既存物件大幅増加、特に関西が多し…賃貸住宅会社の物件の増減をグラフ化してみる(2016年6月発表分)(最新)

2016/06/20 04:57

賃貸住宅の管理会社から成る業界団体「日本賃貸住宅管理協会」が半年単位で公式サイトにて更新公開している、同業界の白書的な調査結果【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2015年度下期(2015年10月-2016年3月)」が、2016年5月付でお披露目された。今回はその公開値を元に、賃貸住宅管理会社が管理する新築・既存物件、それぞれの増減について、グラフ化と現状の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などは先行記事の【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】に記載されている。そちらを参照のこと。

今協会に所属する賃貸住宅の管理会社は、新築、または既存の賃貸物件の管理を受託し、その業務を執り行うことになる。賃貸住宅全体の需要が増えれば既存物件だけでは追いつかず、新築物件の建造で管理数全体を増やして需要に応えねばならない。もちろん絶対数だけでなく、例えばファミリー向けの需要拡大、駐車場付き物件の訴求力向上、インターネット標準装備物件の人気化、太陽光発電設備の導入に対する興味関心の高まりなど、需要の内容変化にも応じる必要がある。一般的に「新規物件増」イコール「賃貸住宅の需要拡大」となる。

直近の値における新築物件と既存物件の仕入れ状況の変化については次のような結果となった。全体的には前年同期(季節属性による変化は考慮しなくて済む)と比べると「新築物件は増加」「既存物件も増加」となる。また関西圏以外では新築物件よりも既存物件の方が増加派は多いが減少派も多く、二極化が進んでいることが分かる。他方関西圏では既存物件の方が増加派は多く減少派は少ない動きを示しており、既存物件の方が増えている感はある。なお「その他」とは首都圏・関西圏「以外」の地域をまとめた上での集計結果を意味する。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で)

前半年期ほどではないが、関西圏の独自性、既存物件の強さがうかがい知れる結果となっている。この動きは「増えた派」から「減った派」を引いたDI値を算出しても良くわかる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)

今半期では差異こそあれど、どの地域でも新築よりも既存物件の方が伸びが大きい。賃貸住宅の需要が落ち着き、既存物件である程度カバーができ、新築物件の市場導入の勢いがややスピード感を落としたようだ。もっともいずれもプラス値であることから、増加する傾向には違いない。他方関西圏では新築物件の伸び率が最低で、既存物件が最大。他地域との違い、既存住宅のだぶつき感が透けて見える。

なお既存物件の管理数増加に関して報告書では以前「賃貸管理の技術面(法令対応等)の複雑化によって、自主管理から管理委託へと切り替える賃貸人が増加傾向にあると思われる。賃借人の権利意識も高まっており、円滑な対応のために必要な実務知識の水準も上がっている」と説明している。要は賃貸物件の管理運営上の手間が増えたことを受け、自前で物件管理をする所有者が減り、プロに任せる人が増えたとするもの。その説明ならば、既存物件の増加回答率が高いのも納得がいく。特に関西圏ではこの可能性が高い。

また今半年期では「全体としては相続対策による着工数の増加傾向」との言及もある。新設物件が多い地域では、この需要も増えているのだろう。


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