妊娠女性が働き続けるためには何が必要か、どれだけ整備されているか

2014/01/02 20:00

内閣府男女共同参画局は2013年12月17日に「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果の速報内容を発表した。その内容によれば妊娠が分かった時に就業しており、現在6歳未満の子供と同居中の女性から成る調査対象母集団では、一般的に出産後も女性が働き続けるのにもっとも必要とされていると考えているのは「保育園などに子供を預けられること」だった。9割近くの人が同意を示している。次いで「配偶者の積極的なサポート」「休職が取りやすい職場環境」が続いている。一方、それらの需要に対し、回答者自身の妊娠・出産時の職場での導入度合いについては、6割から7割程度が果たされているものの、中には整備が立ち遅れている項目も複数見受けられる(【発表リリース:「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報を公表しました。】)。

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今調査のうち今件該当部分については、2013年9月の時点で6歳未満の子供と同居中の女性のうち、第一子の妊娠が判明した時に被雇用者だった人を対象にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2002人。第一子妊娠時に正社員だった人は1197人、非正規社員は805人。

女性の就業における大きな課題の一つが、妊娠・出産時の就業維持・休職問題。出産前はもちろん、出産後も幼子の養育のために就業は困難となり、長期間のいわゆる「育児休暇」が必要となる。しかし企業側としては(理由には理解できたとしても)長期間の休職に難色を示す場合が少なくない。そしてこの企業側の姿勢傾向が、女性の就労におけるハードルとなっているとの指摘も多い。

今件項目では実際に妊娠時に就業していた人に対し、世間一般的には出産後も継続して就業するためには、どのような環境整備が必要になるかを尋ねている。そしてそれらの要件について、自分自身が第一子を出産した時に整備されていたか・行われていたかも聞いている。

↑ 出産後も働き続けるのには一般的にはどのようなことが必要か/その回答のうち、回答者自身が第一子出産時に当てはまっていたものは(第一子が1歳の時に就労していた女性限定)
↑ 出産後も働き続けるのには一般的にはどのようなことが必要か/その回答のうち、回答者自身が第一子出産時に当てはまっていたものは(第一子が1歳の時に就労していた女性限定)

最上位項目は「認可保育園・認証保育園などに子供を預けられること」で88.3%。出産後も就業し続けるためには、就業中に幼子を預けられる場所が必要になる。祖父母が同居していれば育児をバトンタッチしてもらうことも可能だが、昨今の世帯事情をかんがみると、それが出来る世帯はごく少数。また夫も就労している場合がほとんどであり、必然的に女性自身の就業時間中において育児をお願いできる場所が必要となる。そして昨今では少しずつ状況の改善が見られるが、それでも保育園の数不足は深刻なことに他ならず、母親の立場でもその状況改善を切に願っているのが分かる。

そしてそれに続くのが「配偶者の積極的なサポート」。77.9%と8割近くの人が望んでいる。保育園に預けられたとしても時間は限定されているし、育児には多数の時間を取られる中で、通常の家事をもこなさねばならない。配偶者の助力が求められるのも当然な話。また育児休暇をはじめとした「休職が取りやすい職場であること」、さらには「短時間労働など、職場に育児との両立支援制度があること」のような、子育ての女性であることを配慮した仕組み・環境を職場に求める声は大きい。

他方、これら施策・条件の導入傾向(回答者自身の実体験)だが、配偶者のサポートや職場の休職・両立支援制度の点で、求める声に比べるとやや低めの値が出ている。また職場における妊娠や育児に関する嫌がらせへの対処姿勢でも、値が低めなのが目に留まる。配偶者関連は夫側の就業状態にも寄るが、妊娠・育児への理解不足によるところが大きく、個々の男性において善処が求められる。

また企業側の姿勢では、育児・出産に対する企業全体としての理解認識不足がその理由だと考えられる。組織としての支援の仕組み・制度を創り上げ、それを利用しやすいような雰囲気作りをするのには、大企業はともかく中小企業では難しいところがあるかもしれない。だが出来る範囲で整えることにより、環境は確実に改善されていくはずだ。企業の負担は間違いなく増えるが、女性就業者の定着率の上昇が果たされることになれば、中長期的には企業自身にもプラスとなる要素も多分にあることだろう。


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