学生のみ減少派が増加派を超える…賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる(2017年6月発表分)(最新)

2017/08/10 05:05

2017-0807賃貸住宅の管理会社によって構成されている業界協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ごとに更新公開している【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2016年度下期(2016年10月から2017年3月)」が2017年6月に更新・公開された。その公開値を元に、賃貸住宅市場をさまざまな視点で、管理会社サイドのデータから推し量っている。今回は賃貸住宅管理会社に足を運ぶ客数の変化を確認していくことにする。賃貸住宅の需要動向が間接的ながらも把握できよう。

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各種調査要項などについては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】に記載されているので、そちらを参照のこと。

賃貸住宅を管理する会社に来たお客の属性を「学生」「一般単身者(学生除く)」「一般ファミリー」「高齢者(65歳以上)」「法人」「外国人」に大別。その上で、それぞれの来客数(直接来店した人の数)の「前年同期」(今件ならば2015年10月から2016年3月)と比べた変化を尋ねた結果が次のグラフ。「学生」は「減少」が「増加」を上回る、つまり全体的には客足が遠のいてしまっている。それ以外の属性は「増加」が「減少」を上回る、つまり客足が伸びている状況が確認できる。なお今件は前年同期との比較のため、季節属性などは反映されず、純粋に客足の変化を精査できる。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で)

増えた派(緑)よりも減った派(オレンジ)が多いのは「学生」のみだが、「一般単身(学生除く)」「高齢者」は増えた派が1/3を超えているのに対し減った派が1割にも届いていない、「一般ファミリー」「法人」は増えた派が3割を超えているが減った派も2割に近いなど、それぞれの属性における来客数の動向がかいま見れる形となっている。

傾向がより分かりやすいように、DI値(「増えた派」マイナス「減った派」)を算出した結果が次のグラフ。良い機会でもあるので全国の平均以外に、首都圏、関西圏、首都圏・関西圏を除くエリアそれぞれにおけるDI値を算出し、併記する。それぞれの地域別の特性が見えてくる。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(各地域別)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(各地域別)

「学生」はマイナスを示し、この層の賃貸住宅への需要が減退していることが分かる。ただしそれが学生そのものの人数の減少によるものなのか、学生が賃貸住宅を用いて通学せずに実家通いの傾向を強めているからなのかまでは分からない。

「学生」はここしばらくDI値でマイナスを示すことが多い。来店する時間的余裕が無い、IT化が進み来店する必要性がないと判断した結果、来客数としてカウントされる機会が生じないのかもしれない。さらに【大学生の自宅・下宿割合の推移をグラフ化してみる】にて解説している通り、大学生の保護者の財務事情から自宅通いが増えており、それが賃貸住宅の需要減につながっているのでは、との推測もできる。実際、経年で自宅通いの学生比率は確実に増加しており、その推測が正しいことを教えてくれる次第ではある。また学生の数そのものが減少しているのも一因だろう(年ベースで劇的な変化を見せるわけでは無いが)。

それ以外はすべてプラスなのも前半年期から変わらないが、「一般単身(学生除く)」「高齢者(65歳以上)」は2割を超え、大よそ3割とも表現できるほど。「一般ファミリー」が少なめなのと合わせ、そのまま人数構成別世帯数の伸び具合(単身世帯の増加、夫婦世帯の減少、高齢層の増加)と連動している感はある。また、一般単身者や高齢者は賃貸住宅を借りる際に条件が厳しくなる(貸す側、借りる側双方)ので、問い合わせが必要な場合も多いのだろう。

地域別の動向を見ると、「高齢者(65歳以上)」の増加はどの地域でも変わらないが、特に首都圏で突出している。また「外国人」は関西圏で大きな伸びを見せている、「学生」は特に首都圏で大きな減りが生じている、「一般単身(学生除く)」「一般ファミリー」は首都圏・関西圏以外で大きく伸び、関西圏では逆にマイナスとなるなど、それぞれの地域の特質や問題点がかいま見れる結果が出ている。

今回動向が数字化された来店客全員が賃貸住宅の契約をするわけではないが、契約の可能性は十分にある。少なくとも直接足を運んでいる以上、単に公式サイトを閲覧したりチラシを読んだ限りの人と比べ、賃貸住宅への興味関心あるいは必要性の度合いは高い。管理会社側としても冷やかし前提のものでない以上、来客はあるに越したことはない。その点ではお客の各属性の動向、地域別の変化はさまざまな方面で役立つ指標となるだろう。


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