関西圏で強烈な下げ…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2014年6月発表分)(最新)

2014/08/12 11:30

賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2013年度下期(2013年10月から2014年3月)」が2014年6月30日付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプに区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2012年下期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「増加」よりも「減少」回答者が多く、1/3を超えている。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2013年度下期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2013年度下期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は21.6%。減少回答は35.3%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。元の資料では「変化なしが4割超え」とし安定感を表しているが、後述するDI値はマイナス圏にあることも合わせ、需給の観点では賃貸住宅の供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手市場」。

間取り別では大型の物件における減少性向がやや大きめなのが目に留まる。もっともすべての大きさ区分において、前年同期のDIよりは改善の動きを示している。マイナスだが改善とは、下げ方の勢いに歯止めがかかり、緩やかになりつつあるということ。特に1LDK-2DKでは、ほぼ均衡のレベルにまで戻している。

これを首都圏・関西圏にスポットをあて、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2013年度下期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2013年度下期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2013年度下期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2013年度下期、前年同期比)

緑よりもオレンジ部分が長い、つまり「家賃増加」よりも「家賃減少」とする回答が多く、家賃の下落が起きていることには違いない。また「家賃減少」の値は首都圏・関西圏でさほど変わりはないが、「家賃増加」の値は圧倒的に首都圏の方が多い。つまり関西圏の方が賃料下落の雰囲気が強いことが分かる。

また間取り別では首都圏・関西圏共に1LDK-2DKが他よりも健闘し、特に首都圏では「増加」「減少」が均等している。加えて「増加」の部分だけを見ると関西圏では一部イレギュラーが生じているものの、概して狭い物件の方が大きな値を示している。小型から中型物件の需要が高まり、家賃の回復状況の後押しをしているようにも見える。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。大型物件の軟調さに加え、首都圏と比べると関西圏が不調に陥っていることが確認できる。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2013年度下期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2013年度下期、前年同期比)

首都圏で1LDK-2DKがプラスマイナスゼロを示しているが、それ以外はすべてマイナス。ただし首都圏では中型物件までは比較的下げ幅も穏やか。しかし関西圏全般と、大型物件全般は下げ方が大きい。需給関係をシンプルに考えれば、成約賃料が下がるのは供給側が多く、需要側を呼び寄せるために条件を甘く=賃料を下げる必要が生じて来るから。つまり大型物件や関西圏における賃貸住宅では、やや供給過多な状態にあることが推測できる。

前四半期では関西圏はそれなりに堅調だったこともあり、急速な悪化は気になる動きではある。他の住宅系調査データでも、関西圏ではネガティブな数字が相次いでいる。住環境が悪化するような要素は見られないのだが。


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