、「もらえないかも?」94%…国民年金への厳しい新成人の目

2014/01/12 15:00

マクロミルは2014年1月8日、2014年に成人式を迎える新成人を対象とした各種調査の結果を発表した。それによれば調査対象母集団では、国民年金(制度)に対して信頼をしている人は3割足らずであることが分かった。7割以上が「信頼できない」としている。また、自分が将来国民年金をもらえるか不安に思っている人は94%に達していた。若年層の代表ともいえる新成人は、国民年金に厳しい目を向けているようだ(【発表リリース:2014年 新成人に関する調査】)。

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今調査は2014年成人式の参加対象となる人を対象に、インターネット経由で2013年12月5日に行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1。

今件では「国民年金(制度)」という言葉を用いているが、これは実質的には公的年金制度を意味するものと考えて良い。なぜなら国民年金は基礎年金とも呼ばれており、自由業・自営業はもちろん対象であると共に、厚生年金保険・共済年金のような就業者向けの年金においても、第一段部分の年金として加入していることになっているからである。

↑ 公的年金制度の仕組み(厚生労働省解説ページから抜粋)
↑ 公的年金制度の仕組み(厚生労働省解説ページから抜粋)

それではこの国民年金に関して、全般的に信頼しているか否かを聞いた結果が次のグラフ。4段階に区分し、自分の心境に一番合うものを選んでもらっている。

↑ 国民年金をどの程度信頼しているか
↑ 国民年金をどの程度信頼しているか

信頼できる派は26.8%で約1/4。しかもそのうち「どちらかといえば」ではない、強度の信頼派は1.0%でしかない。一方、信頼できない派は73.2%で、強度の反信頼派は21.6%にも達している。新成人からは国民年金は強い不信感を持たれているようだ(もっともこれは単年のものでなく、過去においてもほぼ同じような結果が出ている)。

その国民年金の中身について、いくつかの要件の信頼度・信用度を尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 「国民年金制度」についてどのように思うか
↑ 「国民年金制度」についてどのように思うか

自分が歳を取り、受給年齢になった時に、果たしてもらえるのか否かについて、不安に覚える新成人が93.6%に達している。これでは信頼しろ、と言われても首を縦に振る人が少ないのは当然の話。

他方、「必要な制度だと思う」の設問でもほぼ8割の人が肯定しており、制度の必要性は認識していることがうかがえる。ただし「老後が安心できる制度だと思う」の回答者は5割程度に留まっており、「社会的に必要だが、それで老後のすべてがまかなえるとは思えない」という、現実的な考えを持っていることが分かる。

他方「持続可能な制度だと思う」の回答者は4割程度。この設問の文言では「制度そのものが(仕様を変更しても)持続可能な否か」「制度の仕様が現行のままで持続可能か否か」のいずれを意味するのかが判断しにくく、この回答項目の解釈はやや難しいものがある。

しかしながら「自分がもらえないかもしれない」との回答と比べると、「もらえない=持続されない」の回答率は低めのため、多分に「仕様を色々いじることで制度そのものは持続されるのだろう」との意見を持つ回答者が少なからずいたと考えられる。いずれにしても、持続性に疑問を持つ人が多いことには違いないが。



新成人をはじめとした若年層の、国民年金制度への不信感・不安感は、多分に制度の不平等性(いわゆる払い損)、制度の周知不足(税金面での優遇や、障害年金・遺族年金のような、生命保険的・医療保険的役割も持つこと)、そして一部知識人や報道などによる過度の「脅し」が多重に重なった結果といえる。

加入者が不振・不満を持つ制度ほど、不幸な仕組みは無い。施行する行政側としては、それぞれの問題点への適切な対処が求められよう。


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