学生のみ減少派が増加派を超える…賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる(2016年6月発表分)(最新)

2016/06/20 04:54

賃貸住宅の管理会社によって構成されている業界協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ごとに更新公開している【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2015年度下期(2015年10月から2016年3月)」が2016年5月に更新・公開された。その公開値を元に、賃貸住宅市場をさまざまな視点で、管理会社サイドのデータから推し量っている。今回は賃貸住宅管理会社に足を運ぶ客数の変化を確認していくことにする。賃貸住宅の需要動向が間接的ながらも把握できよう。

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各種調査要項などについては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】に記載されているので、そちらを参照のこと。

賃貸住宅を管理する会社に来たお客の属性を「学生」「一般単身者(学生除く)」「一般ファミリー」「高齢者(65歳以上)」「法人」「外国人」に大別。その上で、それぞれの来客数(直接来店した人の数)の「前年同期」(今件ならば2014年10月から2015年3月)と比べた変化を尋ねた結果が次のグラフ。「学生」は「減少」が「増加」を上回る、つまり全体的には客足が遠のいてしまっている。それ以外の属性は「増加」が「減少」を上回る、つまり客足が伸びている状況が確認できる。なお今件は前年同期との比較のため、季節属性などは反映されず、純粋に客足の変化を精査できる。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で)

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2015年4月-2015年9月における、前年同期比で)(前回分、再録)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2015年4月-2015年9月における、前年同期比で)(前回分、再録)

前半年期の動向と比べると「高齢者」「外国人」では緑が減ってはいるが、同時にオレンジも減っている。「学生」「一般単身(学生除く)」「一般ファミリー」「法人」では緑が増え、「学生」以外はオレンジも減っている。大よそ学生以外は勢いが増していると見る動きとなっている。

グラフは略するが主要地域別の動向を見ると、首都圏では「学生」以外の増加が大いに目立つ。中でも「一般単身(学生除く)」は46.7%が増加派で、減少派は3.3%しかない。関西の増加派14.7%と比べると大きな違いではある。また今半期では首都圏・関西圏を除くエリアでも「学生」以外の増加が一部属性で大きなものとなっており、「一般単身(学生除く)」は首都圏とほぼ同レベルとなっている。

傾向がより分かりやすいように、DI値(「増えた派」マイナス「減った派」)を算出した結果が次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2015年10月-2016年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2015年4月-2015年9月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(前回分、再録)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2015年4月-2015年9月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(前回分、再録)

「学生」は前半期から継続する形でマイナスのまま、ただしマイナス幅は縮小している。上記の通り唯一勢いが減退しているように見えた「学生」だが、前半年期と比べれば低迷ぶりが穏やかになってきたことが分かる。

それ以外はすべてプラスなのは前半年期から変わらないが、「外国人」以外はすべて上乗せし、特に「一般単身(学生除く)」「高齢者(65歳以上)」は30%内外と抜きんでて高い値を示している。他方、「一般単身」と「一般ファミリー」の伸び方の違いは相変わらず単身の方が大きい。そのまま人数構成別世帯数の伸び具合(単身世帯の増加、夫婦世帯の減少)と連動しているのかもしれない。

来店客全員が賃貸住宅の契約をするわけではないが、契約の可能性は十分にある。少なくとも直接足を運んでいる以上、単に公式サイトを閲覧したりチラシを読んだ限りの人と比べ、興味関心の度合いは高い。管理会社側としても冷やかし前提のものでない以上、来客はあるに越したことはない。

「学生」はここしばらくDI値でマイナスを示すことが多い。来店する時間的余裕が無い、IT化が進み来店する必要性がないと判断した結果、来客数としてカウントされる機会が生じないのかもしれない。さらにいえば、【大学生の自宅・下宿割合の推移をグラフ化してみる】の解説の通り、大学生の保護者の財務事情から自宅通いが増えており、それが賃貸住宅の需要減につながっているのでは、との推測もできる。実際、経年で自宅通いの学生比率は確実に増加しており、その推測が正しいことを教えてくれる次第ではある。


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